作詞・17
置いてけぼりにしてきたよ あたし以外の全部を
お互い姿も見えなくなって 一人分の足跡だけ
本当に置いてかれたのは あたしだけなのかもしれない
言葉が何も出てこない 描きたいものが浮かばない
どうすれば素敵になるの みんなにとっての幸せに
眠れない夜を越えたって 起きていたくない今日が来るだけ
あたしを馬鹿と呼ぶのなら あなたはあたしを真似れるの?
あたしを無能と呼ぶのなら あなたはあたしを救えるの?
怖いだけなの 見えないことが
行き先照らしてよ こんなに闇が深いのは
きっとあなたの輝く未来のせいだわ
首吊って 腹裂いて 溺れて 燃えて 飢えて 飛び降りて
あたしが愛した桜の木の枝は縄を括る為のものじゃないわ
命捨てるのは楽で 方法は迷うほどたくさんあって
どれかを選べない毎日を 繰り返して今日も死に損ねたよ
吹っ切れられたなら良いよ 前に進めたのなら重畳でしょう
たまに後ろを振り返って 誰もついてこないと自覚した
時々ほっとしたような顔で うるさい毎日に寄りかかって
何も言わないで 離れないで ただのわがままを聞き入れて
疑うことを責めないで あなただって他人事じゃないでしょう
知らないふりに気づいて 素直に言えないあたしを抱きしめて
面倒なことはわかってる 次できっと最後にするから
昨日も言ってた気がするけれど それはあなたも同じでしょう
恥ずかしいの 一人でいることが
裏切らないで 側にずっといて
信じてきた過去を殺さないで
成功者 お金持ち 人気者 スーパースター 幸福者
あたしが夢見る幸せの形をそんなもので歪めないで
命を捨てるのは楽で 一度きりの方法を選り好んで
全部試せられたのなら この人生に何も文句は無いわ
何をしたら認められるの 埋もれないように生きられるの
名前を知ってほしいだけ ここにいると伝えたいだけ
邪魔する誰かに微笑んで 気味が悪くてうんざりよ
苦しそうに頬張って 重たそうに抱え込んで
持て余すくらいならば 捨てた方がみんなの為だ
そんなこと二度と言わないで あたしにだって欲張らせてよ
置いてけぼりにされたよ あたし以外の全部に
見えなくなった姿は いつか忘れられたなら大丈夫
あたしだけ あなただけ それだけで もう十分だって
そんなわけないわ あたしはあなたとは違うもの
今じゃなくてもきっと良いの 死は一度きりのチャンスだもの
こんな泥に塗れた場所は あたしの墓には相応しくないわ
報われるなんて信じたくないよ 配られた幸せは要らないよ
このままじゃ死に切れないだけよ 次こそあたし以外を置いていくよ
『墓』