作詞・14
こんにちは 初めまして 冷えた指先に掴まれて
ずっと前から生きていて あなたのことを見ていたかった
目覚めてすぐに泣きじゃくり 忘れて眠る赤い頬
どんな声をしてたかな 知る由も無いよな
光からはずっと音沙汰ない 影はいつも黙って目を背けた
もう少し もう少しだけ 待ち焦がれるのももう飽きたよ
誰も居なくなったこの場所に 辿り着けたのは自分の力じゃないよ
あなたが居なくなったこの場所に 居続ける意味ももう無いよ
何にも無い一日だよ 世界は祝福しちゃくれないよ
それでも生まれた命だよ 愛おしくたって仕方ないよな
味がしないあの歌を あなたは飽きずにせがんだよ
悪い気はしなかったよ 私は呆れた顔のまま
怖がりが悪いんじゃないよ この場所が脅かしてくるから
どうしても分かってほしくて あなたは泣いているかな
友達は多くはないけど 無害でも居られはしないけど
大丈夫 大丈夫だよ 信じられた日はもう失くしたよ
あなたを囲う有り難い人たちも 彩りのための飾りだと割り切りたいよ
それができないくらいの良心は あなたも捨て切れないでしょう
一日違ったところで 誰も私も気にしないけど
それでも変えられたくないよ せめて今日だけはあなたが主役だ
夢見ていたいつかは 褪せた姿ですれ違い
語ることも無いけど 離れる理由も無いから
一緒に居たかったよ なんて思う今もあったかな
あなたが思うよりずっと ちゃんと歩けていたから
私もきっといつかは あなたみたいになるのかな
もう少し もう少しだけ 待ち侘びた日には追いつけないよ
今よりもずっと幸せの日々を かなぐり捨てて選んだあなたが
伸ばして繋いでくれた手に 今度は私が報えるように
輝かしく埋もれた私へ 連れ立ってくれたあなたへ
誰よりも報われたかった 今は無い私以外へ笑えるように
『誕生』