第8話 ロリ、再び
ロリ再び
嫌な予感を感じた僕は昼のピークを過ぎたぐらいで店を閉めようと準備し始める。
しかし無情にもカランとドアベルがなり、この間やってきてすぐメイドに連れ去られたツインテールロリが居た。
「来てやったのじゃ!」
凄く…偉そうです…。
「で?」
暫く踏ん反り返って此方を見下ろそうと頑張るロリ。
身長差でどうしても見下ろしてしまう僕の視線に耐えかねたのかロリはいそいそとカウンター席に座ると机をバンバン叩いて駄々を捏ね始めた。
「店主!ワシは『紅眼の…「あ、メイド。」ひぃぃぃっ!!ワ、ワシはまだなにもしておらんぞ!マリア!!」
銀子さんの厨二的な二つ名を言おうとしたので後ろを指差してメイド。と言うと面白いくらいに怯えて頭を抱えていやいやと首を激しく横に振っている。
…何故か悪い事をした気分になるのは何故だろうか?
というよりそこまでメイドに怯えるロリに普段何をしているのか凄く気になる。
…気になるといえば…。
「そう言えばまだ君の名前、聞いてなかったね。」
その言葉にロリは顔を上げると涙目で此方を見上げて震える声で問う。
「ぐすっ…マリア…いない…?」
普通にしてれば可愛い子なんだけどなぁ。一人称があれだけど。
「あぁ、いないよ。」
そう首肯すると恐る恐る後ろを見…僕を見上げて…いきなり僕に殴りかかりに来た。
「ば、馬鹿者!!驚かせるで無いわっ!!」
ぽかぽかと殴りつけるロリを落ち着かせるのに多大な労力を割いたがここは割愛する。
…決してお菓子とかで釣ってないよ?
釣られたクマー。
「ワシの名はクラウディス・アルマナ・オルトーンである!」
目の前でロリがニコニコとケーキをぱく付いている。
ほっぺたに付いたクリームをそのままに名乗る姿は微笑ましく、しかし態度はでかい。
しかも名前が長い。もうロリでいいや。
「で、そのロリは銀子さんに会ってどうするのさ。」
溜め息と共に呟いた僕にロリはその柳眉を跳ね上げる。
「ワシの名はロリではない!クラウディスじゃ!!言い難ければラディスで構わん!」
「はいはい、で、ロリは何の為に…」
「きぃーーーーっ!!」
凄く…面白いです…
きっと今の僕の顔は物凄く悪い顔をしているだろう。
そうやって暫くロリをからかっているとドアベルが鳴り、息を切らせたメイドが入ってくる。
「お嬢様ぁぁぁぁっ!!またここですかぁぁぁぁっ!!」
ドカバキィッ!とドアを蹴り破る…というより蹴り破ってやって来たメイドはぜーはーと息を切らし、ロリを視界に納めるとその身体を片手で持ち上げて米俵の様に担ぎ上げると優雅に此方に一礼すると物凄くいい笑顔で…
「失礼いたしますわ。」
そういい残して嵐の様に去っていった。
薄ら寒い笑顔に胃痛と頭痛を感じ、その痛みに顔を顰めた。
溜め息を吐きながらロリことラディスが咄嗟に食べきったのであろうケーキの食器を片付けるとある事を思い出した。
「お勘定、払って貰ってないや。」
ドアを見るとドアガラスが砕け散っていた。
…そりゃあんな勢いで蹴り開ければねぇ…。
収まらない胃痛と頭痛に顔を顰めつつ僕は箒と塵取りを取りに倉庫へ向かう。
後日オルトーン家にガラスの請求代とケーキ代の請求を行うのだった。
ロリっ娘、参上!
ようやっと名前がきm(ry