妖精ユーリ
今までサボっていて、すみませんでした!!
「お客さん顔、大丈夫ですか?」
「あ、はい」
俺の顔は凄い事になっていた。
目の周りが青く腫れていて、数カ所の殴り傷が目立っていた。
前の夜いろいろあったのだ。
俺たちは会計を済ませ、宿を後にした。
「では、次の街へ行きましょう」
モロッコタウンを出て、フェアリー高原を進み、ライムシュタインへ行く事にした。
フェアリー高原は、名前の通り妖精が生息している。
「妖精がいっぱいだ」
見渡す限り妖精だらけ。
「凄い量ね」
メルも少し引き気味。
「魔物は居るんですかね」
「あれ、魔物じゃね?」
レンの指の先には魔物がいた。
「あれは猫ガエルですよ!?」
「猫ガエル?」
「はい。猫ガエルとは、名前の通り猫とカエルが合体した魔物で、猫の様な鋭い爪と、カエルの様な素早いステップが特徴です。ちなみに猫ガエルは、食べれます。凄く美味しいらしいですよ」
「ユウトは、魔物に詳しいな」
「はい!これからどんな凶暴な魔物と遭遇するか分かりませんので、調べていたんです。」
なんて素晴らしい子なんだ。
「猫ガエルが、妖精に近づいて行くわよ」
「食べられるかもしれませんよ!助けなきゃ」
猫ガエルが妖精に近づき大きく口を開け、妖精飛んでいった。
「あぶない!!」
妖精は猫ガエルの方に振り向き呪文を放った。
「『ファイ』」
突如火の玉が現れ、猫ガエルに当たった。
猫ガエルは火の玉を浴びて倒れてしまった。
「これで14匹目ね。あと6匹倒したら帰ろっと」
俺たちは唖然としていた。
つ、強!!
俺たちが見ている事に気付いた妖精が近づいてきた。
「レンさん!近づいて来ましたよ。僕達も焼かれる!!」
「落ち着けよ」
妖精は俺たちの目の前で止まった。
「君たち冒険者?」
「そうだぞ」
「本当に!?」
「ああ」
「みんな、冒険者だよ!!」
妖精が呼びかけると、周りの妖精達も集まってきた。
「本当だ」「冒険者だ」「子供もいるよ」
妖精達がそれぞれ話し出した。
「驚かしてごめんね。僕はユーリ。僕達は妖精さ」
「俺はレン。こっちがユウト。ちっこいのがメルって言うんだ」
「君たちこの先のライムシュタインに行くんでしょ。僕達が案内するよ」
「マジでか!?それは助かる」
「よし!みんな道を作って」
ユーリがそう言うと、他の妖精達が列になって道を作ってくれた。
「僕について来て」
俺達はユーリの後について行った。