23話 脱出と邪神と封印大陸
毎度のことながら遅くなってすみません。年ごとに段々と更新数が少なくなっている気もしますが、今年は去年より投稿したいと思いますので、よろしくお願いします。
「マジですまんかった」
「いいっていいって。それに君が土下座していると違和感があるし」
そう、俺は今二人に向かって土下座していた。
なぜか。それは脱出した後の出来事だ。もはや回想など要らないくらい単純な話である。その事はこの状況を他人が見ていたらすぐ分かるだろう。
俺は今――――半透明になってしまった二人を前にしているのだ。
何でも、封印されていたのは魂だけで、戻る肉体が存在しないせいで幽霊になってしまったそうな。
つまり何の考えもなしに転移してしまった俺のせいで二人は幽霊として存在していなければならないのだ。
「本当にすまん」
「どうせお前がいなかったら、外に出れなかっただろうから、俺達は別に気にしてないぜ?」
「そういってもらえるとありがたい」
「それにしても意外だね。素直に謝るなんて」
「そういうキャラじゃなさそうだもんな」
「お前ら一体俺を何だと思ってんだよ」
「「常識がかけた人?」」
いや、まぁ自覚あるけど。
◇◆◇◆◇◆◇◆
さてと、今後は自分勝手に考えないと誓ったところで、次の問題だ。
「もう、なんで急にいなくなるのー!」
そう、俺にまとわりついていた妖精である。
「別に俺も、居なくなりたくて居なくったわけじゃないんだが」
俺被害者だからね?
「ってか俺がいなくなって何かこまるん?」
ネイリーっていつの間にか、俺の周りを飛びまわってっただけだし。まぁ便利だからいいけど。
「あんた絶対私がここにいる理由分かってないでしょ」
?
「分かるも何も、理由言ってたっけ?」
「やっぱり忘れてたのね。もう一回言っておくけど、私はあなたの監視に来たの。だから勝手に居なくなってもらっちゃ困るのよ」
あー。そんな事も言ってたっけか。
「じゃあ俺も言わせてもらうけど、いなくなりたくていなくなったわけじゃないし、監視がお前の役目なら俺じゃなくてお前がどうにかするべきじゃないのか?」
「ぐぅ」
何とかぐぅの音はでたみたいだ。だからといって何かあるわけじゃないが。
「まぁ何はともあれ、戻ってきたんだからもういいだろ」
「そうね。じゃあ次はそこのお二人さんについて説明してくれる?」
ばれたか。いや隠してないから当然だけども。
「本の中の住民。以上」
「え、なに?痛い人たちなの?」
可哀想な人を見る目で光輝たちを見ている。
「いや、そういうわけじゃないから!もっとちゃんと説明してよ!」
「冗談に決まってんだろ? というか状況から考えれば痛い人って意味じゃない事くらい分かるだろ。まぁいい。実はかくかくしかじかで……」
「なるほどね」
「いや今ので分かったの!?」
「私妖精だから、ある程度言葉にこめられた意味が分かるのよ」
「へぇ」
腐っても妖精ってことか。
「ちょっと! 今私の事けなしたでしょ!」
「ばれた?」
「ばれた? じゃ無いわよ! 分かっててやったでしょ!」
「正解」
「少しは反省しなさいよっ!」
反省するようなことしたっけな?
「はぁ、はぁ……もう突っ込まないわ。きりがないし、もう一つ聴きたいことがあるから」
聴きたいこと?
「邪神についてよ。そこの二人と一緒に出てきたんでしょ?じゃあ邪神はどうなったの?」
「俺も知らんわ」
というか途中から忘れてた。
「そう。神気を感じないからここには出てきてないみたいだけど」
「たぶんまだ意識を取り戻してないんじゃないかな? それでも、無理やり僕達が出てきたわけだから、封印は弱まってしまっていると思うけど」
え、マジで?
