第四十二節 微妙な視線 安の場合2
ども、待合所で待機中の安でやす。
しかし、旦那は不思議でやす。
てっきり覗きに行くものかと思っていたんでやすが……
……
「何を言っている! それの何処に美があるのだ?」
「え? 男だったら、誰でも考えそうなもんでやすが……」
そう言うと、旦那は大きく溜め息をついたでやす。
「君は何も判っていないな。まず覗くという行為は、密かに伺い見る事。
これは明らかに、美の鑑賞などでは無い。
そもそも、無防備な女性に対して失礼ではないか。
それに私達に見られたく無いのであれば、
そんなものはタダの裸でしか無いであろう」
「いや……それを見たいのではないかと……う~ん、良く判らないでやすよ……」
あっしが首を傾げていると、旦那は両手を広げて話し出しやした。
「では、簡単に説明しようではないか。全ては意識なのだよ。
必至に裸を隠して歩く女性が綺麗に見えるか?
そこに美など生まれやしない。
しかし、裸同然の水着姿で堂々と歩く女性達を見よ!
誰かに見せたい意識が宿る事で、そこに究極の曲線美が生まれるのだ。
つまり、チラリズムこそが究極への入り口!
それこそが、偉大なるロマンなのだぁ! ふはははははは!」
う~ん……判ったような、判らないような……
旦那の言う事は、難しいでやす……




