おまけ~黒児が補佐に就くとき~
「…は?俺がおまえの息子(弟)に!?」
「ええ、そうよ。香奈みたいに補佐をしてほしいの、私を。べつに香奈とそっくり同じようにやれってんじゃないわ。私を補佐してくれればそれでいいの。お願い」
男は頭をかいた。この男はかつて、所属していた会社の命令で私を殺そうとした者だった。その名は、黒児。私が初めて殺されそうになった人で、初めて信頼した人。…そして、私の不老不死の能力を発見した人。…今、能力と聞いて不思議に思った人がいるかもしれない。ここは白蝶国。能力者の集まる国である。
無能として生まれた子供は会社に預けられ、殺されるという裏がある。そこで私は黒児と出会った。
「私、あの時本当は生きたいって思っていたのかも知れない。でなかったら、食べ物が欲しいなんて思わないはずだもの。怖かった…。だから殺人専門の会社をつぶしたい。手に入れたこの、国王の権利を使って!だからあなたに来てほしいの。会社の関係者でしょ?…それに…」
能力を持たず、無能として見られていたあなたを…。黒児は笑った。
「それに、無能のあなたを助けたい。…か?」
思っていなかったその言葉に、私は驚きを隠せなかった。
「…何で…?」
「おまえの顔に、そう書いてあるからだ」
私は思わず顔を伏せた。
「まあ確かに、無能の俺は会社がつぶれて仕事を失ったら生きていけない。…だけど、いいのか?女王がそんなんで。みんな平等に扱ったらどうだ?」
「だから…。だから、私はそれを実現しようと思って…」
自分で何を言っているのかわからなくなった。
「ま、確かに俺が会社をつぶしたいと思ったのは確かだ。…そして、それが俺の死を意味していることも…」
そして、補佐になっちまえば死なないことも。と付け足した。
「とにかく、無理だ。悪いな」
私はこの場に場違いな笑みを浮かべた。
「そういうと思った。…では、命令します!あなたは私の補佐になりなさい!!…正式な補佐が見つかるまででもいいから…」
黒児は仕方ないといったふうに笑った。
「…おうせのままに…」
「決まりね!さ、行くわよ!」
黒児はぽかんとしていた。
「行くってどこに…?」
「は?城に決まってんでしょ?他にどこがあるの?」
「いや、準備とかさせてくれないのかなあって…」
私はいつまでももたもたしている黒児の手を引っ張った。
「んもう!あんたに準備なんて必要ないでしょ?どうせ無能だからって、私物なんて持っていないくせに」
「おや、よくおわかりで」
「調べたからに決まってんでしょ?さ、行くわよ!向こうには服も部屋も快適なように準備してあるから!」過去の約束は守った。おたがい顔を見合わせて笑い、城へむかう車に乗った。
こんにちは、桜騎です!今回はおまけです。前回最後の方に簡単に書いたんですが、それだけだは満足せず…つまり、自分へのおまけです!多分満足しました。次回は黒児と政治をやります!…という予定です。よろしくお願いします!