「なにやらかしてんのよあんた! 封印しなおしなさい!」
「いや、無理」
だって封印の仕方知らんし。
「じゃあどうすんのよ!」
「いっそのことこれごと消すか?」
それが一番早い。
「そんな事したら邪神が出てきちゃうんじゃ?」
「大丈夫大丈夫。聖邪典もろとも無に返すだけだから」
「それ大丈夫って言うのか?」
あ、久々に闇暗が喋った。無口キャラじゃなさそうなのに、今まで喋ってなっかたのは何でだ?
ま、いっか。
「聖邪典を燃やしたりする訳じゃなくて、世界から存在ごと抹消するって方法だから、多分問題ない」
「あんたいつの間にそんなことできるようになったの?」
「これからできるようになる予定」
「「「まさかの無計画!?」」」
「光輝と闇暗はともかくネイリーはその反応どうなわけ?」
そういったどうやら思い出したようで、ぽんっと手を叩いた。
「そういやあんた前もぽんぽんスキル取得してたっけ」
「「なるほどただの怪物か」」
思い出してくれてよかったよかった……
「ってちげーよ!!」
「何がちがうのよ?」
「いや確かに怪物並のステータスだけども! ってあれ? 目から汗が出てきたぞ?」
「それ汗じゃなくて涙よ」
そんなのわかってるってーの。全く、何が悲しくて自分を怪物呼ばわりしなきゃいけないんだよ。
「で、結局何がちがうの?」
そこは思い出せて無いか。あれ?そもそも言ってなかったけ?
「異世界人補正って言うスキルだよ」
「なにそれ」「「なるほど」」
なんで二人は納得してるんだ?ってそうか。二人も異世界人だった。
「SPと引き換えにスキルが手に入るんだよ」
「へー。それでこの前も千里眼とか取得したってわけ?」
「いんや、この前のはスキルの説明見て自力で取得した」
あと千里眼じゃなくて百里眼だからな。どっちでもいいけど。
「やっぱり怪物じゃない!」
「うるせいやい!」
人が傷ついてるのに容赦ないやつめ!二人を見習いなさい!
「「・・・」」
違かった。絶句してるだけだった。
「俺に味方はいないのかよ!」
「ごめん、庇いきれない」
ちくしょぅ……
◆◇◆◇◆◇
「もういい加減立ち直りなさいよ」
「はい立ち直った」
「はやっ」
いやそもそもそこまで落ち込んでないし。あ、嘘です、すみません。
化け物じみたステータスだったら、こんぐらいで精神ダメージ受けなくてもよくない?あれ、目から塩水が
「と思ったらまた泣き出した」
「情緒不安定?」
「違うわ!」
「いや、俺達にはそうとしか見えんのだが」
もういいです。勘弁してください。
「ところでここはどこ?」
光輝ナイス話題ずらし!
「無人島。近くに国や村があったら、万が一のとき危険だろ?」
いつの間にか、百里眼から進化した万里眼を使ってみて、転移してみたんだけど。
「それは分かるんだけど、ちょっと、なんというか……」
?
「何かあるのか?遠慮とか要らないから、ほら言っちゃって」
「別に遠慮してるわけじゃないんだけども。ここら辺一帯、凄く嫌な気配がするんだよね」
嫌な気配?なにそれ食べれるの?
