表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ファンタジー

知の勇者として召喚されました。 ぇ? 魔法を整理? DQ?FF?Rマサガ? 派閥がありすぎて困るのですが……

作者: 青い時計
掲載日:2026/03/18


 ぐぇぇぇぇぇぇ、吐く!!!


「成功だ!」

「勇者様だ!!」


 今までの人生で最も辛い吐き気を下を向いてやり過ごしていると、知らない人達の声が聞こえてきました。


「よくやった! 召喚士!!」


 下に見える床の材質が未知です。一面……苔? 何だろう、とにかく有機物です。

 はしゃぎ回るいい年した大人達の服は緩いドレープに包まれていますが生地は真珠色に輝いています。

 スンっとなりました。


 どうやら異世界召喚されたようです。日本人ですから慌てず騒がず経緯を見守ります。

 もちろん名乗るのは偽名です。


「おお勇者アナコ! 知の勇者として我らの魔法に優劣を付けて欲しい!!」


 ん? どういうことかな? 思わずキョトン顔になってしまいました。

 ちなみに花子と名乗ったのですが、先頭のハが聞き取れないタイプの言語みたいですね。

 どうでもいいので先を促します。


「世界は魔法派閥間での熾烈な争いに疲弊しておる。このままでは余波で大地や魔法の使えぬ者たちが滅亡してしまう」


 why?


「我々は勇者様たちのお力添えいただき、憎き魔王を討伐した。勇者様方はそれぞれ秘術を弟子や子に託し国を興されたのだ」


 なるほど?


「そして魔獣の残党も全て打倒し、人の時代がやってきた。勇者様方はそれぞれ生を謳歌されたと聞く。人は栄華を極めたと伝えられている」


 続けて?


「しかし、時が流れ魔獣がいない今。悲しいかな各国は人同士で争いを初めてしまったのだ。勇者の子孫たちは、自らの祖が最も優れていたとして譲らず争いを始めてしまった。それが現在の大魔法戦争時代となっておる」


 うん。陳腐なシナリオだけどあえて言うよ。馬鹿なのかな?


 魔王とか魔獣とかもう居ないんだ。自滅パターンなのね。

 まぁ、宗教戦争みたいなモノだと思えば地球もブーメランが刺さると思うからそういう事かな。


 とりま、その『俺がNo.1』魔法達を見せて貰っていいですか?


 一応皆、勇者の子孫とか弟子とか言ってるんですよね? 私、勇者らしいんで、私の名前で皆さん集めて貰っていいですか? ぇ、すぐに集まる? 皆さん使役獣とかに乗ってすぐに来ちゃうんですか? 凄いですね。


----------


 そして、召喚された苔床から場所を移動して、言語野が死にかけるほど広い広場に移動しました。魔法使いっぽい人達が既にいっぱい集まってる。速いな。伝達スピードやばいね。

 この人達の服装はドレープじゃなくて親近感が湧く服装ですね。これも勇者の残した物の一つなのかしら。


 ところで、こんなに集まらなくても魔法を披露してくれるのは代表さんだけでいいんですが……。


「ファイガ!!!」


 誰も何も言っていないのにいきなり魔法が炸裂しました。ぁぁ、うん。FFですね。

 同じ派閥っぽい人が「ブリザガ!!」「サンダガ!!」「エアロガ!!」と続きます。


 他の派閥っぽい人は自信満々の顔を私に向けて、白い歯をキラリと光らせて右手を高く掲げました。


「メラゾーマ!!!」


 こっちはDQか。


「セルフバーニング!」

「ブリザー!」

「アイスガ!」

「サンダーブレード!」


 アギダインないの??? ねぇ一番得意分野なんだけど!? Aトラス無いの!!?


 ぁー、爆粉うに、ね。はいはい。魔道具はAトリエと他のがごちゃ混ぜっと。


 ちなみにこの世界の元々はどんな魔法の使い方だったんですか?


「火よ!」


 やっぱり技名叫ぶ系なんですね。無詠唱は無い感じかな。


 ともあれもうね、別の指標作りましょう。距離、範囲、威力、持続力、ホーミングとかを勘案して基準を作ろう。

 火1Lv魔法がメラとファイアとか、火2Lv魔法がメラミとかファイラとか。


 ん? ホーミングとは? ホーミングは追尾です。追尾機能。

 やってみせろ? ぇと、できるかな。できる感じはするなぁ。こんな感じですかね。ぉー、魔法使えたよ。できたできた。ほれ、こんな感じで当たる迄どこまでも追いかけるだけです。


 追尾魔法を見て一気に沸き立つ魔法使い達。ぃゃ、弟子とか取らないんで。見て自分で覚えな?


 瞬く間に私がナンバー1になったようです。

 デスクロー等はどうやら無いようです。先の勇者達の配慮が伺えます。

 もちろん私もマハ、ムドは自重しました。


「これで争いが減るであろう。知の勇者よ、礼を申す」


 ぃぇぃぇ。乗り物酔いと画面酔いが酷いタイプなので知ってるRPGだけで良かったです。

 で、帰れますよね。ぁぁそうですか。帰れるならよかったです。

 帰れないなら瘴気噴き出して自爆してやろうかと。ぉほほほほ。冗談ですわよ、冗談。


 お土産? ぁぁ、迷惑料ですね。

 ぅ~ん、刻印のない金塊を貰ってもなぁ。宝石は人工宝石のおかげで値段下がりまくってますし。

 見たことがない動植物はうっかり地球で大繁殖して特定外来種指定になっても困りますし……。


 そうだ! 運の上がる魔法とかないですか? ん? ある? じゃぁそれで。


 ぁれ? 教えて頂いといて何ですが、また違う系統の魔法じゃないですかね。これは鬼道系かな? 能ある鷹は爪を隠す感じですかね。よし、気付かなかった事にしよう。



 って、ぐぇぇぇぇぇぇ、吐く!!! 合図してから送還して!!!!!





 こうして私は魔法の無い日常に戻った。


 家を出る前に靴下は左足から履いて、顔の前の空間に指で五芒星を描く。書き終えると共に「フッ」と五芒星の中心に息を吹きかけた。



「今日もいい事ありますように」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