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第2項

学校のチャイムが鳴る


「はーい席ついてー!」


担任の高山先生、顔は美人だと思うし今30代くらいだったと思う。彼女は最近になってこの高校に赴任したらしい‥初日のホームルームの時私も一年生だのなんだの言っていた覚えがある。


ーーー



授業が終わり、昼休みに入る。

私は学生食堂へと続く階段を降り、人気ですぐに売れてしまう焼きそばパンを購入した。


「さてと、何処で食べようか。」


そんな事が頭をよぎる、教室男子がうるさいし食堂は一杯。

残るは一つしか無かった。

部室前の廊下に来ると、この学校に来て比較的親しいと呼べる唯一の先輩二人の声が部室から聞こえた。

私は一瞬戸惑ったがもうここまで来てしまったし、別棟である部室校舎から本棟に戻るのも億劫なので意を決して扉を開けた。


「あ、しつれいします‥」


彼女達は突然の訪問者に少し驚いていたがそれが私だと気づくと笑顔で迎え入れてくれた。


「おお!舞じゃんか!あー‥一緒の飯食うよな?」


「食べましょー!今日は由奈ちゃん手作り弁当なんですよ!」


そういって玲奈と由奈は私用のテーブルと椅子を部室の端から引っ張り出して来た。


「どうも、先輩はいつもここで食べてるんですか?」


「そうだよー、私たち友達少ないしそれにここの方が落ち着くの」


「部活動も出来るしね!」


舞はこの機会に少し、気になっていることをぶつけてみた。


「先輩は、なんでオカルト部なんかに入ろうとおもったんですか?」


「んー‥それはなんでだろうね‥最初は、私の先輩達が始めた小規模なクラブだったんだけど、私が部活も行きたくないけど家に居るのも嫌だったから‥ほらこんな片田舎じゃ遊ぶとこもないしさ、どうせなら暇そうな部活でも入ってぼちぼちやろうかと‥」


まあそのうちにオカルトっぽい雑誌やら映画やらを観せられて目覚めちゃったんだけどね!

そう由奈は笑いながら言った。


「じゃあ玲奈さんは?」


「私?私はねぇー‥とっておきの理由があるの!」


「とっておきの‥理由?」


「私ね、オカルトが昔から大好きで。父親といろんなスポットに行っては痕跡を探してたりしたんだ。

それで、ある日お父さんと一緒に山の中に探索に出かけたんだ」


「そこはよく人が失踪する場所で、いなくなって帰って来た人はいない場所だった。それで近くの村にはある伝承があってそれはね、昔その森には部落があったんだけど、ある時から部落ごと姿を消したんだって。でもたまーに猟師さんとかがその辺で街みたいなものを見たっていう話があったからそれで気になって探索に行ったんだ」


「最初は軽い気持ちだった。でも‥お父さんちょっと目を離した隙にいなくなっちゃったの‥探しても探しても‥手がかりすら見つからなかった。それで警察の人とも必死に探したんだけど、結局行方不明それで多分お父さん神隠しにあったのかなって。それから本当に真剣に超常現象を調べ始めたの。」


私は軽率に質問した自分を責めた。


「なんか‥ごめんね」


そう言うと玲奈はううんいいんだよ、とにっこり笑って頷いた


「玲奈、私より断然部長になるべきだよねー」


「そんなことないよー!部長より縁の下がいいの!」


そういって3人はまた日々の生活や他愛もない恋愛話で盛り上がった。


「そろそろ休憩終わるねー」


由奈がそう言うと確かに休憩時間は残り五分を切っていた、じゃあねと挨拶を交わして3人は各個の教室に向かって行った。



放課後ー


私たちは例の廃墟付近の地図とにらめっこしていた。

オカルト部としての当面の目標はこの廃墟の真の姿を暴く事だ。私たちが先週遭遇した例の[白いトラック]によって簡単に何度も調査に赴くのは危険との判断からまず作戦を練ってから慎重に調査の日程を決める事になった。


「玲奈、この前のロシア語の文書解析終わった?」


「あ、うんその事なんだけどとりあえず一通りは終わってるよ、ただ一つきになる事があって。」


「何?」


「単刀直入に言うとこの文書、結構危ないものかもしれない」


当然だ、この平和な国家の日本で本物の拳銃なんかをダッシュボードに忍ばせている人間なんて危ないに決まっている。


「どんな内容だったんですか?」


玲奈が自分のスマートフォンを取り出して問題の書面にスナップする。


「あのね、ここに書いてある[ルビャンカ-p]のルビャンカっていうのは旧KGBの隠語なの。」


「KGBってあの映画とかに出てくるロシアのスパイ機関の?」


由奈が質問する


「そうそう、でもねKGBっていう機関はソ連崩壊とともに消滅してるはず。」


「この書類には昔機関で使われてた公文書用の捺印が押されてるし。これは公文書で間違い無いと思う」


「え、じゃあルビャンカpのpはどういう意味なの?」


「それが分からなくて‥KGBには昔からルビャンカ-〇〇部局って入れるのが普通なんだけど、p部局なんてのは聞いた事がないんだよね。」


今度は私が質問する。


「それで、内容はどういう内容だったの?」


玲奈は少し黙り込んでから話し始めた。


「この文書に書かれていたのはズバリ、ある施設について。」


「この施設は、正体不明のアノマリーを収容、保護する施設みたい。」


私たちは驚愕した、何しろこんなに面白いネタが偶然にも落ちているなんて私たちは運がいいのだなと思った。しかし同時に恐怖心も感じた。


「それでね、あの白いトラックはscp-172て言われるアノマリーを搬送してたみたい。あと、収容方法も書いてあったよ。[このアノマリーは鉄の箱に入れてゼンマイを固定する事][モジュールは必ず厳重に梱包する事]だって」


「モジュールって事は何かの機械なのかな?」


私達には謎が深まるばかりだった。こんなにも好奇心をそそられる物は無いというように私以外の二人はこの[アノマリー]について語り合っていた。


放課後2回目のチャイムがなる頃、私たちはある決心と緻密な作戦を実行に移す覚悟を決めたのだった。


そう、これは愚かな事だったんだ。本当に。




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