第二七話 リーナ・サーリエントの夜這 side リーナ
サブタイトル変えました。
アキト様の夜は遅く、朝はとても早い。一度、朝の5時にこっそり忍び込み、寝顔を眺めようとしたら、…目が合った。
「ひゃ!…アキト様起きていたの?」
「お前こそ男の部屋に夜這いか?」
「あ、アキト様の寝顔を見たくなって…」
「そうか…なにか不安でもあるのか?」
いや、それで納得するのはおかしいです!でも、どうせなので…。
「アキト様、私だけやることがなくて…それで、ずっとただアキト様の側にいるだけなのが、不安なの」
「そうか…、ディートも文官の所長に付いて忙しそうだしな、寂しいか?」
「…はい」
「そうか、正直な所お前の能力はかなり役に立つ。仕事なんていくらでもある…」
そう言って黒沢明人は上半身を起こした。上半身裸!
「だがな、お前の能力は、危険なんだ。お前はまだ若い。敢えて今使うことは無い。今はまだとっておけ。それにその能力は他人を疑心暗鬼にさせる可能性がある。あまり知られない方が安全だ」
「私もう多分16歳位だよ」
「まだ、若い」
「魅力も無いですか?」
「子供に欲情するほど飢えては無いな」
「アキト様には欲求は無いですか?」
するとアキト様は、宙を見上げ、ふっと笑った。
「無くなったかと思っていたのだが、そうでも無いな。旨いものを食べたい。今はそれだけだ」
「夜伽は必要無いですか?」
「ああ、まあ、なんだ、取り立てて必要とは思っていない」
アキト様にしては迷いのある言い方だわ。脈有り?どおなの?
「わ、わたし、は必要なアキト様が好きです!」
アキト様は、滅多に見られないだろう、キョトンとした顔で私を見ている。
「…努力しよう」
真面目すぎだわアキト様!
今日の所は退散するわ。
「お休みなさい、アキト様。私はもう少し寝ます」
「ああ、お休み」
アキト様の夜は遅く、朝はとてもとても早い。朝の3時にこっそり忍び込み、寝顔を眺めようとしたら、…目が合った。
「ひゃ!…アキト様寝てないの?」
「お前こそまた男の部屋に夜這いか?この時間帯は言い訳できないぞ?」
「え、あ、夜伽は必要無いですか?」
「また、そんなことを…必要ならもっと早く呼んでいるのだがな」
「そうなんですか…」
するとアキト様はベッド脇のサイドテーブル上の蝋燭に火を灯し、すくっと起き上がって、上半身裸!な格好で、部屋の隅に歩いていって何かを持ってきました。
ガラス製の高級そうな透明なグラス2つに、何かの液体の入った透明な瓶。
「ガラスは、特殊技術部に作らせた透明なガラスだ。この液体は、グールース王国の名産品の酒だ。作り方は秘密らしいが、同じ物を作る方法は知っている。いや、これ以上だ。俺の世界ではウイスキーと呼ばれていた。麦芽酒と同じ大人の飲み物だ」
アキト様は、テーブルに2つのグラスを並べると琥珀色の液体が注ぎこみ、蝋燭の灯りに妖しく輝く、グラスを1つ片手に取って、一気に液体を口腔に注ぎ込んだ。
そして、目を瞑ってなにかを求めるようにゆっくり嚥下した。
「旨いぞ」
えっと、私も飲めってことかな?大人の飲み物だし…。
私は恐る恐るグラスを手に取り、口腔に注ぎ込み…な!何、これ!?飲めないよ!なんか熱いよ!
「どうした?」
アキト様が意地悪な表情で私の瞳を覗き込む。
私は、覚悟して一気に飲み込んだ。
キャーーー。熱い!喉が焼けるよ。
「ははは、大人の飲み物はまだ早かったようだな?」
胃が熱いー!
「う、も、もう、アキト様酷いです!」
アキト様の夜は遅く、朝はとてもとてもとても早い。朝の1時にこっそり忍び込み、寝顔を眺めようとしたら、…目が合った。
「つい今ベッドへ入った所なんだがな…最早お前の考えていることは俺には解らん」
「夜伽の時間かなぁって思って…」
「酒でも飲むか?」
いやーーー!
「今日の所は一旦退散です!」
そうして夜は更けていく…。




