分かれ道
「すげぇ!あんなに強かった洞窟バットを一撃で倒せたぜ!」
「凄いですよレンさん!」
俺はすごく興奮していた。
「この調子でバンバン使っていくぜ!」
「ちょっと何言ってるのよ。
奥にもっと強い魔物がいるかもしれないから、温存しときなさい」
「なんでだ?」
「あんたまさか自分の魔力量のことを知らないの!?」
「なんだそれ?」
メルとユウトが驚いた顔で俺を見ている。
え、知らないとまずい感じなの!?
「あんた何も知らずに冒険してたの!?」
「うん」
「まったく、しょうがないわね。
魔力量って言うのは名前のとおり、魔法を使うときに消費するエネルギーのことよ。
あんたの今の魔力量は24で、火炎斬は魔力量を2消費するの。
当然使いすぎるとあんたの魔力量がなくなって使えなくなっちゃうの」
「ヘェ〜」
「だから温存しときなさいって言ったの」
「わかった。温存しておくぜ!」
「あと、もう一つ教えてあげるわ」
「なんだ?」
「私たち人間も魔物もみんな属性があるの」
「俺にも属性があるのか!?」
「当然よ!ちなみにあんたは火属性ね」
「おお!」
「僕は林属性です」
「おおお!」
「私は氷属性よ!」
「おおおお!」
「詳しくはまた後で話すけど、属性もちゃんと考えなさい」
「わかったぜ!!」
俺らは洞窟の奥へと進んで行った。
すると分かれ道を見つけた。
「右と左、どっちに行く?」
ちなみに俺は左派。
「右に行くわよ!」
メルが自身満々に言ってきたので、右の道を進んだ。
「右で正解だったんでしょうか?」
ユウトがそう聞きつつもそれに答えずに進むメル。
さあ、正解はどちらでしょうか?
進んでいると答えがわかった。
そう、行き止まりだった。
やっぱり。俺当たってた。
俺とユウトはメルに目を向けた。
「な、なによ!あんた達が私を止めればよかったじゃない!」
俺はこの展開を薄々予想していた。
そして今の台詞も予想どおりだ。
俺はノストラダムスになってしまったのかもしれん。
そんな冗談は置いといて、俺達は分かれ道まで戻り、左の道を進んだ。
左の道には蜘蛛の巣がいっぱいついている。
「なんか嫌な予感がします」
少し進むと洞窟の天然水の湖がある広いところに着いた。
「天然水が凄く綺麗ですね」
天然水の湖に洞窟の隙間から太陽の光が差し込んでいるので、虹色になっているのだ。
「何かが近づいてくるわ」
メルが言うと、天然水の湖の中から巨大な蜘蛛が出てきた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ユウトは驚いて後ろに転んだ。
「この魔物は!?」
「なんだコイツ!?でけぇ!!」
「こいつは水蜘蛛よ!」