表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/359

第六十三節 そんなに凄いの?

 家まで辿り着くと、老人が目を丸くして布に包まれたそれを見ている。

「それは、婆さんか?」

いや……違うから……ってか、どんな婆さんだよ……

「それらしい石を取ってきたんですが、見てもらえますか?」

老人は、それに頷いた。

「まぁ、入りなさい……」

テーブルの上に岩を置くと、布を解いた。

「これ、なんですが……」

「おぉ……まさしく浮遊鉱石じゃ! じゃが、どこでこんな大きいものを……」

「一本道を少し外れた所で見つけましたが……そんなに珍しいんですか?」

老人は、驚いた顔のまま私を見つめた。

「まず、お目にかかる事はないじゃろうて! こりゃ国宝級じゃ……」

マジっすか……

私達が目を見合わせて驚いていると、老人は真剣な表情で続けた。

「これだけの代物を手にしたのじゃ、誰にも言っちゃいかんぞ!

その時は、必ず狙われると覚悟するのじゃ……」

どうやら、とんでもない物を手に入れてしまったらしい……



 老人の話によると、この大きさの浮遊鉱石ならば

かなりの大型船を飛ばす事が出来るらしい。

つまり、相当に船体を強化しても航行に支障が無いと言う事だ。

万が一に火矢でも撃たれて、燃え上がった上に墜落では洒落にならない。

防御を固められるのは非常にありがたい。



 借りた道具を返すと、何故か老人はビーを見つめている。

ん? まさかバレたか?

「あの……」

おもわず声を掛けると、老人は黙って奥へと歩いて行った。

なんだ? どうする気だ?

まぁ最悪の時は、ビーだけでも逃がせば何とかなるか……

しばらくすると、何かを手にして戻ってきた。

私が神経を張り詰めていると。老人は静かな口調で言った。

「これは、婆さんが良く作っておった物でのぅ……」

とても優しい表情で、手にしたものを見つめている。

どうやら、手作りのネックレスのようだ……

「そこの坊ちゃんに、丁度良いかもしれんでのぅ。これを持って行きなされ……」

老人は、ビーの首に綺麗な石の付いたネックレスを掛けた。

「あっ……ありがとうございます……」

ビーが緊張しながらお辞儀をすると、老人は笑顔で何度も頷いている。

どうやら問題は起きなさそうだ……

私は、皆に気付かれないように息を吐いた。

さすがに冷や汗が出た……

ひとまず、大騒ぎにならなくて良かった……



 帰り際に、私達は深く頭を下げた。

「ありがとうございます。本当に助かりました」

「な~に! 若いもんが何を言っとる! 気にせんでえぇ!」

老人は、また手をヒラヒラさせながら私達を見送ってくれた。



 ひとまず、これで沙耶の任務は完了だ。

まぁそうは言っても、まだ重要な課題は残されたままだ。

これからは、今までにも増して慎重に行かなければなるまい……

しかし少し進む度に、どんどん問題が増えていくような気がするのは私だけだろうか?

まったく、悩みは尽きないものだ……


 私達が城下町まで戻ってくると、辺りはすっかり暗くなっていた。

とりあえず、今日はここに泊まる事になりそうだ。












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