表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/359

第六十八節 次の作戦だね~……

 私がトナカイと話していると、後ろから声が聞こえた。

「ここに来てたんですか、探しましたよ」

振り返れば、そこにダッツとナーヴェが居た。

「お、早かったね。それで、どうだった?」

問いかける私に、二人は頷いた。

「えぇ、奴のアジトを突き止めました」

「マジで? さすがだね~……となると、意外に近くに居たか……」

おもわず腕を組む私に、ダッツは話を続けた。

「はい……城より南の山腹付近にある、古い石作りの建物でした。山道から見た限りでは、

生い茂る木々で発見されないでしょう。恐らく戦争時代に使われていたものかと思われます」

なるほどね……潜伏するには絶好の場所か……

「そしたら、作戦会議と行くか」

トナカイに軽く挨拶を交わして、私達は部屋に戻った。



「お? 皆いるようだな」

部屋に入ると、すでに皆はテーブルを囲んで座っていた。


 ひとまず私達も椅子に座って、現状を説明し始める。

ダッツとナーヴェが奴のアジトを突き止めた話題に入ると、突然に遥子が立ち上がった。

「それじゃ、一気に片を付けちゃいましょうよ!」

それに私は、腕を組みながら答える。

「いや……奴を追い込むのは、まだ後だ」

遥子は私を睨み付けた。

「どうしてよ!」

いきり立つ遥子の気持ちも解るが、それにはまだ早い。

一息ついて、私は答えた。

「今行ったとしても、アジトには誰も居ないだろうさ。それに、あれは所詮こすい詐欺師だ。

放っておいても問題はないさ」

「詐欺師?」

首を傾げながら椅子に座りなおす遥子に、話を続けた。

「あぁ、それが奴のやり口だ。ソコスベリー候が使えない今となれば、他に協力者を求めるだろう。

奴としては、やはりこれまで手に入れたソコスベリー候に関連したネタを存分に使いたい所だ。

だが、西の平和な土地には反旗を翻しそうな権力者は居ないので論外。

そうなれば、必然と権力争いが多いデヴォンニャー邸に当たりをつけてくるはず。

何か次の手を打つとしたら、それが一番妥当な選択だ」


 しばらく間を置いて、遥子は溜め息混じりに言った。

「そうすると、奴は向こうに現れるって事?」

それに私は、おもわず笑みを浮かべた。

「あぁ、その通りだ。そしてデヴォンニャー邸に潜入するとしたら、やはり一番の早道は

オークス伯爵だろう。彼が協力していると言う、他の魔物との連携も十分に考えられる。

まずは、このパイプを潰す事が先決だ。

まぁ状況によっては、それを利用する事も視野に入れてはいるがな。

いずれにしても、セント・ネコデスとオークス伯爵の救出が最優先事項だ。

それまでは、奴を泳がせておいても大した問題ではない」

遥子は何度か頷くと、真っ直ぐに私を見た。

「それじゃ、急がないといけないわね」

「あぁ、さっそく出発だ!」

私の掛け声と共に、皆が立ち上がった。












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