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アイドルが恋しちゃダメですか?  作者: 神崎あやめ


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6/7

取り合う連絡

 打ち上げも楽しく終わり、俺達は澪さんに送ってもらっていた。星夜、瑠夏と順番に降ろしていき、最後は俺と澪さんの2人きりになった。


 「なぁ、晴陽」


 「どうしたんすか?澪さん」


 「本当に大丈夫か?無理してないか?」


 「なんでそう思うんすか?」


 「んー、大人の勘?ってやつかな」


 「……さすがっすね澪さん」


 「いいんだぜ?なんでも俺に吐き出してみろよ」


 「んー、吐き出すようなこととも言えないんすけどね?さっき観覧席で見つけた女の子、どうしても凛と姿がダブって見えちゃって。俺普段そんなことしないのに、俺の方から連絡先も交換しちゃって。しかも連絡先の名前見たら凛華だって。嫌でも凛のこと思い出しちゃって」


 「うんうん」


 「でも、凛華さんにそんな凛の幻影を重ねたままお話とかするのも失礼だなって思うし」


 「……晴陽って本当優しいよな」


 「そうかな?ただ俺は、過去に囚われたままの弱い人間だと思ってんだけど」


 「そんなことねぇよ?それに、誰だってそんな別れ方すりゃ心に傷はできるさ。でもな、晴陽?お前はまだ21歳。まだまだ未来は明るいんだからさ?重ねたっていいんだ、失敗したっていい。とりあえず話してみることがいいんじゃないか?」


 「澪さん……」


 「なんか俺らしくねぇこと言ってる気はするけどさ?若いうちは失敗を繰り返して成長していくもんさ。とりあえず家帰ったら連絡してみな」


 「ありがと、澪さん」


 そんな話をしているうちに、俺の家に到着した。


 「それじゃ、お疲れ晴陽」


 「お疲れ様です、澪さん」


 「ゆっくり休んでな、明日明後日はオフなわけだし」


 「うす!」


 「じゃあな」


 そう言って車で走り去って行く澪さんを見送って、俺は家に戻る。


 「うわぁ、とはいえなんて送るのがいいんだ……?」


 俺は風呂を済ませてベッドに入ると頭を抱える。

 正直女の人と話すことは苦手じゃないんだけど、こういう状況は初めてで、こんな時に話す内容なんてなにも浮かばない。

 それに、頭の中にやっぱり凛がチラついて文字を打つ手が止まっては書き直し、また書き始めては止まって書き直すを繰り返してしまう。

 そうして悩み続けてどれくらい時間が経ったんだろう。

 俺はもう諦めて無難な文を送ることにした。


 『凛華さん、今日は急に話しかけてごめん!交換してくれてありがとう。今日は楽しんでもらえたかな?』


 送信ボタンを押す手が震える。けど意を決してボタンを押した。

 画面を見ると……凛華さんも起きてたんだろうか?既に既読が付いていた。

 こんなにドキドキするのはいつ以来かな。なんて考えてる間に凛華さんからの返事が来た。


 『とっても楽しかったですよ!!晴陽くんのパフォーマンスもすごくキラキラしててかっこよくて、言葉にならないんですけどとっても素敵でした!!』


 そんな凛華さんの返事に思わず笑みがこぼれる。なんだか懐かしさも感じてるけれど、凛とは違う雰囲気に俺はもはや、凛華さんに対して凛の面影はあまり感じなくなっていた。


 俺達は、夜遅くまで連絡を取り合っていたんだけど、いつの間にか話は進んでいき……


 『良かったら明日一緒にどこかに行きませんか?』


 『え!私とでいいんですか?』


 『俺は凛華さんと出かけてみたい』


 『私でよければぜひ!』


 とんとん拍子でデートの予定が決まったのだった。

 俺はそのまま、にこやかなまま眠りについた。

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