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Kanの短編集

魔法使いの少女の不思議な旅

作者: Kan

 ある時、あるところに少女がおりました。少女は青い目をした少女で、布団の中に入ると、彼女はいつも魔法使いなのでした。

 少女は今夜も、暖かい布団の中で旅をしました。

 気づいたら、一面の砂漠の中で、少女は箒にまたがって、どこまでもどこまでも飛んでゆくところでした。

 砂漠の真ん中には、アラビアンナイトに出てくるような玉ねぎのような宮殿がありました。

 その宮殿から、黒ひげの男が飛び出してきて、少女に言うのです。

「もう、君は夢から出られないよ」

 少女はびっくりしました。夢から出られなくなったら大変です。

 そう言うと、黒ひげの男は、空飛ぶ絨毯を取り出すと、砂漠の砂の山に向かって、飛んでいってしまいました。

 少女は黒ひげの男を追いかけます。砂漠の砂の山はとても大きくて、そのてっぺんには、砂のお城がありました。

 黒ひげの男は、このお城に入っていったのです。

 少女はお城の中を覗きました。お城の中は、アリの巣のように、あっちへこっちへ道が分かれています。迷路のようなのです。

 少女は箒に乗ったまま、お城の中を探検しました。砂の階段、砂の中の噴水、砂のエレベーター、たくさんお部屋がありました。でも人は誰もいません。

 すると、時計がボーンボーンと鳴りました。お城には時計台があったのです。

 少女は、はっとしました。このお城の廊下には、たくさんの人が歩いているではないですか。それもみんな、大きな買い物かごを持っていて、廊下の両側にあるお店に山のように積まれた、美味しそうな果物やカラフルなソフトクリームを買っているのです。

 お城の中はいつの間にか、とても賑やかで、色鮮やかな町になっていたのです。

 少女は、楽しくなりました。少女もカラフルなアイスクリームを買って、美味しく食べました。不思議なことに、このアイスクリームは舐めても舐めても、減らないのです。

 そうしている内に、少女は家に帰りたくなりました。少女は箒に乗ったまま、お城から出ました。あたりは一面の夕焼け空でした。砂漠まで真っ赤でした。

 少女は、なんだかさみしくなりながら、夕焼け空を、ひとりで飛んでゆきました。

 こんなに赤い空。お家へ帰ろうと思いました。

 でも少女は、帰る家が見つかりませんでした。

 ただただ、真っ赤な空が広がっていたのです。

 少女はお母さんの名前を呼びました。何度も何度も呼びました。

 気づいたら、少女は、たくさんのビルの中を飛んでいました。帰ってこれたのです。さあ、見たことのある町へゆこうと思いました。

 少女のいつも通っている学校が見えてきました。その先に友だちの住むお家が見えました。その先に、少女の住むお家がありました。

 少女は、箒から飛び降りて、お家の窓へ吸い込まれていったのでした。

 お家ではお母さんが、トロトロのチーズがかかった焼きたてのトーストと、たっぷりのりんごジャムと、大きな目玉焼きをつくって、少女を待っていました。

 少女は、お腹いっぱいになるまで、そのトーストとりんごジャムと目玉焼きを食べたということです。



                 おしまい

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― 新着の感想 ―
[良い点] 布団の中ではいつも魔法使い、と言う表現が生きていますね。誰でも魔法使いになれるのかも、とファンタジーを身近に感じることができました。 メルヘンチックな夢世界にうっとり憧れました。カラフル…
2018/01/01 15:52 退会済み
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