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マイペース異世界災難記(仮)  作者: 紺(空想野郎)
ギルドと本と古き記憶
21/40

16話 聖邪典と過去の勇者達 開幕の伍~王国の切り札~

遅い上に短くてすみません。次回はなるはやで投稿しますが期待しないで下さい。では、どうぞ。

「そこの勇者様。いま、魔族がこの国に、城に攻めてくると言ったのでござろうか?」

どこからとも無く黒いコートを羽織った女性が現れる。

「ええ。そうよ。私のアビリティ『賢者の書』は神が管理する《理》という所から私が知りたい情報と、私に害をなす出来事を汲み取るというものなの。魔族が《理》を捻じ曲げる力を持っていない限りこの情報は真実でしょうね。魔族が一番多きいこの王国を滅ぼせるほどの力を持っていることは知ってるの。だけ《理》を捻じ曲げるほどの者はいないと思うわ」

魔族がどれぐらい強いのか、一般人の戦闘力も知らない僕達が知ってるわけも無いけど、これは相当まずいことだよね?もしかしたら朝感じた違和感はこれだったのかもしれない。そう思っていると、何か考えていた女性が口を開いた。

「いや、もしかしたらいるかもでござる」

「・・・その存在は一体何者?」

「《神》と呼ばれるものの一種でござる。今の所の情報ではその《神》、いや邪神とも言うべき神が裏にいるでござろうと言われております」

なんか違和感のある口調だ。それにしても邪神とはいかにもな感じがする。その邪神もどのくらいの力を持っているんだろうか?

「という事はこの情報は確実ではないという事ね。どちらにせよ警戒態勢を強め、訓練をもっと実践的なものへ変えたほうがいいかもしれないわね。このままだと負けると思うわ」

「了解したでござる。至急陛下に連絡するでござる。ご協力感謝する」

そういうと女性の姿は見えなくなった。なんか忍者みたいだ。


~3時間後~

いつもだったら寝てる時間だけど、異世界に来たせいか眠気はない僕達は最初の『召喚の間』に呼ばれた。多分魔族のことだと思うけど。ちなみにあの後は妙味達とは話せなかった。魔族の件で何かあるようだったけど何してたんだろう。っと、そろそろ始まるみたいだ。

「勇者諸君。召喚して早々呼んでしまって申し訳ない。だがしかしそれほど重要な事があるのを理解してもらいたい」

王様がそういうと一部の騒いでた生徒達がおさまった。

「これから言う事をパニックにならないよう心がけて聞いて欲しい。実は近日中、魔族がここに攻めに来るかもしれない」

その言葉に生徒達はざわめいた。一部の生徒は僕らと同じように冷静でいたけど。

「そう焦るでない。まだ可能性に過ぎん。安心したまえ。これから訓練をグレードUPすれば間に合う。そして何よりもここに呼んだ理由、切り札もある」

切り札?何だろう?

「この召喚の間には召喚した者に新たな力を与える事ができる機能がある。ただし力を得ることの出来ない者の方が多く出るという事を覚えておいて欲しい。それと力を得たものを憎むのもだ。あくまでこれは素質に関わる。力を得られなかったとしても力の制御が上手くできるようになるだろう。この機能は神珠という、発見するのがとても困難な物を6個そろえなければならないため、容易には発動できぬのだが今回は魔族が攻め込んでくる可能性があるので、特例での発動なのだ。力が得られなかったといって忍び込んで勝手に使用しないように。でははじめるぞ」

王様がそういうと床の魔方陣が光り始めた。

『職業《光の勇者》が覚醒しました。天職・職業《時の勇者》が開放されました。特殊能力(アビリティ)《光操作》が進化し《光創作》になりました。派生アビリティ《光創縦》を取得しました。特殊能力(アビリティ)《時間把握》を取得しました。スキル《時魔法》を取得しました。スキル《精霊魔法『光』》を取得しました。スキル《光源魔法》を取得しました。眠りし力が解放されました。スキル《状態異常耐性》を取得しました。称号《時の勇者》《世界の縛りに抗うもの》《救世主》が与えられました。』

スキルとかを入手した際に聞こえる《世界の声》が急に聞こえてびっくりしていると、例のリストに載っている人と他5人くらいから光の柱が上がった。すると今度は《世界の声》とは別の声が直接脳に響いてきた。

『力眠りし23人の勇者達よ。あなた達の力の一部を解放しました。その力で降りかかる困難を払いのけ、たくましく行きなさい。そして一つ、これだけは覚えて置いてください。《己の力に溺れる無かれ》。さぁ勇者達。王国の希望の星となりて、邪なる者を打ち砕くのです!』

今の声はどっちかって言うと女性の声かな?

