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プロローグ5

 

 剣と魔法。

 そして暴力と怪物が闊歩する世界。

 それがこの世界スカイオールの日常である。


 力なきものが出歩けば魔物、山賊などの数多くの妨げに合い。

 骨と僅かばかりの肉塊が残るような世界である。


 ましてや街中から離れた山中など数多くの危険な魔物が潜む巣窟となっていた。


 だというのに夜道で悠々と焚き火をしながら談笑し合っている男女が居た。

 そんな集団など二通りぐらいのものであろう。


 ノア王国遠郊に位置するこの森は【深淵の森】

 迷い込めば最後と比喩されるこの森には高い木々がそびえ立っており

 まるで森へと吸い込まれたかのような錯覚を起こすことからこの名がつけられていた。


 光はそびえ立つ木々の葉で遮断され、土地の草花にあたることはなく。

 ジメジメとした空気、代わり映えのない景色は旅人たちの方向感覚を狂わすには十分な効果を持っていた。極めつけは巨大に成長した蟲型の魔物が日々新鮮な血肉を求めながら森林を闊歩しているのだ。


 こんな森にいる時点で視察願望者の馬鹿ぐらいである。


 だが、この男女はまるで違った。


「ねぇ? アキラ…この森はやく抜け出しましょうよ。 ジメジメしてて気持ち悪いのよぉ…」


 先に口を開いたのは少女から麗しき女性へと変貌させようとしている彼女は10人が10人美少女と言うであろう。

 彼女は純白に染まった百合の如し頭髪を左右で結っており、見つめるだけで燃え上がるかのように真紅に染まった赤眼。雪の結晶の如き白き滑らかな肌には薄らと頬が赤みがかっており、それが彼女の魅力をより引き立ている。得に特徴的なのはシルクのように垂れ流れる白髪から伸びる長い耳であった。


 そんな彼女の名はマリー。

 マリーはエルフである。だが、この世界で別段珍しいわけではない只のエルフではない。

 彼女はエルフの中でも貴重な純血のエルフ。

 原初の種族と呼ばれるハイエルフと呼ばれるエルフの上位種族である。


 彼女はイライラを隠すことなく、一人の少年を睨みつける。

 マリーの視線の先には好青年と言った言葉が質量を持ってこの世界に現れたと思われるかのような少年が苦笑いを浮かべている。


「そんなこと言わないでよ? 僕だってこんな森いたくないんだからさ?」


「…そうね、もういっそのこと木をすべて焼き払えばいい気がしてきたわ」


「ちょっ…マリー? 冗談だよね!?」


「………」


 純白の少女は芸術品の如き指先から生み出される火球を少年と交互に見つめ合う


「…冗談よ」


 少女は悩みながら溜息と共に火球を消し去る。


「マリーが言うと冗談に聞こえないよ…」


「アァ?」

 少年の呟きに怒気が込められた返答が返ってくるが、少年は努めてスルーすることを決め込む。




 まず彼らを紹介するにあたって彼らが所属する組織。

 パーティーについて話しておかなくてならない。


 パーティー名は黄昏の番犬(たそがれのばんけん)

 ノア王国最強のパーティーであった5人は幾度となく王国の危機を救ってきた猛者たちの集まりである。


 ギルドで定めたレベルはSSS+

 そのレベルに到達している彼等はまさしく怪物、化物、人智を超えた者たちと比喩するに相応しいだろう。


 この世界に置いては集団よりも個を優先する。

 例えばAクラスの人間が一人とEランクの人間30人が戦えばAクラスの人間が勝つような世界なのだ。


 故にSSS+の人間一人の戦力はEランクの人間5000人弱。

 言ってしまえば彼らは一人で騎士団を相手にできるほどの能力がある人間の集まりである。要するに彼等は人間にして人間をやめてしまっているのだ。


 そんなパーティーのリーダーにして事の発端。

 それがマリーと共にいる少年。白兼(しろがね) (あきら)であった。


 幼さが残る童顔の少年は出会った当初から殆ど変わることがなく。

 歳は20代後半だと言うのに10歳ぐらいに見間違えられる程であった。


 黒髪黒目は故郷である故郷の名残であり、今はその故郷すらなくなってしまっていた。


 彼は流浪の旅に出たのだ。

 暴力と権力、無駄な争いに虐げられる人々を救う旅に…


 その中で同じ志や力を持つ者たちが集っていき、今の彼等がいる。






「とりあえず、もう寝ようか? 明日はすぐにこの森を抜け出せるように移動すればいいだろ?」


「…それもそうね」


 アキラとマリーはこの終わりの見えない会話とジメジメとした空気に嫌気が差し、早めに寝ることにする。


「んじゃ、さっさと寝床の準備しちゃいましょうか」


 マリーが瞳を閉じて魔法を使う。

 魔法は近くに生物かいないか調べる簡単な索敵魔法と魔物避けの結界魔法であり、魔法の天才と呼ばれる彼女にとっては簡単な魔法であった。


 だが、今回はいつもと違っていた。

 魔物が結界内に入り込んでいたら意味がないので、やり始めた索敵魔法に人間の反応が引っかかったのだ。


「あれ? アキラ、人間が近くにいるみたいよ?」


 考えられるのは山賊。

 こんな人気のない森にいる人間など碌な人間ではない筈だから。


「えっ? 珍しいこともあったもんだね? 深淵の森にいるだなんて余程、物好きな山賊も居たもんだ。 人数は?」


「それが一人みたいなのよね? 山賊にしても一人でこの森に居るだなんて正気の沙汰じゃないわよね? もしかしたら迷い込んだ人かもよ」


「そっか…なら、ボクが見回りしてくるからマリーはここに居てよ」


 マリーは手の平をヒラヒラと振り了承の合図を送る


 これが、ノア王国最強パーティーである黄昏の番犬と最強のパパ始めての会遇であった。

 この出会いが世界のすべてを巻き込むことになるだなんて、この時は誰一人として予想していなかった。


 next  








やっとプロローグは終わりです!

次回から異世界での話が始まります。

正直、駄文すぎて自分で見直して後悔しているところですが文章や質問などあればどんどん言って頂ければ幸いです。

この小説で暇つぶしが出来てる読者の方にも少しでも楽しんでいただけるように書きたいと思っておりますので感想なども頂けますと作者は喜びのあまり深夜に雄叫びをあげること間違いなしですw


あと投稿は水曜と日曜で固定することにしました。

何卒よろしくお願いいたします



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