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初めてのプレゼント

 「ねぇねぇ、死神さん」

 いつもの様にいつもの場所で死神さんに語りかける。だけど周りはいつもと同じじゃなかった。

 ――――視線。視線。視線。視線。

 あらゆる場所から私への視線を感じる。もちろん舞子さんや、カオルさんや、川崎先生。お父さんやお母さんも私を見ている。

 私は慣れた手つきで日傘を差す。さすがに緊張してきた。手が震えている。

 死神さんはそんな中でもいつもの様に寝ていた。私は震える手でカオルさんに買ってきてもらった紙袋を取り出す。

「えへへ、死神さんにプレゼントだよ」

 紙袋のリボンを解いて、中身を取り出す。真っ赤なリング。シルバーの鈴の付いた首輪。

「気に入ってもらえると良いんだけど……」

 死神さんにおずおずと手を伸ばす。ここからだ。ここからが本番。死神さんは未だかつて誰にも触れさせていないのだ。私も何度もチャレンジしてきた。だけど目をバチっと開け静止させられてきた。

「私に触れるな!」

 まるでそう言っている様な知性を感じさせるあの瞳。私はあの瞳に魅入られた。だけど、もし死神さんに知性があるなら、心から思えば気持ちは伝えられるんじゃないだろうか。私はそう考えた。

 相変わらず震えている手が死神さんに近付いていく。そろそろだ。

 バチッ

 すごい勢いで死神さんの目が開いた。私の方を見上げてくる。圧倒的な威圧に思わず怯みそうになる。だけどここで負けちゃダメだ。私の思いを伝えないと。

「死神さん、これ。受け取って欲しいんだ」

 私は首輪を開いて見せる。死神さんはジッとこちらの動きを見ている。

「私ね、いつも死神さんにお話聞いてもらっていたじゃない?そのお礼って言うかさ……。その……あの……」

 うう、あの目が痛い。でも私はちゃんとこれを渡したいんだ。

「私、誰かにプレゼントとかするの、始めてなんだよ? だから! その……受け取ってください!」

 私は恋する乙女か! 心の中なら突っ込めるのに言葉にすると上手く言えないのはなんでなんだろう……。顔もきっと真っ赤だし……。

 だけど、死神さんの反応は予想外のものだった。ゆっくり立ち上がり私の方に三歩ほど歩み寄り、首を上げて私を見上げてきた。

 私はしばし唖然としてしまう。だけど死神さんの行為の意味を頭が理解し、自然と震えが止まった。

 まるで永遠にも思える静寂。私はゆっくりと首輪を死神さんの首に回す。

 チリリっと鈴の音がする。その音だけがこの静寂を破って時を進めている様だった。始めて触れる猫の毛が柔らかくて少しこそばゆい。慣れない動作で首輪を付けているのに死神さんはまったく動かず大人しくしていてくれた。

「はい、出来た。受け取ってくれてありがとう。やっぱり黒猫には赤い首輪だよね。良く似合っているよ」

 私は死神さんをゆっくり眺める。もう少しだけ、何かしたくなった。たまらなくこの黒猫が、死神と言われる猫が愛おしい。私は死神さんの額にそっと口づけをした。言葉にはしないけどこれは願いのキス。

『もし私が死ぬ時は、どうか魂を死神さんが導いてください』と心の中で願う。

 私が唇を離すと死神さんはクルリと振り向いて、走って行ってしまった。

 チリリチリリっと鈴を鳴らして。

 そしてその鈴が世界の音を取り戻した。

 ガヤガヤと色々な声や音が聞こえてくる。

 今まで感じていた視線が色々な方向へ散らばり平穏へと還って行く。

 私の心臓はまだ高鳴っていた。

「私は恋する乙女かっつーの」

 今度は声に出して、でも誰にも聞こえないように小さな声で呟く。

 さぁ、私も平穏へ還ろう今日は沢山話したいことや、やりたい事がある。

 私は日傘をたたみ立ち上がろうとして、異変に気付いた。

 しかしそれは日常的に行われていた事なのでその時まで気付けなかった。

 視線が空を仰ぐ。とっさに目を閉じる。

 衝撃。

 でも痛みは無かった。私は目を開く。

「危なかったわね。美羽ちゃん」

 舞子さんの顔がそこには在った。

「私、また腰が抜けたのかな?」

 足に力が入らなかった。この間といい、なんと弱い体だろう。

「立てる?」

 舞子さんがゆっくり私を立たせてくれる。前とは違ってすぐに立てた。

「さ、お姫様。お部屋へお連れしましょう」

 手をあの時の様に差し出してくれる。ああ、こうやって部屋へ戻るのも久しぶりだな。まだ、舞子さんが担当をやめてそれほど時間が経った訳でもないのに、すごく前の様に感じる。