『称号:覚醒者《開放:女神》が与えられました』

ってことは女神様かな。さて、怨まれたりしなきゃいいけど・・・。

「これで終わりじゃ。それぞれ訓練でもご飯でも好きにしていい・・・と言いたいところだが、『神託』を受けた。すまないが光輝殿、闇暗殿、野洲家殿、瑞樹殿、静菜殿、九殿、健介殿は残ってもらいたい。以上」

神託・・・女神様からかな?というかなんで僕達は残されるんだろう?

しばらくすると、王様と僕達、そして夕先生達だけになった。夕先生達は何で残ったんだろう?

「さて、君達には魔族が来るまでにより効率的に力を付けられるようにするために残ってもらった」

「するため、というのは私達が何か作るという事ですか?」

「正解よ。それにしてもよく作るって分かったわね」

「簡単な事です。他の人たちに指示を出す事により効率を上げるなら私達より適任がいます。そしてまた、私達の力によって効率を上げるのだとしても補助系などが少ない私がいても意味がない。しかも私の能力は知識を得る事に特化している。それを活かすとなると何かを作るという事だろうと」

「なるほどね」

「ついでに先生達が残った事により、私達だけでは達成できないことがあるのだろうと思いましたので。神託もあなたですよね?アマテラス様」

「やっぱり術式が甘かったかな?まぁその分説明する手間が省けるけど」

「で、俺達は何すればいいんだ?」

「簡単に言うと精神〇時の部屋を作ってほしい」

「創意先生はなんで精〇と時の部屋(それ)を知っているんですか?」

「い、いやそれは人間に上手く溶け込めるように・・・」

なんか目が泳いでる。いつもクール系だから少し面白い。

「まぁ最初はそうだったけど漫画にかなりはまっちゃって、オタク神と化したからよ」

「軽く暴露するな!」

なんか二人ともいつもと違うような・・・おっと、そういえば今はそれどころじゃない。

「まぁ話はそこまでにして、速く作らなきゃいけませんよね?」

「そ、そうだよな!速く作ろう!」

創意先生が『助かった!』という顔でこちらを見ている。いや、失礼だけど先生のためじゃないから。

この後の作業は長かったから短縮して説明させてもらいます。

1、闇暗が空間魔法を取得していたので創意先生の力を借りて土台を作った。


2、夕先生の力で明かりを作った。


3、妙味君の力と静菜の知識で魔族と魔物を再現して、トレーニングルームを作った。


4、空間を固定して、召喚の間に扉で繋げた。


5、僕の時魔法、九の重力魔法、瑞樹の軽減と再生を野州家の同調で空間に能力を固定した。


こうやって表すと簡単な感じがするけど実際は13時間かかったし、何回も魔力&スタミナ切れで倒れそうになったし、再現した魔族や魔物が何回も暴れだしたし、まさに地獄なんじゃないかと思った。訓練よりひどかったのではないだろうか。まぁその分達成感があったから良いけどね。とりあえずこれで完成だ。

一言だけ言わせてもらおう。

「今日はもう無理・・・」

僕はそのまま深い眠りに着いた。




「・・きろ」







「起きろ!光輝!」

「・・・ん?闇暗?」

なんか外がやけに騒がしいような・・・

「どうしたの?」

「魔族だ!魔族が攻めてきた!!」

「へぇ~魔族が・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・」

「って魔族!!??」

「遅ぇーよ!!」

「というか大丈夫なの?見る限りみんな起きたばっかでしょ?」

「実は俺達5日くらい寝ていたんだ」

「五日か~そうか~」

「そうだ」

「・・・」

「・・・」

「って五日!?」

「それもういいから!」

「なるほどね。その五日間でみんなかなり成長してるんだね」

「そうだ。だが万が一があったらいけないからな。一応お前を起こしておいた」

「だけどいくら時空の部屋で訓練したとはいえ、国一つ落とせる魔族に元一般人が勝てるの?」

「あぁ、その事なんだが、静菜調べてもらったところ、一部の魔族と魔物しか攻めて来てないみたいなんだ」

「なるほど、いわゆる先行部隊だね」

「そういうことだ。だからこそ安心してられん。よし、さっさと片付けよう。そして時空の部屋で訓練だ!行くぞ皆!」

「まぁウォーミングアップといきましょうか」

「敵の状況を把握しとこうかしら」

「俺はおとなしく後方で支援しますか」

「僕もがんばらなきゃ」

「私の出る幕あるかな~?」

「とにかく手早く片付けよう!」

そして僕らは戦場へと向かっていった。


~国王&大臣サイド~

「見てください国王様!さすが王国の切り札を切っただけはありますな!圧倒的ではありませんか!王国軍は!」

「うむ。だがしかしこれで終わりではない。油断してはならぬ。テイタスも準備を済ませておけ。決戦のときは近い」

「了解しました。ミリタス様もご準備されたほうがよろしいかと思いますが」

「そうだな。()も今日から訓練に混ざろうかな?」

お読みくださり有り難うございました。

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