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波ラッキー

ほら、行くぞ」


奏汰が千尋の腕を軽く引いて、フードコートの方へ向かう。


「え、ちょ、急に引っ張らないで!」


千尋が慌ててついていくと、咲良も苦笑しながら悠人の隣を歩いた。


「助けてくれてありがとね」


「……ああ」


悠人は微かに微笑んだが、その目はどこか複雑だった。


昼食を終え、再びプールへと戻った四人。


「今度は流れるプール行こ!」


咲良が元気よく提案し、千尋も「いいね!」と賛成する。


「悠人は?」


「俺は別に……どこでもいいよ」


悠人の言葉に、奏汰も「んじゃ、行くか」と肩をすくめた。


流れるプールは、緩やかな水流が体を押し流してくれるリラックスできるエリアだった。浮き輪を使う人も多く、のんびりとした雰囲気が漂っている。


千尋と咲良はそれぞれレンタルした浮き輪に掴まり、奏汰と悠人はその横をゆっくり歩いていた。


「水の上にぷかぷか浮くのって、気持ちいいね〜」


「確かに。寝そうになる」


千尋が満足そうに笑い、咲良も目を閉じてリラックスしている。


「奏汰も浮き輪使えば?」


「俺はいい」


「そう言うと思った」


千尋がくすっと笑うと、奏汰は肩をすくめる。


「悠人は?」


「……俺もいいかな」


悠人はどこか考え事をしている様子だった。


流れるプールを一周し、次はウォータースライダーに挑戦することになった。


2. ウォータースライダーのドキドキ


「これ、意外と高いね……」


千尋が滑り台の上から下を覗き込み、少し緊張した様子を見せる。


「ビビってんの?」


「べ、別に!」


「じゃあ、先に行けよ」


奏汰がニヤリと笑うと、千尋はムッとしながら滑り台に座った。


「……もう、覚えてなさいよ!」


そう言って、千尋は勢いよく滑り降りた。


「キャー――――!!!」


爽快な叫び声が響く。


その後、咲良、悠人、奏汰の順で滑り終え、四人は笑いながら再び波のプールへ向かった。


3. 波のプールと揺れる気持ち


波のプールでは、一定の時間ごとに大きな波が発生する。


「うわっ、すごい!」


千尋が波に揺られながら、笑顔で声を上げる。


奏汰はそんな千尋を横目で見ながら、ふと考えた。


(なんか……楽しそうだな)


千尋が笑っている姿を見ると、なんとなく気分がよくなる。


「奏汰、ほら、もっとこっち!」


千尋が手を振る。


「……わかったわかった」


奏汰は少し照れくさそうにそちらへ向かい、波に揺られながら千尋の近くへ移動した。


その時——


「わっ!」


大きな波がきて、千尋がバランスを崩した。


「っ!」


奏汰は反射的に千尋の腕を掴んだ。


「お、おわ……っ」


千尋が奏汰の胸に軽くぶつかり、そのまましばらくの間、二人は至近距離で止まる。


「……」


「……」


奏汰の手はしっかりと千尋の腕を支えていて、千尋の顔はほんのり赤くなっていた。


「……だ、大丈夫」


千尋が少しぎこちなく言うと、奏汰はすぐに手を離した。


「あ、ああ」


その様子を見ていた悠人は、ほんの少しだけ目を伏せる。


「ほらほら、次の波が来るよ!」


咲良の元気な声が響き、四人は再び波に身を任せた。


しかし、それぞれの胸の中には、微妙な感情が渦巻いていた——。

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