「俺も先ほどから感じていた。というより近づいてきてないか?」
「あ、確かに言われてみれば……ってもしかして!純弥、千里眼でここみたとき大きな魔法陣が無かった?」
魔法陣? あと万里眼な。
「あぁ。変な模様の事か。あれ魔法陣だったのか。てっきりナスカの地上絵的な何かかと」
俺としたことが気づかないとは。まだまだだな。
「でそれがどうかしたの?」
「どうかしたのじゃないわよ! とりあえず一回王都に戻って! 説明はその後!」
せっかちな奴め。
「いくぞ。『転移』」
光景が一瞬にして俺の部屋へと切り替わった。
「ふぅ危ない所だった」
「説明はよ」
「あんたって奴は! 少しは反省しなさい!」
反省しろって言ったて
「何をさ?」
「さっきの場所はね、本当ならたどり着けない封印された大陸なのよ。世界から有り余る悪質な魔力を吸収している場所で、時々邪神に勝るとも劣らない魔物が出てくるの」
あれま。そんな場所だったとは。
「でも何でそんなことしてるんだ? それにその魔物たちはどうしてんのさ」
「あそこは唯一神が直接介入できる場所だから魔物は神々がどうにかしているわ。悪質な魔力を吸収させている理由は、その世界で邪神が生まれなくなるための措置よ」
へー。
「でも邪神と同じくらい強い魔物生まれてちゃ意味無くない?」
先生。そこら辺どうなんですか。
「話聴いてた?あの場所は神が直接干渉できるから問題ないの」
そうですか。
「わかった?」
「YES」
「反省は?」
「してないし後悔もしていません」
「もういやだ。だれかこいつをなんとかしてぇ」
なにを言うか。それが俺のチャームポイントですよ。
「そこら辺で茶番はやめて、結局聖邪典はどうするの?」
そうだなー
「さっきの場所はダメっぽいし、なるべく近くに人が居ない砂漠にでも行ってみますか?」
「今度こそ大丈夫でしょうね?」
「平気平気」
「信用できない」
「いや平気だよ。たぶんきっと恐らく」
「もっと信用できなくなったわ」
「今気づいたんだが」
?
「どうした闇暗」
「ここら周辺に俺達が作った『部屋』があるだろ?」
あ。
「そういやあったな『時の部屋』」
「なぜここにあるかは知らないが、それを使えばよくないか?」
「でもあそこは許可とらなきゃダメじゃね?」
「僕達が作ったんだけどなぁ」
でも今は王国の施設ですしおすし
「ってことで見つかったら面倒なので『転移』」
さぁやってまいりました『時の部屋』。ついでに鍵を閉める。鍵あるんだここ。
「見つかったら面倒とか言っといて何できたのよ」
「転移すれば見られなくてすむでしょ」
ばれなきゃ犯罪じゃ無いんですよ。
「おまわりさんこいつです」
失礼な。
「ところで純弥。聖邪典は?」
「それはここに……ってあれ?」
ないぞ。もしかして
「さっきの場所においてきたかも」
「そういう冗談はいいから」
「冗談じゃないから。ってかお前わかんだろそんくらい」
「ガチで?」
ガチで。
「何やってんのよぉ!」
「一人ですぐにとってくるから安心せい」
「そういう問題じゃなーい!」
いちいちうるさいやつだな。
「じゃあ何が問題なのさ」
「聖邪典は封印解けかけてるんでしょ?そしたら悪質の魔力を取り込んで……」
もしかして
「邪神復活、とか」
「その可能性は十分あるわ」
やばいやん。
「でも『時の部屋』に居るから幸い時間はあるし、対策を練ればいいんじゃない?」
光輝の案に賛成。
「いや、それがそうはいかないのよ。あそこは時間の概念があやふやで、この世界と時間の流れが違うから」
まじか。
「でも神が直接干渉できるならなんとかなるんじゃないのか?」
「正確にはあそこで発生した事象に限り、ね。こっちから持ち込まれた聖邪典には手出しできないわ」
やっちまった。
「よし今すぐ行こうそうしよう。『転移』」
転移先はもちろんさっきの無人島。ってあれ?
「なんか暗雲垂れこんでるんですけど」
「そうっすね」
ちょっとやばいかも。
そう思った瞬間。あたり一面に雷が降り注いだ。
「純弥のアホォ!」
俺は轟く雷鳴とネイリーの罵倒を聞きながら、静かに一つのスキルを発動させた。
有り難うございました。
1月中にもう一話以上は投稿しますのでよろしくお願いします。
え?純弥が結局自分勝手にやってる?だって純弥ですし。




