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マイペース異世界災難記(仮)  作者: 紺(空想野郎)
ギルドと本と古き記憶
33/41

27話 色々とおかしい

 遅くなってすみません。もう年も変わるので流石に投稿しなくては、ということで投稿しました。

 次も遅くなるとは思いますが、どうかよろしくお願いします。

 気合を入れながら城を出た。出たはいい。出たはいいが、

「遺跡ってどこにあるんだ?」

 場所が分からん。

「ねぇ、分からないのに何も聞かずに出てきたの? 馬鹿なの? 死ぬの?」

「うるせいやい。俺はノリと自由で生きてんだよ」

「ダメ人間め」

「ふんっ。そんなの十年前から知ってるさ」

「そこいばるところじゃない」

「俺は気楽に生きれりゃそれでいいの」

 自由気ままにやらなきゃ損ってのが俺のポリシーなもんで。こらそこ、ゴミを見るような目をするな。


「で、遺跡ってどこにあるんだ?」

「あ、露骨に話題変えた。まぁいいわ。それで、遺跡の場所だっけ。千里眼で探してみたの?」

「探してみたけど結構遺跡っぽいのが多くて、どれが例の遺跡なのかがわからん」

 ちなみに千里眼じゃなくて万里眼な。

「そりゃあそうでしょうね。もともとこの近くでは王国が栄えていたみたいだし、その時代の建築物には地下通路や隠し部屋が多かったらしく、外はともかく一部が残っているものは数多く発見されれているわ。単に丈夫だったというのもあるらしいけど」

「意外と詳しいな」

 ネイリーの癖に。ドジ妖精の癖に。

「で、俺達が探してる遺跡は?」

「そんなの知るわけ無いじゃない」

「うわ、使えねぇ」

「あんたにだけは言われたくない!」

「俺は人に使われるのが嫌いだから使えなくていいの」

「考え方が歪んでるわね」

「ありがとう」

「褒めてないわよ! というかどこを取ったら褒め言葉に聞こえるの!?」

「さあ?」

「自分で言っといて理解してない!?」

「特に考えてないからな」

「人としてどうなのよ、それ……」



◆◇◆◇◆◇◆



 ということでやってまいりました。

 え、どこにかって? そりゃ決まってるでしょ。

 ルッタさんの店に、である。

「お久しぶりです」

「久しい、というほど時間はたっていないと思いますよ、クロスハートさん」

「そうですか? ……いや、そうでしたね」

 しばらく聖邪典の中にいたから、時間の感覚がつかめてないな。

 長い時間がたっているから分からない人も居るかもしれないので、説明しておこう。ルッタさんは、困ってる所を助けた人で、そのお礼に聖邪典をくれた人だ。んで、クロスハートは俺の偽名。別に忘れてなんていないが、慣れてない所為で一瞬わからなかった。別に忘れてなんか無いが。


「ところであの本は何かお役にたちましたかな?」

「え、ええ。まぁ」

 言える訳が無い。善意でくれた本の中に邪神が封印されていて、厄介事に巻き込まれたなんて。

「ところで、何の用ですかな?」

 おっと、そうだった。

「少々伺いたい事がありまして。商品を買うという訳でもなくお邪魔してすみません」

「別にかまいませんよ。命の恩人ですし、部下が優秀なもので私のする事などほとんどありませんから」

 結構権力の強い商人なのにいい人だな。いや、もしかしたらこの国自体そういう国なのか。

「有り難うございます。伺いたいことというのは、例の本の出土場所なんですが」

「それならすぐにお教えしますよ。なんなら地図もお付けいたしましょうか」

「いえ、場所が把握できれば必要ありません」



◇◆◇◆◇


 ということでやってまいりました。

 使い回しとか言うな。

「意外と近かったわね」

「そうだな。徒歩十分とは思わなかったぞ」

「それにしてもいい人だったわね。純弥とは大違い」

「その台詞は余計だ。いい人なのは否定しないが」


 あの後ルッタさんは何の見返りも要求せず、なんなら保存食までくれようとした。断ったので受け取っては無いが毒は入ってなかった。いや別に疑っていたわけではない。ただなんとなくである。さすがにそこまでしてくれるのはおかしいなぁ、と少しばかり思っただけである。

