お昼
「はぁ」
私は
昼休み、教室で一人お弁当を約四分で食べ終えた。友達が居ればもっとゆっくり食べられるのに……。
其処でガラガラッと教室のドアが開く音がした。あ、女子たちだ。
「あ、天初さん、また一人で食べてる!本当に友達居ないよねー超ウケる!」
「もう声大きいって!聞こえちゃうよー!」
「良いじゃん!聞こえても何も出来ないんだし!」
「確かにー!」
アハハハハハと声が響く。まぁ、馬鹿にされるのは慣れてるから一々そんな怒らないけど……。
そしてまた、ドアが開く音がした。
「おい、お前たち。五月蠅いぞ、僕の前でよくヌケヌケと他人の悪口が言えるな」
「やばっ!生徒会じゃん」
「行こ」
女子たちは不機嫌そうな顔で教室を出た。
私を庇ってくれたのは、朝見たツインテールヘアー、吊り上がった眼、いつ見ても格好いい木刀。
「戦原ちゃん!」
「あ、もう昼飯食べたのか」
片手には可愛い巾着袋を持っていた。
「いっくさはーらちゅわぁーん!私と友達になってくれるの!?!?」
私は嬉しさのあまり、戦原ちゃんに抱き着いた。あ、言い匂い。
「誰がお前の友達だ」
「ぐふぅ!?」
ツッコミで木刀を私の頭を叩く。痛い痛い。
「今日は僕が当番で来たのだが……なんだ、食べたのか」
「あ、そっか」
週に三回、生徒会メンバーの人間が私の所に来る。多分あれだ、私が問題児だからだ。なんか、そういうの嬉しくねぇな…。
「前回は誰だった?」
「あぁ、ええと萌乃ちゃんだった」
「ああ、彼奴か」
戦原ちゃんは私の顔を見ずに、素早くご飯を食べる。
「ねぇ、私の所に来たんだから、顔合わせて食べてよー!」
「僕は別に君と一緒に昼飯を食べることが仕事であって、君と話す仕事は貰ってないぞ」
「…良いじゃん、私、誰とも話せてないもん…」
戦原ちゃんは返事もせずに、ひたすらゆっくり行儀よくご飯を食べる。
「生徒会長さんってさー、冷たいよねー。
だって私と話そうともしないしー。」
「…会長を莫迦にする奴は僕が家宝の日本刀で切ってやる」
「恐ろしや恐ろしや!」