14話 聖邪典と過去の勇者達 動き始めの参
ダウンは治ったんです。ダウンは治ったんですが・・・時間がないOTL
食堂についた僕らは料理の説明を聞いた後空腹のおなかを満たすためにものすごい勢いで料理を食べ始めた。料理はどれもおいしかったけれども、やはり米がないのが少し不満だった。さて、全員が食べ終わるまではまだ少し時間がありそうなので、さっきの事についてみんな(幼馴染ーズ)と話し合うことにする。ちょうどみんな食べ終わったみたいだし。
「なぁ光輝。創意先生たちが正体をばらしたのに何で皆全くその件について問い詰めてないんだと思う?」
闇暗から話しかけてくれた。その件については僕も疑問に思った。みんなうなずいているから、疑問に思っているみたいだ。いや一人だけ頭を縦に振っていない人がいる。精菜だ。
「みんなじゃないみたいよ。ほら、あれを見て」
精菜が指した先には妙味と和辰と巣状と明城がいた。何やら話し合っているみたいだ。ここからじゃ聞こえないが夕先生、創意先生、クスーディの方をチラチラ見ているから、たぶんさっきの件だろう。
「あの人たちだけじゃなくあのリストに載っている人は皆夕先生たちを気にしているわ」
あのリストとは『不可思議病にかかっていない人リスト』の事だろう
「確かに・・・」
「でも何か関係してるのか?」
「とりあえず妙味達の所に行ってみようよ。情報はふれあいからっていうじゃん」
「いやそんな言葉知らないけど、野洲家のいうことも一理あるわね」
「野洲家に賛成~」
「まぁそうだね。僕も賛成かな」
「でも後での方がいいかもしれないわね」
「「「「「なんで?」」」」」
「今行くとすこし怪しまれるかもしれないわ。みんなを混乱させないように夕先生達が何かしたのかもしれないしね」
なるほど。あまり考えずに行動するのは良くないことだね。反省反省。
「皆さん。お食事は楽しんでいただけましたか?食器等はメイドが片付けますので、そのままにして置いてください。つぎはあなた方の力を調べますので、着いてきてください」
ゆっくり歩き出した国王に僕らは少々遅めに着いていった。
国王が歩き出してから1分ほどで部屋についた。中に入ると扉が6個ほどあった。どうやらそこで力を確認するようだ。六組に分かれて扉に並ぶ事になった。創意先生と夕先生が仕切ったようだ。そしてなぜか僕たちオサナナジミーズが全員最初でその後ろにはリストに載っている人たちがいる。これはたぶん偶然ではない。感づかれたのであろう。少し心配しながらも僕は扉を開いた。そこには占い師みたいな姿をしたおばさんとその前に水晶が置かれていた。僕が水晶の近くに立つとおばさんが口を開いた。
「この水晶にふれ、自分の力を見たいと念じるのです」
僕は頷き、言われたとおりにやってみた。すると手のひらから何かが抜けた感覚がした後、僕の前に半透明の何かが浮かび上がった。そこに書いてあったのは 素質 称号 加護 職業という四つの枠。全て表示と念じてみたら半透明の何かが光った。そして念じたとおり全てが表示された。それを一通り見た後、おばさんにカードをもらい部屋を出た。このカードは自分が見たい(見せたい)と思った部分のステータスを表示できるらしい。部屋を出て少ししたら闇暗たちがでてきた。自分たちのステータスについて話し合おうと思ったのだが、ここでは少しまずいと思い他の人が出てくるのを待った。しかしその前にメイドが来て
「遅れてすみません。あなた方をそれぞれ部屋に案内することになりました。部屋の位置などについて、何かご要望はありますでしょうか?」
と言ったので少し質問してみた。
「その件とは少し違うんですが、他の人たちが来るのに僕たちだけ先に行っても大丈夫なんでしょうか?」
「はい。問題ありません。メイドは私以外にもたくさんいますので。さすがに皆様全員に一人ずつおつきすることはできませんが」
なるほどね。さて部屋はどうしようか?と考えていたら静菜が口を開いた。
「私達がなるべく近くて日当たりのいい部屋に案内してくれますか?」
おい静菜いくらなんでもそんな都合のいい部屋があるわけ・・・
「わかりました。ついてきてください」
あったー!まさかのありましたよ。はい。これには私も驚きを隠せません。って僕何やってんだろう・・・おっと皆歩き出した。早く行かなきゃ。
~約3分後~
「こちらなどいかがでしょうか?」
そう言ってメイドが指を指したのは六部屋がドアで繋がっている日当たりのいい部屋だった。
「それでいいわよ。ありがとう」
精菜がそういうとメイドさんはどこかへ消えてしまった。
「部屋は・・・端から私、九、瑞樹、光輝、闇暗、野洲家で良いわね」
みんな反論はないようだ。という事で一回自分の部屋を確認した後、精菜の部屋に集合という話になった。
~2分後~
皆部屋の確認が終わったようだ。みんなが床に座ると精菜が口を開いた。
「さて、みんな集まったみたいね。話を聞かれたくないから、スキル使わせてもらうわね。『遮断』」
「何かしたのか?」
「穏術系スキルの遮断よ。これで私達は認知されないわ」
「へ~。便利だな。というか何でお前発動方法知ってるんだ?」
「それは後で。今はとりあえず情報交換ね。闇暗からじゅんにいきましょうか」
「なぜに俺?」
