トップクラスの問題児
「友人が欲しいのならば、部活に入れば良いのでは?」
その戦原ちゃんの台詞に私は自分でも分かる位に目を大きく開いた。
「なんて愚かな答えを…!君は知ってるよね!?私が入る部活はその三日後には必ず塵になるって!!」
「貴様はこの学校トップクラスの問題児だからな。お前、そのテンションを下げれば何とかなるんじゃないのか?」
「それは…………駄目。」
戦原ちゃんは最後に卵焼きを口に入れ、ゆっくり噛んだ。どうやら聞いてくれてるみたいだ。
「何故?」
「昔……」
『孝美、お前はそれで居ろ。そしたら必ず、誰かの光になる。』
「……何でも無い…。」
「はぁ、誰かに唆されたのか。じゃあ良い、僕がその君の性格を消すまでだ。」
お弁当箱を巾着袋に入れ、手に持つ。
「そうだ。どうせ粛清されるなら、問題児ごと集まってくれれば助かる。」
「え…?」
「そうだな…お前含むトップの問題児は八名だが、全員帰宅部出しな…。」
部活……問題児が集まれば別に大丈夫だと…。!!
「部活イコール友達!!」
「如何した急に。」
私は立ち上がり、戦原ちゃんに顔を近づけた。
「部活を作るためにはどうすればいい!?」
「え…
大体五人居たら生徒会が認証するんだが…」
「ねぇ!私がその問題児の居られる様な部を作るよ!!」
「は、はぁ!?」
戦原ちゃんは私を疑うかのような顔で見る。
「ええと、私に…後誰が居る!?」
「ちょ!一寸待て!何をする気だ!?
またお前は問題を起こす気か!?」
「違う!まとめるの!!
皆の良いところを一杯見つけて、皆と仲良くする!!」
「……僕じゃ何も言えない。放課後に生徒会に行ってそれで許可を貰え。僕にはそれを決める権利は未だ無い。」
「ホントに!?行くよ!だからその問題児の名前教えてー!!」
私は戦原ちゃんの後ろに周り、ツインテールを弄る。
「わ、分かったからその髪を弄るのを止めてくれ!!」
「じゃあ早くー!!」
弄る速さを倍にする。
「やや!止めろ!!分かったから!!
先ずお前、天初孝美、二年A組で理事長の花沢幸!そして二年B組の句行菜奈、田口将!一年A組の澤口楓、三年特別教室の尾田聖斗!!最後に、静山孔一だ!!」
「静山…孔一…」
『出来ればさ、俺に関わらないでくれる?』
脳内に彼のあの言葉が何回も繰り返される。
「……よし!頑張るか!!」