「それにしても、遺跡って言う割にはしょぼいわね」

「そういうことを言ってあげるな。まあ、確かに外見はしょぼいけど」

 もしかしたらすごいかもしれない。聖邪典が見つかるくらいだし。

「とりあえず中に入ってみるか」

 一歩足を踏み入れると、そこには金銀財宝が、ということはない。

 何人もここを訪れているはずだし、あったほうがおかしい。

「それにしても、みごとに何もないわね」

「腐っても遺跡ってことだろうな。全部歴史的なものになるだろうし、大方博物館にでも運ばれてるんじゃないか?」

 博物館があるかどうかは知ったこっちゃないが。

「というか、俺たちの目的は地下だったな」

「そういえばそうだったわね」

 さすがネイリー。やっぱり忘れてたか。

 こらそこ、お前も忘れてただろうとか言わない。

「確かここを右に曲がると階段が……」

「ないわね」

 おかしいな。ルッタさんに聞いた限りではここにあるはずなんだが。

「偽の情報を掴まされた? いや、ルッタさんに限ってそれはない」

「もしかして幻覚の類とか?」

「いや、それだったらスキルでわかる。だとしたら何か条件があるのか?」

 でもそんな話聞いてないぞ。

「まあ、わからないならしょうがないか」

「え、せっかく来たのにあきらめるの?」

「別に? 『万里眼』、『転移』」

 景色が一瞬にして変わる。

「その手があったわね。ちなみに、ここはさっきいた場所の地下であってるの?」

「間違いない。でも、ここにも階段はなさそうだ」

「おかしいわね。誰かが壊しちゃったのかしら?」

「それって犯罪じゃね?」

「もしくは劣化で壊れたとか?」

「そんな簡単に壊れるかねえ」

 ま、たどり着けたんだったら問題はない。

「さて、例の扉は開くかな?」

 開かずの扉だというそれは、転移した場所の目の前にあった。

「それにしても、ラスボスが待ち構える部屋への門みたいだな」

「たしかに何か禍々しいものを感じるわね」

 それにしても開かんな。何処かに鍵みたいなものは……っておい。

「壁動いてね?」

「あ、本当ね。左右の壁がこっちに迫って……もしかして私達つぶされるんじゃない?」

「安心しろ、このままじゃもしかしなくてもつぶされる」

 仕方ないな。

『グーラ、聞こえるか』

『問題なく聞こえておる。して、何用じゃ?』

『ここの壁が動いてる理由がわかるか?』

 壁が動く。それには何らかのエネルギーが作用しているはずで、それを元から暴食で喰らっちまおうということだ。

『ふむ。以前よりスキルとしての繋がりが強くっている故、マスターでも察知は可能であると思うが?』

『たしかに言われてみれば何か感じるような』

『いや、それはマスターの勘か何かであろうよ。暴食スキルを発動しておらねば察知できまい』

 そういやあったな『神勘』。

 ちなみにグーラとは話せるが暴食が起動しているわけではないらしい。どういうこっちゃ。

 っと。もう壁がすぐそこじゃねえか。ネイリーがなんか騒いでるのに気づかなかった。

「『暴食』!」

 ……なるほど。扉の奥にある宝玉の様なやつがコアになってるのか。ならばそのエネルギーを全て喰らう!

 すると、壁が俺たちを潰す寸前で停止する。

「心臓に悪いわね」

「妖精にも心臓ってあるのか?」

「心臓そのものはないけど似たようなものがあるわ」

「そうなのか。ま、いざとなったら転移で逃げられたわけだが」

「それを忘れてた。というか、それで扉の奥に行けば良かったんじゃ?」

「あ」

 何でそうしなかったんだろう?