「いや~、こういうのって闇暗って感じじゃん?なんか文句でもあるの?」
「いや別にいいんだが・・・。じゃぁいくぞ。ステータスオープン」
カードにはいかにも闇暗らしいステータスが表示されていた。それから全員でステータスを見せ合い、話し合うこと約十分。話は夕先生のことに移った。しかし話し合っても結局何も分からないまま会議(?)は終了した。
「そろそろ怪しまれるわ。という事でみんな解散。おやすみなさい」
「じゃぁ。おやすみなさい」
「おやすみ~」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
「一時の平和を楽しめよ」
「なんかそれ不吉だからやめろ」
「まぁそこが闇暗らしいよね」
「厨二にあらずんば闇暗にあらず」
「どういう意味だ九!まぁ否定はしないが」
「しないんかい。おっと。みんなそろそろ戻って来たみたいだね。僕達もそろそろ部屋に戻ったほうが良いんじゃない?」
「あれ?そういや風呂は?」
「変えの服がないから今日は入らないらしい」
「なるほど。そういうことなら後は寝るだけだね」
「そういうこと。じゃぁまた明日」
そして僕らは自分の部屋に戻った。さっきみんなと話していた所為か少しさびしい。寝ようかな?と思ったけどやっぱり体がむずむずするので何か打開策は無いかと考えた所、ひらめいた。その鍵はもしかしたら闇暗が握っているかもしれない。ということでまだ寝てないであろう闇暗の元へと向かった。といってもドアをひとつくぐるだけだけどね。
「入るぞ~」
「おう。なんか用か?」
僕が目を付けたもの。それは・・・
「いやお前なら魔法の発動方法くらいわかってんじゃないかなって思って」
そう魔法である。
「まぁ予想くらいならついてるが」
「本当!?」
「ああ。しかしなぜそんなもんを聞きたがるんだ?」
「体がむずむずするから、魔法でとろうと思って」
「なるほど。そういうことなら教えよう。門が開いた時のことを覚えているか?」
「あの怪しい人たちが何かつぶやいた後僕たちの体が浮いたこと?」
「そう。それだ。あれは詠唱だと思われる」
「よくファンタジー小説で出てくる魔法を発動する呪文のこと?」
「まぁそんな感じだ。ここからわかるとおり適正などがあれば特定の詠唱で魔法を発動できると思われる」
「だけど僕等は詠唱を知らないよね?」
「そうだ。しかし詠唱以外にも魔法が発動できる可能性はあるだろう?お前ならわかるはずだ」
うーん?詠唱なしでも法を発動する方法・・・詠唱なし、詠唱無し・・・そうか!
「その様子だと分かったみたいだな。詠唱無しで、つまりは無詠唱で魔法を発動する。小説などでよくあるのは強いイメージのみで発動するものだな。もしそれでもできないなら自分で詠唱を作ってしまえばいいんだ。例えば『我の魔力を代償にし、現れよ。火』とかな」
そういう闇暗の手のひらには火が燃えていた。
「だけどこれをするにはまず魔力を認識する必要性があるな」
「なんで?」
「今俺の手にはオリジナル詠唱で作った火が燃えている。これを消すには魔力の配給を止めなければいけない」
闇暗がそう言うと手のひらの火が消えた。
「これがオリジナル詠唱だからかはわからないが、とりあえず魔力を認識することから始めよう」
魔力を認識する、ね。どうすればいいのかな?そういえばステータスを見るときに水晶に何かが抜かれた感覚がした。あれが魔力だったのではないだろうか。目をつぶり手のひらに神経を集中してみよう。
・・・
何か違和感を感じる。血液ではない何かが流れている。しかしそれは異物ではなく暖かさをかんじるもの。考える前に察した。これが魔力なんだ、と。
「できたみたいだな」
「あぁ」
「お前はたしか体をきれいにしたいんだよな?」
「あぁそうだ」
「しかし水で流すわけにもいかないし、かといって光で浄化しても取れるのは菌だけだし・・・」
「それなら生活魔法があるわよ」
「「!?」」
「どうしたの?」
「いやどうしたのじゃないよ?どこから入ってきたの!?ていうかなんでここにいるの?」
「いやみんなに伝え忘れてたことがあってね。今みんなを集める最中だったのよ。野洲家も瑞樹達ときたみたいだから全員そろったわね」
「で用ってなんだ?」
「みんな体むずむずしない?」
「そうだね~」
「そうね」
「そうだな」
「それってさっき僕達が話してた・・・」
「そう。魔法で体をきれいにする方法よ。とりあえず『認識力向上』。これで魔力を認識できるはずよ。そんで私の言ったことを復唱して。『我は汚れるのを嫌う。我が魔力を代償とし我が身を清めよ。洗浄』」
「「「「「『我は汚れるのを嫌う。我が魔力を代償とし我が身を清めよ。洗浄』」」」」」
光が体を覆い、少しすっきりする。
「ね?すっきりしたでしょ?」
「ああ」
「うん」
「体をあらった後みたい~」
「これならお風呂要らないわね」
「そうだね」
「私が言いたかったのはこれだけ。さぁみんな、そろそろ遅いからもう寝ましょう。おやすみなさい」
「「「「「おやすみ」」」」」
今度こそみんな解散し、僕はベットにはいり、眠りについた。
もうすでに危険がそこまで来てると知らずに・・・
ありがとうございました。光輝達のステータスは番外編で。




