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白蝶国  作者: 桜騎
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白蝶国の女王は

 「で、黒児。殺人会社の軒数はわかったのよね?」

「はい」

黒児はいつもの白い机に紙を置いた。紙というよりも、地図だった。黒児は地図をさしながらしゃべりだした。

「ここ、白蝶国の都市に一軒。そして、北東に一軒、南西に一軒です」

「どこからでも頼みに行ける距離ね。依頼者が多いはずだわ」

私は地図に書き込まれた赤いペンの後を指でなぞった。

「斜めに並んでいるのね…。遠くても、一日二日でついてしまうわ。無能な子が嫌な家は、少しかかっても絶対に連れて行く距離ね」

だから、昔よりも依頼者が多いんだわ。

 「黒児。お願いしてなかった事だけれど、昔のこの会社の位置はわかる?」

「…きっと、私も白蝶さまと同じ事を考えていますよ」

黒児は笑って青ペンを取り出した。なぜ笑うのか不思議だったが、黒児は何も考えないで行動するわけではなにから、放っておくことにした。

「ここと、ここと、ここですね」

青ペンが示したのは、都市とその周辺の三軒だった。

「都市ばかりね…?」

「ええ。先ほどお話ししたと思いますが(詳しくは『会社が出来るときは』へGO!)、昔の国王様は怠惰。政治は下々に任せていました。…ただ、その国王様は、その会社をつくるときだけは、自分から動いたそうですよ」

「会社を都市の周辺にしろって…?」

「はい。ま、普通に考えて田舎方面に会社を建てるのはありえませんよね。田舎方面では農業が盛んですから、会社を建てようとすれば畑の面積が減るだどうのこうのとなりますからね。…そのため、富を持つものは都市に集まったのですよ。当時は奴隷を殺害するために建てたものですから、都市周辺に建てるのは当たり前ですね」

 「じゃ、それがいつ移動したのかわかる?」

「今調べているところです。もうすぐ来るかと。…すみません。最初はどこにあるのかという問題を集中して調べていたので、そちらが遅れてしまい…」

「ああ、べつにいいのよ。無理なお願いをさらに難しくしたのは私だもの」

黒児は黙って頭を下げた。その時、閉じた扉からノックする音が聞こえた。

「入れ!」

「失礼いたします。殺害会社がいつ移動したのかわかりました」

この言葉には黒児が反応した。

「白蝶さま、少し失礼いたします」

「ん」

黒児は入口付近に立ち尽くしている自分配属の部下のもとへむかった。そこから少し、会話が聞こえてくる。

「ああ、ご苦労だったな。…そうか、ありがとう。…ああ、ありがとう。下がってよい」

部下の方はよく聞こえなかったけど、どうやら年と日にち、方法などを伝えたらしかった。

 「お待たせしてすみませんでした。今入った情報ですと、今が2036年なので70年前、1966年に移動し始めたそうです。その頃はちょうどその先先先先代国王陛下がお亡くなりになって…ああ、その先先先先代国王様が奴隷を殺した人なんですが…。で、お亡くなりになった後、先先先代国王様…つまり、不老不死は国王になってはいけないと決めた方ですね。が就きまして、奴隷を殺す必要がなくなったため、移動したそうです。そして移動した後はやはり奴隷の頃と変わらず、無能者を殺害したそうですね。ただ、依頼された人だけだったし依頼人も少なかったため、そこまで会社の存在は否定されなかったらしいです」

