事件の予感
少し空いてすいません!!
視界が平原から石造りの建物に変わると目の前にはメガネを掛けたオネーさんが待っていた。
「お待ちしておりました原神賢心様」
深いお辞儀をして個人相談に用いる部屋に案内された。
「今回のスタンピードを迅速に処理して下さり誠にありがとうございます。当ギルドとして大変嬉しい思いです」
「いえいえ!レベル上げにはうってつけでしたので気にしてないです。それに予想より多かったですが無傷で片付けられたので気にしないで下さい」
目の前のオネーさんのルックスも相まって少し緊張している事が自覚できた。
「回収した魔石を買い取って貰えますか?」
「どれほどでしょうか?当ギルドの見積もりとしてはモンスターの数が多くても300と推定しているのですが……」
「…多いです」
小さく呟きながら腰のバッグから黒くて大きい石を取り出し魔力を込めながら『出ろ』と呟くとまた光の糸みたいなやつがウニョウニョと出てきてスタンピードを処理した時にゲットしたアイテムを目の前の机に並べていった。
ちなみにこの光の糸が取り出すアイテムは完全ランダムでどこに置くかはある程度自身が命令を出さないといけない。
100を超えた辺りで机にアイテムの置く場所が無くなってしまい「チラッ」とオネーさんを見ると「まだアイテムありますか?」と目線で質問していた。
頷くと「台車を持ってきます」と言い部屋から出て行った。
待っているのも暇だから剣や槍といった長物を壁に立てかけたりしていると1つ不思議なアイテムを取り出した事に気付いた。
「なんだこれ?……宝石?」
俺の記憶のデータベースにはない見た目の宝石と思わしき物がだった。
少し詳しく見るために光の糸からそれを取ると突然頭の中に声が響いた。
【スキル取得:神具創造】
「はあ?!」
いつもなら周りを気にして冷静になる事に勤めていたが今この時ばかりは冷静になどなれなかった。
確かに命を懸けて戦った後のレベルアップやかなりの修練を積んだ後のレベルアップそれに見合うようなスキルを取得しやすいがたかがアイテム1つでぶっ壊れにもほどがあるスキルを手に入れるなど聞いた事がない。
(俺の《神器創造》や《戦神憑依》は駆け出しの頃に想像を絶する地獄を見たから取得出来たんだ!これが世間に露呈してしまえば、荒れる……!)
俺が頭の中で何故急にアイテムでスキルを取得出来る様になったのかを考えているといつの間にか横にいたオネーさんが突然大きい声で話しかけてきた。
「原………様…原か…………原神様!!」
「あ?あぁ、どうしました?」
「どうしましたって、1分ほど私が声を掛けても反応しなかったんですよ?」
どうやら自分でも気付かない内に考え事に没頭していたようだ。
オネーさんに一言謝る。
訝しみながらもオネーさんの指示通り台車にアイテムを置いて行った。
ほんの少し溢れた分のアイテムはもう1人のついてきた人に預けた。
だがさっきのように違和感を感じた宝石類は今後の事も考えて預けるのは無しにした。
そして
「高嶺さんギルド長を呼んできて下さい、重要な話があります」
真剣な表情で名前を呼んだ事もあり少し驚いた顔をしたがそこはプロ意識なのかすぐに表情筋を引き締めギルド長を迎えに行った。
5分ほど待っていると俺が所属しているこのギルドのギルド長である朝妻琴春さんが部屋にノックをして入ってきた。
「君がそんな顔で待ち構えていると言う事はどうやらかなり大きそうな問題を抱えているようね」
世の中に存在するギルド長は大体40代から50代の男なのにこの人は30歳になる前に史上最年少でギルド長になった容姿端麗なやり手ウーマンだ。
この人のおかげでギルド内で起こる問題がなんども平和に解決している為年上のおじさんだろうがSランクの実力者だろうが誰も頭が上がらない。
そして俺は今さっき自身の身に起こった事を話した。
聞き始めたは少し信じていないみたいだったが違和感を感じる宝石を10個取り出すと途端に険しい表情に変わった。
「君はとある事情があるからかなりドロップはかなり良いがそうではない一般の者がこれを偶然手にしたらこれを手に入れようと躍起になって最悪殺人が起きるぞ?!しかも君が取得したスキルは最上級のやつなのだろう?!」
「そうなんです」
「もし確定で最上級のスキルが手に入るとしたら他国も動く可能性が……!!!」
顔をびっくりするほどに真っ青をさせて呻いていた。
俺も少し考えある提案をする。
「朝妻さん…一個スキル取得してみませんか?」
「何を言っている!それは君が手に入れたものだろ?!私が使っていいものか!」
「別に構いませんよこれ以上強力なスキルを手に入れてしまったらそれこそ卑怯と言われそうなので!」
笑いながら言うと少し困った顔が和らいだ。
「言い方は悪いですが朝妻さんがこれでしょっっぼいスキルを手に入れれば値段の高騰や殺傷事件の起こる可能性を少しでも減らせるかもしれませんし」
「……確かに言われればそうだな」
朝妻さんが納得した所で半分の宝石を渡すと「こんなに貰ってもいいものか?」と小さく呟いていた。
「あ、どうすればスキルを取得するんだ?」
「魔力を込めると恐らく出来ると思います」
言った通りに朝妻さんが宝石を5個まとめて魔力を込めると一泊置いて少し肩を跳ねさせ目を見開いていた。
どうやらスキルを取得したみたいだった。
「なんのスキルだったんですか?」
「どうやら君は偶然にも超がつくほどの最上級のスキルを取得してしまったようだね?」
少し安心した空気を纏いながら今取得したスキルをメモ帳に書き連ねていった。
【取得スキル】
魔力増加×2→魔力増加:大
直感×2→超直感
魔力操作
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