即位式
即位式の手前になっていた。俺は服を整える。
「ヴィネス。どう?」
と聞く。
「いいんじゃね」
と素っ気ない回答。
「まっいっか」
と覚悟を決めた様子になるのだった。
即位式は王宮の近くの広場に会場を作り、そこでやるらしい。結構開けた場所なので、十分気を付けなければならない。一応魔王軍の幹部なんだから。
「本当に私があなたの護衛でいいの?」
と恐れ多い感じで聞いてくるので、
「うん。まあ期待しているよ」
ちょっと即位式の前に彼女、ゼロの話をしておこう。
ゼロの生まれはドゥキョ王国という大都市の貴族らしい。剣を結構やっていたらしく、かなりの魔剣士らしく大会などでもかなりの成績を残していた。かなり幸せな生活をしていた。だがそんなには続かなく、2ヶ月前に魔住にかかってしまった。貴族の家庭の中で異端として扱われるようになる。ゼロは家の中に居づらくなり、逃げてきた。だがその間も体を蝕んでいた。この魔住に対抗するために木を殴ったり強くなろうとしていたが、変わらず、どんどんと蝕れる。そんな中俺が現れたと。
「まあ。そんなやばい奴らなんていないと思うから気楽に行こう」
と言ったがまさかこの後あんなことになるなんてとは思っていなかった。
「了解」
今は置かれている武器を見ている。
ハンマーに刀、そして大剣と色々な武器がある。どれもあのハンティングゲームに出てくる武器にそっくりだった。
「どれかな?」
と興味を持ちながら見る。
「これはどうだ?」
とヴィネスがおすすめしたのは、短剣だ。
「これは火力はそんなだが圧倒的な手数で攻撃する。それに投げれるからな。使い勝手がいい。どうだ?」
「じゃあそれで」
と即答するのだった。
「おお。じゃあ10個くらい持っとけ」
「多くないか?歩きづらいと思うんだが」
「ちゃんとしまえるケースあるから、歩きづらいというのはないと思うぞ」
ならいいかと思った。だって短剣は…
俺が得意としていた武器なんだから。俺は色々な武器を使えるが使っている中で一番得意にしていた。
タイムアタックでも大体、短剣でやっていたし、タイムもよかったから俺にはあっているんだろうなと自分でも思う。
「じゃあそれでいくか」
ケースをズボンに付け、短剣を10個入れた。
「よし。準備OK。じゃあ行くか」
「なんかあったら私も行くから、そん時はよろしく」
護衛はゼロがいるため、ヴィネスはここに待機する。
「おう。ゼロ、行くよ」
「了解」
そういうと会場に歩みを進めた。
「ここだな」
着いたがまだ時間がある。そういえば誰が王冠渡すんだろうな。前の王居ないって聞いたし、誰がやるんだろう。楽しみにしとくか。
「いよいよか」
こう見えても結構緊張するタイプなんだが。ましてや大衆の前でやるのは苦手だ。
しかも国民に王としての器も見せなきゃいけない。この人ならついていけるような王という様子を見せなきゃいけない。だってこの国は周辺国に侵攻されそうになっているからだ。表側は魔王様が持っている領土とはなっていないため、侵攻され国がなくなるからだ。国王が頼れるやつじゃないと国が崩壊してしまう。だからこそしっかりやらないといけないんだ。
「あと10分か」
時計を見なながらそわそわしてしまう。始まってそんなにしていたら頼りない感じになっちゃう。本当にしっかりしないと。落ち着け。
「ふぅー」
息を吸い、
「はぁー」
吐く。深呼吸をして落ち着かせる。
そして「大丈夫だ。絶対大丈夫」と心の中で思う。自己暗示する。そうすることで潜在意識に植え付けていく。
「よし!大丈夫だ」
ここから歩くのか…。
ここの真ん中を歩いて会場まで歩く。俺はそのまま会場に居てやればいいと言ったのだが、俺を披露するために歩けと言われたんだ。
「観客は結構居るわ」
「そうだね。まあ今まで王が不在だったし、誰が王になるのか気になるんだろう」
「ふーん」
素っ気ない反応。
「しかしこの国は結構首都に人口が集中しているな」
式をやるのは首都なんだが観客が結構多い。てことは人口が一極集中している可能性があるということになる。なんとかしないとな。
