第十節 塔の攻略ねぇ……その4
一息ついた私は、鎧を手にしてみる。
重さとしては革のライダースジャケット程度しかないが、作りはシッカリしている。
遠目では白色の鎧かと思っていたが、どうも銀に近い。これが白銀と言う奴だろう。
条件は満たしたのだから、もう私の物だ。
怒られる事は無いはずだ。
試しに、鎧を装備してみた。
肩当と一体になった構造で脇の辺りのベルトで締めるようだ。
とりあえず動いてみると、予想以上に軽い……
色々とポーズを取ってみるが、その動きを鎧に制限される事が無い。
まるで、誂えたようだな……
どれ程の防御力があるのかは知らないが、身軽で居られる事はありがたい。
何しろ、まだ先は長いのだ……
それからは少し仕掛けの難易度が上がったようだが、
これと言って時間制限も無いので、さほど焦りも感じていない。
良く考えれば、十分に解ける程度だ。
まるで、パズルゲームでもクリアする感覚で上へと進んで行った。
もしや、ここか?
周りの装飾などの作りは同じようだが、
何気にガランとした雰囲気が妙に怪しい。
私は慎重に見渡してみるが、これといって何も無い。
そこには、上への階段があるだけだ。
と言う事は、あの階段が問題だ。
下手に進んで、発動されたらたまった物ではない……
とりあえず、ここで待つとするか……
やがて遥子が、息を切らせながら階段を登って来た。
「大丈夫だったか?」
私の問いに、手を上げて答えている。
「やはり、仕掛けの傾向に気付いたんだな?」
「あんたのゲームより全然楽よ、余裕だったわ!」
遥子は、疲れを振り払うように笑顔を見せながら親指を立てた。
「それは良かった」
あれだけのRPGゲームを、貸した甲斐があると言うものだ。
この際、勝手に持って行った事には触れないでおこう……
さて、ここからが問題だ。
「多分、あの階段を上がると何かが起きると思う」
私が指差すと、それに頷いている。
「すぐに、行けそうか?」
私が聞くと、遥子は思い切り首を振っている。
まぁ、予想通りだ。
「だよな~……とりあえず、あの辺りで休もう」
見繕っておいた場所で、荷物を下した。
まず、このままで居れば何かに襲われる事は無いだろう。
そして、ここは意外に暖かい。
ここの床も赤いカーペットが敷き詰められているので
そのまま座り込んでもかなり快適だ。
これなら、一階に居た時よりも遥かにゆっくり休める。
私の予測では、次がラスボスだ。
今のうちに、十分な体力を回復しておくのが最善だろう。




