5話 フラグ回収
一部、わざとひらがなで表記しているところがあります。ご理解とご協力をお願いいたします。
「純弥さん、起きてください」
「ん?あと30分寝かせて」
「いや、会議があるのでなるべく早くしてもらいたいのですが・・・」
ハッ! そうだ異世界に来てるんだった。完全に寝ぼけてたわ。
「すまない。で、お前は誰だ?」
「ん? 僕のこと?」
「そうだ」
「僕は87代目勇者、ウォード・ニルド。本名は地土 優。君と同じ地球人さ」
「まじで?」
「まじで」
4回目に会う人が俺と同じ地球人だとは。世間は狭いなぁ。
「で、会議って何するんだ?」
「とりあえずついて来てください」
「わかった」
そういやネイリー何処いったんだ? あれは夢だったのか?
「どうしたんですか?早く行きましょう!」
「どうしてそんな嬉しそうなんだ?」
「別に~」
なんか含みある言い方だな。まぁいいや。
「面倒ごとはさっさと終わらせよう!」
「そうですね。早く行きましょう!」
なぜかハイテンションな優につれられ俺は会議室へ向かった。
~10分後会議室~
なんか思ってたのと違うなぁ。国王と思われる人はなんか気弱そうだし、全体的に張り詰めた感じがない。大体こういう所はピリッってくるようなものがあるはずなんだけどなぁ。なんか緊張が解けちゃったよ。もう。まぁ妙に殺気があるよりはいいけど。聞きたいことあるし。とりあえず席に着こう。
「サムトル様、そろいましたよ」
「うむ」
「皆様、お静かに」
「型苦しいから嫌いなんじゃがのぅ」
「型だけやっておけばいいですから」
「そうじゃの。第326回サムトル王国会議を始める」
ちなみに、老人の近くで話してる人はキラさんだ。ってか皆覇気無さすぎじゃねぇか? 王国会議というより、暇つぶしに見える。
「まぁ暇つぶしですしね」
そういやキラさん読心術使えるんだったな。ってあれ?
「じゃあ何で俺呼ばれたんですか?」
「何でじゃったかのぅ?」
と答える老人。忘れるな全く。
「もう忘れたんですか?なら、私が説明します。まず、先ほどの失礼お許しください」
「ん?牢屋のこと?」
「そうです」
「別にいいですよ。俺も鉄格子壊しちゃったわけですし、お互い様です」
「ありがとうございます。そして二つ目、転移の件なんですけど・・・」
「顔色悪いけどなんかあったの?」
「はい。もともとジュンヤさんは『通信機』と呼ばれる装置でとばされてきたんですよ。この通信機は異世界の住民と会話を成立させる魔法具なんですよ。しかしたまに誤作動で人がとばされて来る時があるんです。その異世界人を送り戻すためには異世界側に通信機同士の魔力が繋がっていないと駄目なんですが・・・」
「魔力が繋がらないというわけですね?」
「はい。そういうわけなんですよ」
「つまり俺は帰れないってことですよね?」
「結論から言うとそういうことになります。申し訳ございません」
「まぁ大体予測してたし良いよ別に」
やっぱりフラグ回収しちゃったな。まぁいいや。別にデメリットがあるわけじゃないし。
「そして三つ目。ジュンヤさんは偽名をつけてもらいたいんです」
「なんでですか? そういや優(本人に呼び捨てで良いと言われた)も偽名有るみたいだけど」
「まぁこの際ですから話しましょう。実を言うとユウさんは特殊な能力の持ち主なんです。スキルの名は『心視眼』です。魔眼の類に入るオリジンスキルです。効果は『対象の性格などのデータを色で読み取ることができる』です」
「なるほど。だから俺のところに優を来させたんですね?」
