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第四十九節 第二次作戦開始

「遥子! 翔子! 乗って!」

私達はソリに駆け込むと、また空へと舞い上がった。



 居た……

森から繋がる山道を、怒りに燃えて走っている赤い大群がそこに居た。

「サンタを止めるぞ! あそこに威嚇射撃だ! 間違っても、殺すなよ!」

「わかってるわよ!」

白い閃光が、サンタの前に放たれると大爆発が起きたように雪が舞い上がる。

それに慌てたサンタ達は、その場に立ち止まった。

私達は、その目前へと降りて行く。


 おもむろにソリを降りた私にサンタ達は襲いかかろうと走り始めるが、

二人の魔法が、その足元で炸裂する。

私は、サンタ達に向かって大きな声で言った。

「私達は、殺し合いに来た訳ではない! サンタ達よ、話を聞いてくれ!

セント・ネコデスを殺した者は、あの町には居ない!」

それに、サンタは反論する。

「貴様も、同じ人間ではないか! 今更、言い訳など聞く耳持たぬわ!」

間髪入れずに、私は言う。

「私達は、違う世界からやってきた。

そして、あんた達の無念を聞いた! だが恨むべきは、あの町の住人では無い!」

いきり立った、サンタが怒鳴った。

「誰が来ようが、今更どうにもならぬわ! 我々は人間が憎いのだ!」

私も、それに反論する。

「まだ判らないのか! あの町に騎士団は居ないんだ!

ただ怒りに任せて、関係ない人々を惨殺しているだけじゃないか!

それで、誰が喜ぶのか!

戦えば、また新たな犠牲が出る! それもまた、人間のせいだと逆恨みするのか!」

その言葉に、サンタ達は一瞬固まった。

「しかし我等は……もはや止まる事など……」

私は、さらに捲し立てた。

「あんた達の師セント・ネコデスは、そんな事を美徳だと説いた試しがあるのか!

子供達に夢を与えたい人が、そんな事など一言たりとも口にしていないはずだ!

違うのか!」

サンタ達は、完全に黙った

しばしの沈黙を破って、一人のサンタが叫ぶ。

「ならば、悪いのはどっちだ!」

一息ついて、それに答えた。

「最初は、人間が悪い。セント・ネコデスを、亡き者にしたのは人間だ。

それは、変えようの無い事実だ。

だが、あんた達に家族を殺された人間が居る事を忘れるな。

その人々は、同じ想いではないのか? 無念ではないのか?

その気持ちを一番に理解できるのは、あんた達サンタではないのか?

これ以上、負の連鎖を繰り返すんじゃねぇ!」

またサンタは静まり返った。

私は、大きく息をついて話を続けた。

「確かに、恨みは消えないさ。受け入れる事も、出来ないかもしれない。

しかし、それでも殺し合っていたら何も解決しないんだよ。

この通りだ、人間と和解して欲しい」

私はサンタ達に頭を下げると、辺りは気味が悪いくらいに静まり返った。

やがて、一人のサンタが私達の近くまで歩いてきた。

「違う世界の人間よ、一つ問う……これは、お前さんには関係ない事であろう?

何故に、そこまでするのだ?」

その問いに、少し間を置いてから言った。

「私達の世界では、クリスマスの夜に子供達がサンタのプレゼントを待っている。

サンタは何時の時代も、子供達に夢を与える使者なんだ。

それが、人間と殺し合ってどうする?

血塗れのサンタなんて、誰も見たくは無いんだよ。

私達の夢をぶっ壊すのは、もう辞めてくれ!

そして、誰にも死んで欲しくない。無駄に、死んで欲しくないんだよ!」

しばらくの時間を置いて、ふとサンタは笑顔を見せた。

「そうだな……お前さんの言う通りだ。

今思えば、あの方は全く逆の事を言っておった。

お前達は、人々に夢を与える為に生まれてきたと……

そして、それこそが私の生き甲斐なのだと……

今更、思いだしても様にならぬがな……」

サンタは、おもむろに振り向いて両手を広げると大きな声を上げた。

「皆の者よ。これは、あの方が遣わしてくれたとは考えられぬか?

あの方からのプレゼントだとは思えぬか?

どうだ? この御仁を、信じてみる気にはならぬか?」













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