第三九話 リーナの攻勢
今回の話、書くの難しかった…。
中途半端だけどアップすることにしました。
扉の前にリーナの気配を感じた時、ゆっくりと扉が開いた。
全身露になったリーナが少し開いた扉の隙間からするりと浴場に入り込んだ。
黒沢明人は、ついと視線を逸らした。
まだまだ子供だと思っていたが、成熟とまでは行かないまでも少女のそれではなかったことに少し驚いていたのもあるのだが、やはり黒沢明人にはリーナは子供で、そういう対象ではなく、少女の体を見ることに若干の後ろめたさを感じたのだ。
「リーナ、姿が見えないと思っていたら、さては狙っていたな?」
「うふふ、このお風呂は、アキト様と一緒に入っても良いお風呂なんです」
リーナは事も無げにそう言うと、ゆっくりと湯に足を入れた。
風呂は一人で入る分には余りにも広いが深さは50cm程だ。膝から上は、何も隠すものがない裸体が見えている筈である。
そして黒沢明人はリーナがゆっくりと自分に近づいてくる気配を感じた。
「服を脱ぐ気配は無かったが?」
「部屋で脱いできたも~ん。アキト様、今日は沢山お酒飲んだでしょ?」
「生憎お前を襲う程酔ってはいないぞ」
「ふ~ん、試してみようかなぁ」
リーナは、黒沢明人の前に立つと、見下ろしながら明人の反応を伺っているようだ。
今リーナを見ると視線の位置的にまずい。黒沢明人は微かな動揺を感じた。
俺らしくない、いや或いは必然か…。こんなシチュエーションは今まで経験したことがなかったのだ。
入ったばかりだが、風呂を出るか。黒沢明人がそう思い立ち、立ち上がろうとした時、顔に温かく柔らかく弾力のある感触を感じた。
リーナが黒沢明人の頭を胸で包み込むように抱きついたのだ。
リーナの心音が聞こえた。脈が早い。リーナの心境を推しはかられる。彼女なりの最大に勇気のある行動なのだろう。
無気に払い退けることはできないな、しかし…。黒沢明人は、暫し考え、この状況はリーナに主導権を握られていることに問題があるのだと思い至った。
黒沢明人は、両手を広げリーナの腰を掴み、一気にひっくり返して、自分の太ももにリーナを座らせ、今度は両手で腹を抱きリーナの動きを封じこめた。
「え、え、アキト様?」
「リーナ、お前は確か16歳だったな?」
「うん、多分そのくらい」
「俺はもう30前だ。情熱を注ぐにはお前はまだ若すぎる。単なる性の捌け口としての女としてお前を扱うことは俺にはできない」
「よく解んないよ。アキト様…」
「そうか…、まあ、俺も世情に疎くてな、正直俺の倫理観がここで常識的なのかどうか、俺には解らない。
が、世情に合わす程俺の倫理観は安いものでは無い」
黒沢明人の言葉にリーナは首を傾げた。
「アキト様は、好きな人がいるんですか?」
話が難し過ぎたか。論点が合ってないぞ…。
黒沢明人は、思考を切り替え、
「いや、いないな。今ままでそれどころでは無かったからな」
と返事を返した。
「そうかぁ、アキト様、難しい事言ってリーナを丸め込もうとしているのかと思っちゃった。
うふふ、アキト様の子供産みたいなぁ」
話が戻った…。黒沢明人は頭を抱えたい気分になった。
しかし、まあ、一応確認しておくか。
「ところでリーナ、お前夜伽とか子供とか言うが、その辺の知識は持っているのか?」
「知識?」
リーナは頭を傾けた。
「具体的にどうするか?とかだが」
黒沢明人は、リーナの頭のつむじを見ながら、前々から思っていた疑問を投げかけた。
リーナは、突然体を捻って黒沢明人の顔を見上げたかと思うと、抱きつくように両手を首に回して、彼の耳に口を近づけて、小さな声でボソボソと話し始めた。