「そのとおりです。一見地味な能力ですがこの世界ではかなり重要な能力なんです。ということで他の王国にばれたら戦争になりかねないので、王国で働く王お気に入りの名誉貴族ということにしているのです。さいわい勇者召喚されたのは彼だけでは無かったですしね。そういうことで騒動を起こさない為にも、ジュンヤさんにも偽名をつけてもらいたいわけです」
「なるほど。で、俺にどうしろと?」
「王国ではあなたを縛れるような気がしないですからね。冒険者ギルドをDランクで登録する代わりに王国の呼び出しに応じてください。強制ではないですから安心してください。よろしいですか?」
「大丈夫ですよ」
冒険出来るんだったらどうでもいいし。
「ありがとうございます。話を戻して偽名の件ですが、1ヶ月後この王都で冒険者の武道大会が開かれるんです。この大会で優勝すると副賞で名誉貴族になれるんです。名誉貴族になる際、二つ目本名を作れるんです。冒険者に登録するときは偽名で良いんですが、2年以内に本名を明かさなければならないので・・・」
「俺にその大会に優勝しろと?」
普通に考えて無理でしょ。
「大丈夫です。この城内には歴代最強の空間魔法の使い手と時空魔法の使い手の勇者が作ったとされる、外と時間の流れが違う部屋があるんです。1ヶ月あれば余裕で間に合います」
「それって『精〇と時の部屋』?」
「何ですかそれ? この話を聞いた勇者は絶対といって良いほど『精神と〇の部屋?』って聞いてくるんですけど」
「気にしないでください」
「まぁ良いですけど・・・」
「会議っぽい会議はここまでにして後は楽しく雑談しようや」
赤いローブをぐるぐる巻きにした青年がそう言った。
「そのとおりじゃ」
と老人が賛同する。
「そういやあんた誰?」
これは俺だ。
「マスティーニ・サムトル・フォン・クロス・ハート王じゃ」
王様だったんだ。予想はしてたけど情けないな。
「情けないって言われた」
おい王様。言ってないぞ。何気に読心術使いかよ。
~この後もなんだかんだ言いながら雑談という名の会議は続くのであった~
◆◇◆◇◆◇
~妖精界~
「ネイリー。しっかりしなさい」
「ん? 女王様?」
あれ? 私は純弥という人間の見張りにでていたはずなのになんで妖精界に?
「どうやら無事のようね。何が起こったの? 急にあなたの近くに次元がゆがみが発生したから、一旦あなたを妖精界に戻したんだけど寝ているし。しかも私の魔法もはじき返されるし、監視対象に何かされたの?」
どういうことかしら? 何でか頭の中にもやがある感じがするわ。何か忘れてるような気がするけど・・・
「女王様。私も何があったかわからないのです。急に眠気が襲ってきたと思ったらここにいたんです」
「そうなの・・・。なにかあなたに違和感があるんだけど心当たり無い?」
んー? なんか夢を見たような・・・そうだっ!
「幼女が慌てふためいてる夢を見ました。途中までしか思い出せませんけど・・・」
「そう・・・これはもう私の手には負えないわ」
「っ!女王様にですか!?」
「私にも出来ないこともあるのよ。まぁ久しぶりだけど」
前にもあったんですか・・・女王様はどのくらい生きているのでしょうか?聞くのはやめましょう。女性は歳を気にしますから。
「ネイリー、何か失礼なこと考えてない?」
こういうときの女王様は敏感です。
「何でもありません」
しらばっくれましょう。
「そう? なら良いけど」
「あ! 私そろそろ戻らなきゃ!」
監視対象がどんな行動を取るか楽しみだしね♪
「そうね。あなたに害は無いみたいだし、世界の均衡は保たれているしね」
世界の均衡とか何とかって地球でいう中二病みたいですね。
「早く行きましょう!」
「行ってらっしゃーい」
今日も女王様はご機嫌です♪ 私も張り切って行きましょう!
