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第三百五十八節 闘技場警備の視線 鬼温菜衣斗の場合 その2

 度々どうも、鬼温菜衣斗オニオン・ナイトです

先ほど先輩が様子を見に行ったまま、まだ戻って来ていません。


 いったいどうしたのかと心配で入り口の方を伺っていると、

騒ぎは収まるどころか更に激しさを増してきているみたいです。

これ大丈夫なのかな……


 やがて仲間達がなだれ込む様に走って来て、入り口へ向かって一斉に剣を構えています。

何? いったい何事?

まぁどう見ても、喧嘩とか言った類の事じゃ無さそうだけど……

何かエライ事になっているのは確かだよね。

自分も皆に合わせるように剣を抜いて、戦闘態勢を取ってみました。


 しかし、どうしよう……

さっき先輩から、変な言い伝えを聞いたばっかりなんですよね。

まぁココに関する噂話でしたけどぉ……


 まさかアレ? 自分このまま死んじゃうパターンとか?

イヤだな~、それ凄くイヤだな~……

でも騎士たる者、この場から逃げる訳にいかないしな~。


 その時、向こうの方に何かニョロニョロとした変な物が見えました。

どうやら警備隊長が、それと戦っているみたいですが……

あれは、いったいなんですの? 

どう見ても人間じゃないんですよね……って事は噂の魔物ですか?

これマジでヤバイっすよね~……


 そんな時、先輩が向こうから走って来ました。

「おいっ! 魔物が出たぞっ!!」

はい、アレ見れば解りますが……

「これ以上ヤツ等を先に行かせる訳に行かないっ!! ここで食い止めるぞっ!!」

「え? ヤツ等って、他にも居るんです?」

おもわず聞き返すと、神妙な表情で頷いています。

そりゃまた……でも、どうしたら……

「ぐおっ!」

突然に聞こえた唸るような声は、警備隊長でした。

「隊長~っ!!」

すぐに仲間が駆け寄り倒れた隊長をこちらに引きずってきたので、

自分達も駆け寄って声を掛けまます。

「隊長っ!! 大丈夫ですかっ!!」

「あぁ心配するな、たいした傷では無い。だが、このままでは……」

ふと前を見れば、暴れ続ける魔物に皆は近寄る事すら出来ないでいます。


 ん? そう言えば……

自分は先輩に視線を向け、声を上げました。

「あのっ!! 先ほど、勇者御一行が来てましたよね!! きっと、あの人達ならっ!! すぐに呼びに行ってきます」

「バカ野郎っ! とっくにアレモ王子と帰っちまったよっ!!」

「え? マジッすか……」

あらま~、もう帰っちゃってましたか……参ったな~、これ本当に参ったな~……



 その時、真横で低い声が聞こえました。

「君……すまないが、その剣を私に貸してはもらえないか?」

あっ、雷陀亜書大さんがこんな目の前に……

もう何を言ってイイのか良く解らないまま剣を差し出すと、

片ひざを付いて座った体制のまま自分に優しそうな笑みを浮かべました。

「ありがとう、後は私に任せたまえ」

その言葉に驚いて、聞き返しました。

「え? 危険です!! だって魔物が」

自分が言い終える前に、ガシっと大さんに肩を捕まれました。

「大丈夫だ。それより君達は、彼の傷を見てあげなさい」

そのまま立ち上がると、魔物が暴れている方へと歩いて行ってしまいました。

いったい、どうする気なんだろう……



















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