 『万里眼』。あ、だめだ。

「あの扉の奥が見えない。封印でもされてるのかね?」

 宝玉みたいなやつは見えたのに。

「神の封印関係なしに見えるのに?」

「だよな」

「扉はあるけど部屋はないとか?」

「いや、暴食で向こうにエネルギーがあるのは察知したから、部屋はあるんだろう」

 扉を押しても、魔力を流してみても反応はない。

「それにしてもあかねぇな」

「そうね。秘密の合言葉とかあるのかしら」

「かもしれないな」

 ならひとつ試してみるか。皆さんご一緒に

「開け、ゴマ」

「そんなんであくわけないでしょ。ないわよね?」

「俺としては開いた方が嬉しいんだけどね」

『ゴゴゴ』

 重苦しい音をならし門が開く。

「開いたな」

「開いたわね」

「いやあ、まさか開くとは」

「自作自演何てことはないわよね?」

「それは俺がこの遺跡を作ったって言いたいのか? そんなことあるわけないだろ」

「そうよね。純弥みたいな変人が昔にもいたってことかしら?」

「だれが変人だ。それにしても、開けゴマってこっちの世界にもあったのか」

「大方勇者が伝えたんじゃない?」

 それもそうか。

 勇者が作った可能性もあるし。

「まあ、だれが作ったかなんてどうでもいいさ。お宝お宝」

「あんたはどこかの盗賊か。目的は魔道具でしょ」

「気分の問題だ」

「そういうものかしら?」

「そういうものだ」

 さて、魔道具(お宝)はありますかね?

「……」

「魔道具はなさそうね」

 扉の先にあったのは、中央にある台座とそれに乗っかった本のようなもの、それに先程エネルギーを吸い取ったと思われる宝玉が壁にはめ込まれているだけだった。

「まあ、そんなうまくいかないわよね」

「まだわからんぞ」

 聖邪典だって一見ただの古めかしい本だ。この本にも何かあるかもしれない。

 手を伸ばして本を取ろうとした。しかし本は台座から離れない。

「張り付いてるのか?」

「なんとなく、そうじゃない気がするわ」

「と、いいますと?」

「なんていうのかしら。本が台座に張り付いているんじゃなくて、本と台座で一つの物みたいな感じ?」

 なるほど。本と台座で別々の物じゃないのか。

「なんでそう思ったんだ?」

「直感としか言いようがないわね」

 ネイリーが直感でわかるものを『神勘』を持つ俺がわからないというのは納得がいかない。

 だとすれば、妖精という種族が何か関わっているのだろうか? それとも神気か? 少し警戒したほうがよさそうだな。

「ネイリー、ちょっとこのことについて聞いてきてくれないか?」

「妖精界に戻っても、今はあの二人についてで忙しいと思うわよ」

「あー、確かに。それじゃあどうしよう」

「逆に純弥のスキルでどうにかなんないの?」

 なんかあったっけ? スキル増えたりするから覚えてないんだよな。

「ステータスっと」

 うげぇ、またスキル増えてる。それは見ないふりしといて、超鑑定眼があったな。名称が全能眼に変わってたけど。なんでも、全ての目に関するスキルを統合したらしい。いつの間にそんなことになってたのかよ。マジでわけわかんねぇ。万里眼も統合されてやがるし。

 俺の化け物っぷりは置いておくとして、『全能眼』発動!

 なるほど、ステータス画面みたく表示するんじゃないのか。ステータス表示も出来るようではあるが。

「それで、何かわかった?」

「ちょい待ち。今()()()()()()()()

「はぁ!? いつの間にそんな事できるようになったの!?」

「耳元で急に叫ぶんじゃありません」

「あ、ごめんなさい……ってそうじゃなくて! 何でそんな事ができるのよ!?」

「だから耳元で叫ぶなって。何でっていわれても出来るようになったもんは仕方ない、というか俺が聞きたい」

「化け物にもほどがあるでしょ……あのねぇ、時間軸への干渉っていうのはそう簡単に出来るものじゃないのよ?」

「干渉って言っても見てるだけだぞ?」

「情報として見るだけならともかく、過去そのものを見るっていうのは十分干渉の範囲内なのよ」

「へぇ、そうなのか。だからどうだっていうはなっ!!」

「どうしたの!?」

 何だこれ、目にノイズみたいのがかかって……おいちょっと待てよ。



 今、俺がいなかったか?

 有難うございました。

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