 それはきっと、これまで色々な事を体験し、退屈では無い日々を過ごし、成長して来たからなのだろう。私はずっと自分を不幸だと呪ってきた。だけど視点を変えれば幸せはいつも傍らに合ったのだ。

 お父さん、お母さん、優お姉ちゃん、舞子さん、川崎先生、カオルさん、優さん。

 私の病気を、お父さんや、お母さんは可哀相と言って沢山優しくしてくれた。でも可哀相なんかじゃなかったのだ。私は恵まれている。今ならそう思える。確かに沢山の不自由をしてきた。学校にも通えず、病院で過ごす毎日。知り合っても、仲良くなっても、すぐに離れてしまう人々達。どうしようもない無力感。そしてすぐに悲鳴をあげる私の体。

 何度も泣いた。だけどそれは少なからず誰にでもあることなのだ。あるのは大小の違い。

 人は病気もすれば泣く事もある。もちろん別れる事も、出会う事も、そして笑う事も。

 私は何度も諦めそうになった。自分の人生を消してしまいたかった。でもそうしなくて良かった。諦めなくて良かった。だから今この手の温もりがあるのだから、こうして大事な物が出来たのだから。

 だけど人はいつの時代も欲張りだ。私はもっと何かしたいと思っていた。そう、どんな物語でも盲目な欲張りには必ず代償が付く。

 私は病室でみんなの笑顔に囲まれこの笑顔がもっと見たいと欲張ってしまった。私は結局どこまで行っても弱いままなのだ。

 次の日。私は小児病棟の方に来ていた。

「こうしてミウは天使になり世界中に四つ葉のクローバーが稀に生えるようにし、それを手にしたモノに幸福を与える天使になりました」

「おしまい」

 子供達を集めて紙芝居を読んで聞かせる。子供達の純粋で真剣な眼差しが嬉しい。お話を読んであげ、みんなで絵を描いたり死神さんの話をしてあげたりする。みんなが笑ってくれるのが嬉しくてつい、はしゃいでしまう。

「はいはい、そろそろおしまいにしましょうねー」

 舞子さんがやって来て、そう告げる。

「あのね、あなたも一応、病人なんだからちゃんと療養しないとダメでしょう」

 お説教されてしまう。

「大丈夫だよ! 私なんだか最近すっごく元気だし、私にも出来る事合ってなんか嬉しいし……それに、楽しいんだこういうの」

 人の笑顔を作る事がこんなに楽しいなんて思ってもいなかった。

「舞子さんも好きでしょ? 人の笑顔見るの」

 私は当たり前の様に聞いてみる。

「そうね、人の笑顔を見るのは好きね。でも、もっと好きなものがあるわ」

 舞子さんが悪戯っぽい笑みを浮かべる。これは私を驚かせる事を思い付いた時の顔だ。いい加減これも克服しよう。

「なに? 舞子さん、私の事驚かすつもりなら……うひゃあ!」

 私は目の前に警戒し過ぎて思わぬ方向からの突然の感触に驚きの声をあげてしまった。

「ご、ごめんなさい。お姉ちゃん……」

 まだ小学校低学年くらいの小さな女の子が私の手を引っ張ったのだ。

 舞子さんも驚きの表情で見ている。

「い、良いのよ。どうしたの?」

 私はしゃがんで目線を合わせて聞いてみる。

「あのね、これ! お姉ちゃんを描いたの」

 それは紙芝居をしている女の子の絵。クレヨンで描かれた可愛らしい絵だった。

「ありがとう。すっごく嬉しいよ」

 私はそっと頭を撫でてあげた。

「お姉ちゃん! また来てね!」

 女の子はそう言って走って行ってしまった。

「こらー、走るなー!」

 舞子さんのお叱りが飛ぶ。

 私は嬉しさで胸がいっぱいだった。しかしそれもすぐに未知への不安に変わる。

 しゃがんだまま立てない。足に力が入らない。まずい、体調が悪くなるとこうやって自由に出来なくなる。

「どしたの? 美羽ちゃん?」

 いつまでもしゃがんでいる私を不審に思った舞子さんが声をかけてくれる。

 早く、早く動いて! 心の中で叫ぶ。

「ちょっと感動しちゃって……」

 私は足が動くまで時間を稼ごうとごまかした。

 動いて! 動いてよ! ぐっと力を入れる。

 なんとかよろけながら立つことが出来た。

「大丈夫?」

 私の顔色をうかがって舞子さんが聞いてくる。

「大丈夫だよ! ちょっと感極まっちゃっただけ!」

 私は慌てて言い訳する。舞子さんと……自分に。

 

 