「まあ首都以外ほとんど開拓されていないから住めないのよ」
「そうなのか。じゃあ開拓して住めるようにするか」
小言で言う。
10分後
「これから式を始めます」
と司会そうな人が言うと歓声とともに始まる。
「では入場です」
と言われると歩き始める。
「誰?」
「え?」
俺が出てくると歓声は俺を怪しむ声になった。
俺が会場に着くと司会は始める。
「では始めます。王冠を渡してください」
そう司会が言うと出てきたのは——。
「魔…魔王様—」
変装した魔王様が出てきたのだ。
「あれって魔王様じゃね?」
と観客にもバレていて滅茶苦茶だった。
「え?マジ?」
「ふぅうううー」
なぜか魔王様ということを知ると歓声が上がる。
「なんで人気なんですか?」
と小言で言う。
「一回、この国を助けてな。それでこの国の人たちは私に恩を感じているんだ」
「なるほど」
「それでは王冠を」
そう言うと魔王様が俺の頭に王冠を被らせる。
「おぉぉおおー」
地鳴りが鳴るような歓声が上がる。
歓声が鳴りやむと俺は話し始める。
「みなさん。これまで王が不在で非常に不安だったと思います。ですがこれからは私がこの国を守ります。この国を発展させます。そのためにご協力をお願いします」
「何卒——」
そう言いかけるととある声が聞こえる。
「ワイバーンだ!!」
そう聞こえると俺の方に炎のブレスが飛んできた。
それを避けるとワイバーンの姿が見えた。赤い体が特徴なやつが10匹くらい。
「ゼロ。行けるか?」
と声を掛ける。
「了解」
と一言だけ言う。
「はあぁあ」
ゼロは剣に魔力を溜める。
剣には黒紫色オーラが溜まる。
「え?これは」
本人もわかっていなかった。
「すごくパワーがみなぎる」
ゼロは地面を蹴りワイバーンに向かって剣を切る。
ザクっと音がなると、ワイバーンは落ちてくる。
「1発でワイバーンを…」
自分でもなぜ1発でワイバーンを倒せたのかわかっていなかった。
ワイバーンと言ったら熟練のハンターが苦労して倒せるレベルだ。それを私は1発で倒した。今までだったら苦労しそうなのに。
「あと9匹」
そう言い。ワイバーンに向かってまた地面を蹴り、飛び、貫通するように2匹貫く。
「すげぇ」
と観客の声。
「すごい子スカウトしたじゃん」
と興奮している魔王様。
「ええ。これからもドンドンとスカウトして、役に立てるようにします」
「期待しているよ」
「ありがとうございます。では俺も戦うので」
「おお。見せてくれ」
「はい」
髪を整え、王冠を被り直す。
気合を入れ、「すぅー」と息を吸う。
「時よ止まれ」
そう言い、ワイバーンの動き、観客の動きも止まる。
そして飛び、短剣を1個出し、ワイバーンの首に向け、切る。
血は飛ばず、ワイバーンの叫び声も聞こえない。みんなからは一瞬でワイバーンが落ちてくる。多分驚くだろうな。
「もう1匹」
横っ飛びで隣にいるワイバーンを
「おらぁ!」
パンチし、腹を貫通する。もちろん、ワイバーンは何も叫ばず、何が起きたかわからない間に倒される。
「そういえばこのワイバーンはどこから来たんだ?」
そういう疑問が出てきた。だって何もなくここを襲撃するわけないと思う。しかも集団で。
なにか仕組んだ奴がいるのか?
そう思っているがまずは目の前のワイバーンからだ。
「おぉぉおらぁ」
次々と短剣で首を刺し、5匹倒し、地面に立つ。
そして
「時は動きだす」
すると次々とワイバーンが落ちてくる。
「あと7匹…。あれ?ワイバーンが」
「なんだこれ、急にワイバーンが落ちてきたぞ」
「おい。見ろあれ」
そう立っている俺に指をさし、
「王がやったんじゃないか?」
「マジか?じゃあ一瞬で倒したのか?すごくないか?」
「おぉぉー。流石だー」
歓声が沸き上がる。
だが歓声はある声によって静まる。
「世界は悪魔によって救われるのだ」
マントを被った謎の集団が出てきた。
「なに言ってんだ!」
観客の声。
俺はそいつらを知っている。
「マジェンタ教…」
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