こうして監視対象のいる世界『クルスリート』に戻るのでした。
◆◇◆◇◆◇
~クルスリート~
会議がおわって10分後。俺はある部屋に連れて来られた。武道大会まで使って良いそうだ。なぜか王様に気に入られていつでも使って良いって言われたけど。外がだいぶ騒がしいからさっき聞いたら召喚された勇者がいるらしい。なんか怖いなぁ。大体一人は手に入れた自分の力に酔って調子に乗っちゃう奴がいるんだよなぁ。そういう小説がよくある。しかもいじめられっこが最強になるっていう。いじめられっこには可哀想だが最強になるのは俺だ。
・・・
はい。冗談です。全く自信ありません。ふざけただけです。すいませんでした。
閑話休題
明日から訓練を始めるらしい。勇者達と一緒だと思ったら違うらしい。キラさん曰く俺が規格外だから、らしい。キラさんまで俺を異常者扱いするなんて。ちくせう。
「どうしたの? そんな悔しそうな顔して」
「わっ! 急に出てくるなよ! ビックリすんだろうが!」
「ハロー♪なんか面白そうなことが起こってるみたいね」
「俺はぜんぜん面白くないけどな」
「あなたの事だけでもないけどね」
「それってどういう意味だ?」
「百聞は一見にしかず。食堂に行きましょう!」
「そういや夕食の時間だったな」
そう言い食堂へ向かう。ちなみに部屋につれてこられる前に案内されているので場所はわかる。
~食堂~
結論から言おう。予想通りだった。食事を運んでいたいじめられっこが足にひっかっかて転んでいたのを目撃した。
「おい。早く食えよごみクズが!」
「食べ物を無駄にしちゃ駄目ってママに習わなかったでちゅかぁ?」
「くわねぇとどうなるかわかってるよなぁ?」
といいながら勇者Cが背後に火の玉を浮かべる。これは酷いな。
「なぁネイリー。あの火の玉を何とかできないか?」
「そんなの余裕よ『水落し』」
ネイリーが呟いた瞬間火の玉の上から水が落ちてくる。
「うわっ!何だこの水!?」
「これでも手加減したんだからね!」
ネイリー多分それ聞こえてない。と思いながら、勇者達があわてているうちに急いでいじめられっこに向かう。
「大丈夫か君?」
少し驚きながらいじめられっこは口を開いた。
「慣れてるから大丈夫です。えと、その、助けてくれてありがとうございます」
「なんてこと無いさ」
「あのお名前は?」
「俺は秋原 純弥。君は?」
「僕の名前は猪原 和也といいます。2年3組です」
2年3組?そうか。学校の生徒全員が召喚されたって事か。
「おいてめぇ。どうゆうつもりでごみクズを助けたんだ?お前もごみになりたいかのか?」
「ごみはてめぇらだろうが」
「あんだと?てめぇ。この崇様に逆らおうってのか?」
「そんなこといわれてもねぇ。俺はあんたら知らないし」
「俺様をしらねぇだと?てめぇどこのクラスだ?」
「俺はお前らと同じ勇者じゃない。ただの転移者だ」
一瞬ざわめきが起こる。しかしやたらと崇は嬉しそうだ。
「はぁ?一般人の分際で俺に逆らおうって言うのか?精霊加護も持ってないのに?ろくに喧嘩もできないんじゃねぇか?」
「いやたぶんできると思うよ?」
「言ったな?明日決闘場で勝負だ!いいな?5時にこいよ?」
「おうよ。叩きのめしてやんぜ。ただし条件付きでな?」
「ほう。良いだろう」
「俺が勝ったらもう和也をいじめないこと」
「わかった。じゃぁ俺が勝ったらお前は一生俺の奴隷な?」
「良いとも」
「僕のためにそんな・・・」
「ごみは黙ってろ!じゃぁ明日5時。逃げるんじゃねぇぞ?」
「お前がな」
「せいぜい明日まで頑張ることだな」
そう言いながら崇は席に戻ってった。崇が行ったことを確認すると、和也が小声で話してきた。
「ぼ、僕のためにあなたに迷惑をかけるわけには・・・」
「お前の為じゃない。あいつらに落とし前をつけるためだ。だからお前は俺に何があっても気にするな」
俺はそう言いカッコつけて立ち去った。が、
『グゥ~』
「あ、夕食忘れてた」
何処か足りない純弥であった。
次回は少し遅くなります。それと、ブックマークに登録してくれた皆様とポイントをくれた皆様本当にありがとうございます!読んでくださりありがとうございました!