「ねぇねぇ、死神さん」

「私、大丈夫だよね?」

 自分の病室への帰り、どうしようもない不安が襲って来て死神さんの隣に来てしまった。

 最初は極度の緊張や驚きから、腰が抜けたものだと思っていた。だけど、少なくとも舞子さんに驚かされていた頃は、こんな事は無かった。あの紙芝居の日までは。

「クセになっちゃったのかな?」

 無理して笑ってみる。

 死神さんは相変わらずだった。

「首輪、気に入ってくれた?」

 無視。死神さんは良くも悪くもマイペースだ。だけど首輪を見ると思い出してしまう。あの笑顔達を……。

 

 

「まったく、私の忠告は全然効いていなかったのね」

 舞子さんがいつものベンチから病室まで送ってくれる時にそんな事を言い出した。

「へ?」

 間抜けな声で答える。

「あなたは病人なのだから、あの猫に触っちゃ駄目って言ったでしょう?」

 そういえば最初の頃にそんな事を言っていたっけ。

「でもまさか本当に触ってしまうとはね」

 舞子さんはどこか嬉しそうだった。こんな顔をさせているのが自分だと思うと、また喜びが込み上げてきた。

 

「あの舞子さんの顔キレイだったなぁ……」

 死神さんの隣で呟く。

「本人には内緒だよ? 死神さん」

 無視。私は構わず続ける。

「そういえばあの後、お母さん凄かったんだよ?」

「『引っ掻かれてない? 怪我は無い? 倒れそうだったけど大丈夫?』って、ちょっと心配し過ぎだよね」

 あの時のお母さんの顔を思い出して、ふふっと笑って見せた。

「その後ろでカオルさんは親指立ててくれていてね、お父さんと川崎先生はクールっぽく装いながら、それでも笑ってくれていたんだよ」

 まるで一枚の絵を描くようにあの病室に笑顔を置いていく。

「そうそう、香坂さんも来てくれていてね!『なんで私は仲間はずれなのよー!』って」

 香坂さんが怒っている姿を真似して死神さんに見せる。

「で、カオルさんが『あなたが居ると本物の死神より恐いから』ってゴスロリ服の香坂さんの写真を持ち出して、かばってくれてね。またみんなで大笑いしちゃってさ……」

 無視。

「死神さん……私、死にたく無いよ……」

 無視。

「なにか……いって……よ……」

 無視。

「ねぇ……しにがみさん……」

 無視。

 いつの間にか空は重い雲に覆われていて、日傘が無くても暗く肌寒かった。

 私は空より先に泣いてしまった。それでも死神さんは隣に在ってくれた。きっとこれが死神さんの有り方なのだろう。

 今日は、舞子さんは迎えに来ない。一人で戻らないと。そう思うだけで涙が止まらない。

 チリリ

 ふいに鈴音がして死神さんの方を見ると死神さんが去っていく所だった。私は余計に寂しくなった。

 けれど死神さんの居た場所の異変に気付いて理解した。

 ぽつり、ぽつりと白いベンチがくすんでいった。

 私も急いで病室に戻った。明日も子供達の所へ行きたい。その一心で、なんとか雨に濡れる事だけは避けられた。だけど、病室に戻っても私はただ泣く事しか出来なかった。

「……はね……ちゃん! ……美羽ちゃん!」

 私は重たい瞼を開く。

「わ、どうしたの!? 目、真っ赤よ?」

 カオルさんが驚いた顔で私を見ている。あのまま泣き疲れて寝てしまったようだ。

「これは、その、なんか目かゆくて……」

 テキトウな嘘を吐く。

「ふぅ……そ、じゃあ目薬貰って来るからあんまり掻いちゃダメよ?」

 そう言ってカオルさんは体温計を渡して病室から出て行った。

「熱……あったら明日行けないよね……」

 私は布団でテキトウな温度になるまで体温計を擦った。

 なんとなく体が重いけれど、きっと泣いた疲れだろう。そう自分に言い聞かせて早めに眠りについた。

 朝。私の体は普通だった。やっぱり昨日の異変は何か偶然が重なっていたのだろう。そう思う事にした。

 今日も小児病棟の方へ出向く。

 私が紙芝居の準備をしていると沢山の子が集まって来てくれる。子供達の喧騒が頭に響く。

 昔はこういうの嫌いだったのにな。

 私は小児病棟に居る時、周りの子供達を見下していた。些細な事でバカ騒ぎして、うるさくて、言う事聞かないで、迷惑ばかりかけて、最低だって。でも間違っていた。最低なのは自分だ、嘘吐きで、純粋な子達を妬んでいただけだったんだ。この子達を見ているとそう思ってしまう。

 考えているとどんどん自分が嫌いになっていくので、私は考えるのを止め子供達と向き合う。そしてそんな自分でも『出来た事』と見詰め合う。後何回出来るかもわからない。一言、一言に、私の魂を込める。弱気になるな。諦めちゃダメだ。自分にそう言い聞かせる様に紙芝居を読む。

