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お友達研究部!!  作者: あざみの歌
3/5

まるで空気男

その後、戦原ちゃんに色々警告されて無事に教室へとたどり着いた。

「はー!朝から災難だー!!」

ドアを開けた途端、教室の全員は静かになった。虐めかい!!流石に悲しいわ!私は急いで席に着いて、授業の準備をした。急げ!そして友達を作れ!!

「あれ、お前もうあの戦馬鹿から逃げてきたの?」

「!」

前からさっきまで聞いた声がした。

「静山君!!」

「なんだ、俺の名前知ってんの?へぇ、意外だなぁ、このクラスで俺の事知ってる人間、先生しか居ないと思ってた。」

ポキ、と静山君はなんか凄いネガティブ発言しながらポッキーをかじっていた。

「ま、まぁ、知ったのはホンの数分前だけど!!」

「あぁ、そう」

「…なんでポッキー食べてるの?」

「朝飯」

「!そ、そうなんだ!」

これは、好機ではないか天初孝美よ!!相手が積極的に!私に話している!!

「私は朝ご飯、目玉焼きモーニングなんだ!」

「へー」

食いついている!!なんか興味無さそうだけど、私、話せてる!!

「でもさぁ、その所為で遅刻しちゃったんだ!やっぱ和食だヤッホイが良かったかな…!」

照れくさくて、不意に静山君の方を見ずに、自分の膝を見ていた。

「昨日の朝ご飯は!」

「あ、そうだ、お前さ、話したい事あるんだけど」

「な!何かな!!」

「出来ればさ、俺に関わらないでくれる?」

「え」

其の言葉に私は直ぐに静山君の顔を見る。

「な!何で!?折角仲良くなれそうなのに…!」

「は?俺にダチなんて要らねえよ、何言ってんの?」

「え…」

さっきまで見えていた希望が、一瞬で地に落ちた。

「俺さ、出来るだけダチ作らないようにしてんだよね

分かる?俺の存在感が皆無な理由。」

自覚してたんかい!

「周りに無駄な関係作りたくないから、俺の事分かった時、あぶねぇって思ったよ

駄目だな俺、全く空気に成れねぇや」

「……」

静山君はそう言って私に微笑んだ。

怖い笑みだ。

「な、何で?

何でそんな事…」

「んー!人間強度が下がるし、目障りだし、五月蠅いし、ウザいし、」

とふざけた様に指で数えていく。

「ああ、それと、トラウマがあるから、かな?以上だ!そう言う事で、よろしくな」

「あ、ちょ…!待って」

言いかけた途端、教科の先生がドアを勢いよく開け、「席に着けー!」と言ってきた。

皆が席に着く騒めきを利用して、静山君は物音無く姿を消した。

空気男の様に。

「……酷くない?」

轢斗への宣戦布告は、難しくなりそうだ。

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