作詞・10
言いたいことなんてもうないよ 言えることは端からないよ
全部話し終えたんだ それじゃあ そろそろお別れだ
耐え損ねた雫が一つ これを心と言うのかな
初めて触れる君だから 壊れてしまう気がしたよ
今になって思えば そんなに柔な君じゃない
もったいないだけだったんだ せっかく貰ったこの命
使い道も分からないけどさ 念のため大事にしておくよ
何の繋がりもないんだ 出会わなかったかもしれないんだ
奇跡と言っても過言じゃないんだ どんな顔をすれば良いか分からないや
素敵なことがあったよ 生まれて良かったと思えるくらい
はにかんだ頬に手を伸ばしたら 思わず君は泣き出したよ
つまづいてばかりの今日で 転んでばかりの今日で
泣き出しそうになる今日で 投げ出しそうになる今日で
今日を生きるに足る今日で 君にまた会える今日なんだ
どこかを目指して来たんだ ふらつく見栄っ張りの世迷言
知らない場所に来れたんだ 歩き慣れた道の上で独り言
ほっとしたような気持ちで 怯えて睨み続ける迷子と
そんな僕の気も知らずに 涙を拭ってくれた君のこと
期待できない明日だ 嫌なことだらけでもう沢山だ
頑張っている気でいるけど 結局君頼みの明日だ
素敵なことがあったよ もう死んでも良いと思えるくらい
君と指切りをしたんだ だから死ぬことはできないけど
立ち上がってばかりの命で 疲れるばかりの命で
そんな毎日が続く命で 全くお似合いの命で
思わず笑えてくる命で 君と一緒にいる命なんだ
大した奴じゃないんだ 偉そうなこと言ってごめんな
どうして君といるんだろう 分からないけどただありがとう
冬がまた来るみたいだ でも今は灯りを持っているよ
安心して 心配いらないよ 今更強がりもできないよ
君は大丈夫かな 不安だよ なんて他人のことばかり
勘違いなんだろうな だったら何と呼ぶのかな
言いたいことなんてもうないよ 言えることは端からないよ
話すことを探しに行くよ 本当の本当にお別れだ
やっぱり君ははにかんだ つられて僕も微笑んだ
濡れた頬はまだ乾かない これを心と言うのかな
『子ども』