 読んでいる間、一人の男の子が気になった。腕を包帯で吊られ、頭に包帯を巻いた男の子。

 それだけなら、事故か何かに合っただけだろうと、思うのだが……。

 すごく寂しい目をしている。他の子達とは明らかに違う、諦めた様な、悲しい様な、苦しい様な、深く、暗い目。

「おしまい」

 大きく息を吐く。熱くなり過ぎたかもしれない。気付けば汗で体がしっとりしている。

「お姉ちゃん!」

 廊下の方で点滴を引きずりながら舞子さんと慧ちゃんがやってきた。

「あ……慧ちゃん、ごめんね、今読み終わっちゃったの」

 私は申し訳無い気持ちでいっぱいになった。

「ううん、今日は挨拶だけなの! 私ね、手術がんばったよ!」

 小さく無邪気な笑顔が眩しい。

「そっか、偉いね」

 頭を撫でてあげる。

「お姉ちゃん元気無い?」

 慧ちゃんがそんな事を言う。少し熱いけど私は元気なはず……

「み、美羽ちゃん!?」

 舞子さんが焦った様な声を出す。私は慧ちゃんに元気だよって言おうとして、慧ちゃんと舞子さんの顔が『横』になっている事に気付き、そこで意識を失った。

 

 

 私は暗闇の中を歩いていた。

「これじゃ、迷子のミウだよ……」

 当ても無い真っ暗闇、途方も無いただひたすらの闇。私の身体を恐怖が支配する。

「誰か! 誰かいないの!?」

 かつてない大きな声で叫んだ。不思議と体は辛くない。

 ひたすら暗闇を歩く。迷子のミウみたいに風景が見えるわけでもなく、黒猫が出てくるわけでも無い。 私は何をしているのだろう? もしかして死んでしまったのだろうか……。

 考えれば考えるほど恐ろしくなる。闇とはこんなに恐いものだったのだろうか。そもそも私は本当に闇の中に居るのだろうか? それとも現実の中に居るのだろうか? 何もわからない。ああ、もういいや、どうせ私は……そう思ってハッとする。ミウと同じ絶望の淵で私に一筋の光を見せたのはあの人だった。

「諦めちゃったらもったいないよ」

 あの丘を夢に、あの人を希望に! そして私も子供達に希望を見せた。その責任も果たさないまま終わりたくない! 私はまだまだやりたい事があるんだ! 優さんに送った手紙の返事だってまだ貰ってない。こんな闇の中に居る場合じゃないんだ! 早く元の場所に、私の在るべき場所に帰らなきゃ!

 そうやって思い立つと闇の中白い雨が降ってきた。雨が地面を白く染めて行く、あっというまに次は白い世界になった。

「ここは、一体……」

 いきなり白い世界が現れて唖然とする。

「良いよ、私は諦めない。絶対みんなの前に戻るんだ!」

 白い世界の中で叫ぶ。

 言葉が響いているのかさえわからない静寂。だけど私は歩き出した。

「諦めない。諦めたらもったいないから……。諦めない。」

 何度もあの人の言葉を呟く。自分を奮い立たせるように、間違えてしまわないように、後悔しないように、ただ歩いた。

 借り物の言葉だけど、貰い物の言葉だけど、ただの言葉だけれど、それはかけがえのない物になった。同じ言葉でもきっとあの時、あの瞬間に、聞かなければ、きっとこんなに大切な物にはならなかっただろう。

 人間が生み出し自在に操ってきた言の葉、アダムとイヴが知識の実を食べる前ですら存在したであろう、自分の意思を伝える最初の手段。それはやがて色々な形に変わり上から下へ、右から左へ、人と人を繋げ時には離し、私の元に届いた。そして私はこれをもっと繋げたい。出来る限り多くの人に、出来る限りの生を持って伝えたい。今はそれが「生きる」事だと思うから。

「やっと歩き出した所なんだから! まだ死ねないっつーの!」

 汚い言葉で叫ぶ。今の私は神様だって罵倒してみせる。

「負けない! 折れない! 諦めない! 私はもっと生きてみたいんだーーーーーーーー!!!」

 例えこれが罪でも、罰でも、私は叫ぶ。生まれて歩きたての子供が『死にたい』なんて考えない様に、私はもう死ぬ事を考えなくなっていた。

 そして白い世界が割れる。黒に塗り潰されて行く。

 世界が黒に戻った時。あの白いベンチがぽつりと世界の中に置かれていた。

 私はまるでそこに在る事が自然な事の様に吸い寄せられていく。

 いつもの様に腰かける。

「ねぇねぇ、死神さん」

 隣にあの、黒猫は居ない。

「私はまだ諦めないよ!」

 最後の一声をあげて私は意識を失った。

 


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