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星と星を結んで見ましょう。

作者: F香川

そういえばそうだった。うふふ。と笑う君が好きで、それだけの理由で僕は君に告白をしたんだった。

顔も可愛くてすらっと伸びた鼻と柔らかい唇は女優さんみたいだ。目は少し切れ長の二重でパーツの一つと見てしまえば素朴なんだけれど笑ったときのあくびした猫のような愛嬌がたまらない。

うんうん、料理も得意だった。付き合いたてのときに張り切って作ってくれたタッカンジョンは少し辛すぎたけど、お酒にあいそう!なんて今思えば苦しい言い訳もしていたな。

でもやっぱり僕は君のうふふって笑い方が大好きだったんだ。

はあ、なんで死んじゃったんだろう。結婚は君とするってきめてたんだよ。

君は少し嫌がるかもしれないけど実は和風の式をあげたかったんだ。和婚っていうのかな?君の切れ長の二重とおしろいがよく似合うかもと思って実はタイミングを図っていたんだよ。

まあ、僕がタキシードを着たくないっていうのが一番の理由なんだけどね。君が聞いてたら怒って反対してたかもしれないけど・・・残念でした!

僕を怒ることも、励ますことも、抱きしめることも、お風呂に一緒に入ることも、あと僕のフヤフヤになった玉袋で遊ぶことも!キスすることも、子供を作ることも、愛を確かめ合うことも、もう出来ません。

今日はね、やっと君のことを思い出したんだ。8月のぬる~い夜風に当たっているときに急にぱっと思い出したんだよ。

それでさ、昔君と花火を見た河川敷のある公園にふらっときてみたらさ。あー、ちょっと待って。ここってなんて名前だっけ?思い出深かったはずなのに忘れちゃった。まあいいか。ここにきたらさ、君がいるんだもん!

びっくりした。まさか会えるだなんて思ってなかったからね。うんうん、やっぱり君には和服がよく似合ってるよ。青い金魚が涼しげでいいね。

この子達は君の教え子かな。僕と君のちょうど真ん中をとったような女の子がいるけど、きっと僕の方が顔が濃いから本当に子供がいたら残念だけど僕に似てしまうんだろうなあ。

さて、もう夜も遅いし子どもたちを送っていったら?僕もそろそろ帰らないといけないし。ああ、あれが織姫でこっちが彦星であってるよ。って聞こえてないか。

じゃあ僕はもう行くね、もう満足だ。うん、ありがとう。もう忘れない。

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