悪夢と出会いと 4
控え室を飛び出した俺は、さっきの一瞬の記憶を頼りに探し始めた。
ただ、さすがの俺も闇雲に探して見つかるはずがないことはわかってるので、今日担当してくれたスタッフさんに声をかける。
「プロデューサー!お疲れ様です!」
「おっ晴陽君じゃないのー!そんな息切らしてどうしたの?僕に用事かな?」
「用事っていうかなんというか、さっきのステージ横の観覧席で見てた人達ってもう外出ました?」
「ん?あぁ、そうだね!もうみんな解散してると思うけど……おそらく6番ゲートから出てると思うよ!」
「ありがとうございます!!」
俺がプロデューサーに頭を下げると、何かを察したのだろうか?
「……幸運を祈っているよ!」
とても笑顔で見送られてしまった。その言葉を胸に俺は言われた通り6番ゲートへと急いだ。
「若いって、青春っていいものだねぇ」
俺は6番ゲートから急いで外に出たけれど、見渡してもさっきの女性は見当たらなかった。
「くっそ、もういねぇのか……」
諦めて3人が待つ控え室に戻ろうとした時だった。
「……あれ?晴陽くん?」
1人の女性に呼び止められてしまった。
「そ、そうだけど?……っ!?貴女は」
「わ、私がどうかしました?」
「い、いや。なんでもないんだけど、さっきパフォーマンス中に目が合わなかった?」
「っ!合いました!!よく気付きましたね!!」
「それはもう」
声をかけてきたのは、俺が探していた人その人だった。話してみてわかる、確かに口調とかに違いはあるけれど、声は凛そのものだった。
俺は本当はファンと会話とかはプライベートではあまりしないんだけど、今回ばかりはそういうわけにもいかなかった。
「あ、あの!」
「??」
「もし貴女がよかったらだけど俺と連絡先交換してくれないかな?」
「え、私とですか?」
「そう!貴女と!!」
「いいんですか?これ、なんか変なのに巻き込まれたりとかドッキリとか?」
「そんなわけないでしょうよ!俺、貴女に声かけたくてここまで急いできたんだから!!」
「ど、どうして??」
「……それは今は言えないけど」
「怪しいなぁ??でも、晴陽くんと連絡先交換できるのは私も嬉しいですから私なんかでよければ喜んで!」
「ありがとう!!めっちゃ嬉しい!!」
「そ、そんなに喜ぶこと?」
と戸惑いを見せる女性をよそに、連絡先が交換できた俺はそのあと少し話をして別れた。
そして、控え室に戻る道すがら、交換した連絡先の名前を見て息を呑む。
そこに表示されていたのは、
『凛華』
という名前だった。
「おいおい、名前までニアピンかよ……」
俺はそう1人呟くのだった。
この出会いが俺の人生に新たな道を示すことになるとは、この時はまだ1ミリも思っていなかった。
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