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第八十一節 微妙な視線 安の場合3

 荷物を纏めて厩舎まで来たんでやすが、何やら旦那が話しているでやす……

あっしは慌てて振り返ると、オークス伯爵とフローラ令嬢に言いやした。

「ちょっと……待ってくださいやし……」

「ん? どうなされた?」

首を傾げる伯爵に、静かに覗いてみるように合図しやした。

そして、その様子を影から伺うとあっしを見て頷いたでやす。


 しかし、旦那には脅かされっぱなしでやす。

まずは、祠の一件でやすよ。

旦那がプレゼントを配っている間にフローラ令嬢を救い出したんでやすが、

プレゼント袋の中に二人で隠れた時は奴等にバレやしないかとドキドキでやした。

ですが、ソリまで行ってしまえばこっちの物でやす。

あとはユックリと飛んでいるソリを奴等が綺麗に追いかけて来た所に、

遥子さん達の魔法で崖崩れを起こしやした。

もう、瞬殺でやしたね。

そして、後から追いかけてきたビーの事も計算ずくでやした。

まったく、お見事でやす。



 凄いと言えば、セント・ネコデスさんも半端じゃなかったでやすね。

敵は真っ黒焦げにしちゃうし、魔物を人間に戻しちゃうし……

もう開いた口が塞がらなかったでやすよ。

きっと魔法陣を作らせたら、誰もあの人に敵わないんでやしょうね……


 しかし……もし旦那に巡り会えなかったら、

こんなに凄い人達が世の中に居るなんて一生知らないで終わってやした。

本当に、あの時諦めなくて良かったでやす。


 それにしても、ビーは驚きでやす。あっしは悲しくなりやした……

よりにもよって、あんな色男に変身しちゃうなんて反則でやすよ!

でもイイ奴なんで、憎めないでやすけどね……


 なんでも話によれば、オークス伯爵の所で暮らせる事になってるそうでやす。

フローラ令嬢の側に居られるのが、ビーには一番でやすもんね。

本当に良かったでやす。


 でも、なんか……思えば短い間だったでやすけど……

せっかく出来た弟分が居なくなるみたいで、あっしは悲しいでやす……

ん?

ビーが、泣いてるでやすね……

名残惜しいのは、ビーだけじゃないっす。

あっしだって……

嬉しくって……悲しくって……

あっしだって……

涙が止まらないでやす……












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