作詞・23
気の利いた言葉も一つでさえ言えない僕なんだ
夕暮れに少し寂しそうなあなたに何か言えたらな
隣に座る男の人は小さく溜め息を吐いて
僕と同じリズムで僕とは違う駅まで揺られてく
嫌なことは別に無かったよ 良いことも同じく
子供の頃よりもずっとできることは増えたのに
勝手に縛りつけたんだ 誰に巻かれた縄でもないんだ
身勝手な言い分だけど 責任なんて取れないけど
どこにでも行けるわけじゃない だけど少なくともここまでは来られたよ
与えられなかった自由に目を奪われて 当たり前に幸福を食い散らかした
勇気を振り絞ったわけじゃない だけどそれで救われた人もいたよ
望まない方へ手を引かれただけで 命さえ取り上げられた気がした
縫い付けられた口だって まだ笑うことはできるはずだぜ
これでも頑張っているんだよ 僕だけじゃないのは分かっているよ
涙が言うことを利かないんだよ だから「泣くな」なんて無理言わないで
命綱無しの綱渡り 母親が心配そうに見守っている
そんな顔をされても困るよ あんたが産んだから始まったんだ
聞きたくないなら耳を切れば良いよ
言われたくないなら「うるさい」なんて言ってる場合じゃないだろう
羽なんか確かに無いけど 飛べたって何も変わらないよ
あなた一人羽が生えていても 一番生きにくいのはあなただよ
走らなくたって良いんだよ 歩けるだけで十分だよ
竦んだだけの両足も同じ土を踏むのは飽きたよ
引き返したって良いんだよ 前を向いていたなら前進だ
流されたのはあなただよ それを許したのもあなただよ
立ち尽くしても恥じることないよ そのまま死ぬのはごめんだけどさ
言いたいことは山程あるんだ あなたの好きにすれば良いんだ
僕だって偉くはないんだ あなたとそう変わらないんだ
不安になることはないよ 世界はあなたなんか気にしちゃいないよ
叩き殺した小蝿にあなただっていちいち泣かないだろう
別に嫌味のつもりではないんだ 僕だってそう変わらないんだ
泣きたいなら泣けば良いよ こんな言葉に甘えられるならさ
今朝結んだ覚悟でさえも 日が沈む頃には鈍で
笑える世界じゃないんだ 幸せは努力の賜物だ
誰もあぶれちゃいないよ 不幸でさえあなたの選択だ
今はもう飛べなくて良い あなたと並んで歩ける
『楽観』




