1:メイドのユキノです
ご主人様の命令は絶対です。
邪魔な企業の役員を殺せ、拐えなどなど。
色んな命令を出されます。
ちょっとだけ悪い気がしますが、これもお仕事なので仕方がないですよね?
あなた達も散々いらない人はクビにしたり恐喝紛いでお金を搾取してきたのですから。
同じことですね。
さて、そんな事より大事なことがあります!
今日はご主人様とお食事です。
するのはお仕事のお話ですけど。
でも2人っきりです!!
妹のリオはお留守番です、うひひ。
さてこの白髪をキレイにしましょうねー。
1~2ヶ月でリタッチしなきゃいけないし、髪がバシバシになるから本当はホワイトカラーは止めたいと思いつつ、ご主人様がキレイだと言ってくれた事が嬉しすぎて止めれません。
私もリオもご主人様が大好きです。
物心ついた時、私たちには2つの選択肢がありました。
身体を売るか、殺し屋になるかです。
幼かった私たちは意味もわからず殺し屋を選びました。
大きくなって身体を売るという意味を理解しましたが、正直選ばなくて良かったと思いました。
あ、でもご主人様ならいつでもウェルカムですよ!! ええ! 毎日キレイな身体にしていますから!!! 自分では男受けする身体だと思っています。Hカップありますし、ウエストはちょっとあれですけど、お尻も大きいですよ。
話がずれましたが、さて、髪もキレイにしたし、服もお気に入り・・・ではなくメイド服ですがお食事にレッツゴー!
「ユキノ、次の仕事だ」
スーツを着た男とメイド服を着た女が中華街の店の個室で食事をしていた。
「は、はひっ! た、ターゲットは誰でひょうか?」
口に大量にフカヒレを詰め込みながら話すユキノに笑う男は・・・双子メイドの主人である三津木豊 だ。
「ユキノ、もう少しゆっくり食べなさい。可愛い顔が台無しだ。ほら、口元が汚れてるぞ」
「~~~ッッ?!! しゅ、しゅみません!」
ハンカチで口元も拭われ赤面させるユキノを見て再度笑う三津木だが、直ぐに真剣な顔に戻る。
「ルナ、今回のターゲットは大淀モーターズの4代目社長、大淀俊彰だ」
大淀俊彰を殺し、息子の隆明を継がせる。あまり頭が良くないから裏で操るのに最適で、また今回はある会社に恩を売るための殺しのようだ。
「それと、『犬』が7匹いるそうだ。それも殺せ。金はいくらでも使え」
「承知いたしました、期日はいかがいたしましょうか」
「今が5月・・・、なら7月までに必ず成功させろ。ああ、言うのを忘れていたが今回はリオは連れていくな。ユキノ1人でだ」
「えっ? それは構いませんがリオは何か別の仕事を?」
「面倒臭いヤクザやギャングが私の街を我が物顔でうろついているらしくてな、当分先の話だがそいつらも殺る予定だ。それの準備を色々とな。準備が早めに終わればリオも向かわせる」
「はぁー、なるほど?」
「難しい事は考えなくていい。私が指示を出すからそれに従えば問題はないよ。さて、もう出ようか」
席から立ち上がり、会計を済ませようとする男を追いかけ店を出る。
雨が降っていた。風も少し強い。
ユキノは男に傘をかけ、車までの道を歩く。
春とはいえ雨が降ればまだ肌寒い。ましてや胸元が広いメイド服だ。
「へっくちゅ」
「寒いか? その、なんというか別に他の服でもいいんだぞ」
「いえ! これが1番ご主人様を誘惑できるので!!」
「あ、そ、そう」
キリッとした雰囲気を持った三津木だが、あまりにも馬鹿すぎる発言に顔をひきつらせ、小さく「私が着させていると勘違いされるんだがな」と周囲の人々からの視線を感じながら呟いた。