黒児は手にしていた紙をめくった。

「ところが、2033年頃から依頼人が増加したそうです。そのため、あの会社は存在を完全に認められ、一軒200人まで受け付けられるようになったようです」

黒児は紙を机に置いた。

「…なぜ、依頼人が増えたのか、それは謎です。普通に考えれば、無能者が増えたからでしょうね」

「…」

「おや、白蝶さま、どうなさいました?昨日の疲れがまだ取れませんか?」

「いや…」

私は首を振って否定した。

「べつに疲れてなどいない。…その無能者が増えた理由は少し考えればわかることだ」

「!?それはいったい…」

「私の友達は無能者だった。その子の父親は、最初は無能者だったらしい」

黒児は眉の根を寄せた。

「どういう事ですか?最初はって…」

「昔、私たちが産まれる前の頃に、無能者が能力者になれる薬があったらしい。それにはいくつか種類があったが、それも数種類。基本的なものばかりだ。…しかしそれは、薬ではなかったのだ。過去と未来に行ける能力を持った者が受注された者の未来へ行き、ある物を持って帰ってきたという。しかしそれは、未来に子供がいる者だけ。…これがどういう事かわかる?」

黒児の目は見開かれていた。

「まさか…自分の子供の能力を自分の物にした…?」

「そう。その通りだ。そうして自分は死ななくてよくなったものの、子供が死ぬ事になったのだ。こうして、後は自由に生きて自然死すればめでたしめでたし…だ」

「…何が、めでたしだ…」

黒児の手は固く握りしめられていて、小刻みに震えていた。

「わが子を己が手で殺すことが、めでたしであるわけがない…!」

「ま、私達から見ればそうだろうな。…だが、注文したその本人は、子供がなぜ能力を持たないのか気付いていない。わが子の顔を見られて、幸せだと感じながら生きるのよ」

私は黒児の背をさすりながら、そうつぶやいた。

 黒児は私を振り返り、めらめらと燃えた炎を閉じ込めた目で私を見つめた。

「早く、会社をつぶしましょう。そして、その過去と未来に行ける能力を持ったものを注意しましょう!」

「え…ええ」

私は、黒児のやる気に押されながらも、何とか頭をひねった。

 「まず、無能者をこの城に集めましょう。そしてたくさん集まったら、同性で同じ部屋に同居。会社に殺されようとしている者も集めましょう。そして一人ひとりに仕事を与える。そして、会社に出されようとしている者がこの城に来るように話して回りましょう。さあ、今すぐやるわよ!」

私の言葉を聞いて、黒児は押し黙った。そして、何か言いたげに私をジッと見つめる。

「ああ、そういえばね、過去と未来を行き来できる者はもうとっくに死んでいるから」

「ええ!?」

黒児はガクッとうなだれた。

「だってそうでしょ?今じゃそんなこと聞かないのだし、流行ったのは昔。今もそんなことがあるのなら子供たちは殺されないはずよ」

「…そうか…」

黒児がうなだれているうちに外に出る支度をしていると、黒児は意外そうに声をかけてきた。

「え?白蝶さまも行くの?」

「そうよ?」

「だって、白蝶さまが出たら、この城はどうなるのさ。それに、この国も。…行くのなら俺だけで十分。白蝶さまは留守番してればいいんです」

「そしたら、私の補佐はどうなるの?」

黒児はエッヘンと胸を張った。

「私がその補佐の仕事を全て片付けてから行きます。そうすれば、後はあなたが仕事をこなしてくれればいいさ」

「…そう…」

私は扉に向かった。

「え?それ聞いても行ってしまいますか!?」

「いいえ?」

「それじゃ、なんで…」

私は振り返った。

「私はあなたの旅の準備をしておくわ。あなたは今のうちに補佐の仕事を済ませて頂戴?」

黒児は一瞬目を見開き、すぐあとには自信と自慢に満ちた顔がうなずいた。

「はい!」


 それから、私たちは旅に向けて準備をし、私は黒児を見送った。この時の私は、この後黒児はどうなるかなんて考えてもいなかった。

 こんにちは、桜騎です!今回は殺される不幸な無能力者を助けるために、黒児が旅立つまえの話です。次回は白蝶と黒児、別々に描きたいと思います。黒児と白蝶はまるで一心同体なのです!ここから先は、ありえない展開が予想されます!…というか、それが書きたかったからこの話を書いてみたんです!と、いうことで次回からもよろしくお願いします!!

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