悪夢と出会いと 1
「君にはもっと合う人がいると思うよ?」
「いや、俺にはキミしかいないんだよ!!」
「ふふっ、君はいつもそう言ってくれるね?私、嬉しかったんだぁ」
「だ、だったらどうして!」
「私は君からたくさんのものをもらってるのに、私は君に何もあげられてないもの」
「そんなことない!!俺は、俺はキミがそばにいてくれるだけでいいんだ!」
「君はそれでいいのかもしれないけれど、私自身が今の状況を良しとできないの」
「そ、そんな……」
「だから、ね?君はそのままの君でいて?みんなを照らし続ける太陽で居続けてほしいな」
「俺は……キミがそばにいない世界でなんて輝きたくない!」
「そんなこと、言わないの。離れていても、私は君のことをずっと応援してる。ちゃんと見ているから、ね?」
「…………」
「今まで、ありがとう。またいつか、どこかで会えたらいいね」
…………
「……っ!?っはぁ、っ」
またあの時のことを夢に見てしまった。胸が締め付けられる感覚に襲われて深夜に飛び起きた。
忘れられない、忘れられるはずもない。あれはまだ半年前のことなんだから。
あの日は本当に、心が壊れてしまうかと思った。いや、実際壊れたよ。
誰よりも愛していた人から別れを切り出され、そしてそのまま別れたあの日。
その時から俺の心の時間は止まったも同然だ。
それでも俺の仕事の関係上、みんなに笑顔を届けないといけない。
キミは、どうして俺の心にこんな重りを付けたの?
『晴陽!起きてるか?迎えにきたぞ!』
『大丈夫ですよ、マネージャー。もう準備はできてるので駐車場行きますね』
『おう!焦らなくていいからな!』
マネージャーからの連絡に返しながら、俺は荷物を持って駐車場へ向かう。
俺は、一応芸能界でアイドルとしてそこそこな人気を得ている身である。マネージャーが送迎してくれるし、ライブを開催すれば満員御礼。ありがたい話でもある。
今日も、歌番組の収録があるのでマネージャーが迎えにきてくれていた。
そして、マネージャーが運転する車に乗り込む。
「晴陽さ、なんか今日顔色悪くないか?どうした?」
「え?そうですか?」
「ん?なんか、半年前の晴陽を見てるみたいだぜ?」
「あー、わかっちゃいます?さすが澪さん」
「で、どうした?」
「あの時の夢を見ちゃって、ちょっと寝覚め悪かったんですよね」
「あー、そりゃ顔色も悪くなるか」
マネージャーである澪さんは俺のあれやこれを知ってる数少ないうちの1人だ。
だからこそこういう時も察してくれる、本当にいい人。
なんだったらこのマネージャーじゃなかったらアイドルなんてとっくに辞めていてもおかしくない。
そのくらいには俺の心の支えになっている人の1人でもある。
ただ、いつまでも顔色が悪いままだと収録に迷惑をかけてしまうので気持ちを整える。
しばらくすると、俺達が出演する歌番組の収録をするスタジオに到着した。
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