第三七話 新自治都市庁完成
小遣い借金してスマートフォンを買ったのだけど、一ヶ月も経たない内に反応しなくなった。で、店に行って調べてもらったら犬の毛が入っていたとのこと。…昔のPCじゃあるまいし…。なんだろね?
随分時間がかかったが、ようやくベック・トリスタによる新自治都市庁舎はほぼ完成したようである。黒沢明人は、早朝出来る限り仕事を行ない、その後リーナ・サーリエントと共に予定地に出かけた。
新自治都市庁舎建設現場にはすでに大勢の人が集まっていた。
ベック・トリスタは、重要人物が一通り揃っているのを確認し、黒沢明人に声をかけた。
「アキト殿、そろそろ開帳して宜しいでしょうか?」
「ああ、そろそろ良いんじゃないかな?」
「分かりました。では、御開帳!」
と叫んだ。
前方で建物を隠していた布がゆっくりと剥がされていく。
そしてその全貌が公になると、「おお…」人々の口から感嘆の声が漏れた。
地面は非常に綺麗な石畳、敷地は非常に広く、その中に建てられた建築物も巨大だった。左右で手前のに100メートル近く伸びた3階建ての宿舎は、左が文官用、右が武官用宿舎となっていた。中央では噴水が水を吹き上げていた。
また、武官の宿舎の後にはかなり大きな馬房ががり、現在三千頭の馬が飼育されていた。骨格のしっかりした軍馬である。
同様に文官の宿舎の裏には、二馬引きの馬車が簡素なものから優雅なものまで20車ほど雨よけの下に並べられ、馬車引き馬が50頭程飼育されていた。
建物の中身の見学は、何組かのチームを組んで並行的に行われた。
奥の建物は、高官用の宿舎と食堂、風呂、会議室、客間、応接室、法廷、記録室等様々な部屋が用意されていた。
因みに風呂は、地下50mから温泉を引き上げたものである。それに加え黒澤明人の指示で造られた石鹸が多数常備されていた。
それはともかく床に敷き詰められた絨毯、折々飾られている彫刻や絵画。しかも彫刻や絵画は今後も増やしていくらしい…。
まあ、金の心配は今のところ無いがだが。新しく大陸中の貴族相手に高値で石鹸を売る事業も成功しているようだし。
しかし黒澤明人が気になった点があった。豪華な接客室、広い食卓と豪華な奥の寝室。ここまでは良い。この部屋へは奥にもう一つの両開きの扉があり、そこより奥は、黒澤明人と部屋を割り当てられた女性と女官しか入れない施設があった。今のところ、リーナ・サーリエント、ディート・ウェルヘン、フェイ・アルディオーネの三人だけが部屋を割り与えられているが、まだ5部屋も余っている。まだ入るものは決まっていないが、かなり高級な部屋がある。中央の広間には温泉が引き込まれていた。
これは、ひょっとして後宮と后宮ではないか?黒澤明人は逃げ道を減らされていっているような気がした。
そして大引越しが行われた。
得に喜んでいたのはマルフ・フィルフェンドで、彼も奥の建物の移住区に大部屋が与えられており、着物と特にウイスキーが常設されていることに破顔した。
「おいおい、マジかー。すっげ、まじすっげ、こんな贅沢許されてええんか?」
「誰も文句は言わないさ」
黒澤明人が答えた。
セイフ・ハーグマンは、黒澤明人の隣の部屋になり、その正面は、リリア・クラフトの部屋となった。
黒澤明人の正面の部屋は、ブロン・バーリエンスで、となりがマルフとなっていた。マルフの正面はロデ・カッテンである。
新庁舎が出来た契機に学校で文官になる為の教育を受けていた生徒が正式に職員となった。
これで黒澤明人とセイフの激務も減るだろうと、二人は安堵の息をついた。
その夜、大広間の食堂で大規模な晩餐会が開かれた。場が盛り上がってきたところで、黒沢明人、ブロン、リリア、マルフ 四人が集まり、会話の流れ上、誰が一番果実酒を飲めるか、という勝負が始まり、それを取り巻くもの達が誰が勝つか賭けが始まった。因みに本命はブロンだった。4人は、グラス一気飲みのハイピッチで進め、リリアが脱落し、続いてマルフが脱落した。
「はぁ、旦那強いでやすね」
「お前もな」
そして結局2時間後に黒澤明人以外3人が意識を失っていた。
西のリッチー☆東の無鬼
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も宜しく。




