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光と影が交わる一点  作者: 柳瀬 鯨
第一章 王の誕生
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第九話 神器・影葬ノ大鎌

 それはユウの背後へ。

 まるで、“本来あるべき位置”に戻るかのように。

 影の兵士達が、一斉に出現しユウへひれ伏した。

 影兵たちが無言で跪き、鎌の主に忠誠を示す。

「……なんだ、これ。あなたが作ったんですか?」

「いや。“お前の影”が形を選んだのだ。これは――」

 魔工師は喉を鳴らすようにして言った。

 《影葬ノ大鎌―ネザーハーヴェスター》。

 生も死も、影も魂も――すべてを刈り取る鎌

 大鎌がユウの手元へ滑るように降りてきた。

 触れた瞬間、影が背中に流れ込むような感覚がする。

 脈打つ。呼吸する。まるで“生き物”のようだ。

 ユウが大鎌を担ぐと、影兵たちが整列して立ち上がる。

 その異様な光景に、工房についてきた兵士たちは青ざめた。

「ゆ、ユウ殿……その武器で、前線へ?」

「国王の命令だし。早速、戦場に行こうかな」

覚悟はもう決まっている。

「し、しかし……!」

「大丈夫だよ。僕一人の力じゃない。こいつらが力になるアレンもいるしね」

 そう言って微笑む。

 ユウの背後で、大鎌の刃が微かに震えた。

 影が黒い煙のように広がり、工房の床に戦場への影の道を作る。

 軍靴の音が遠くで鳴り、伝令が駆け込んできた。

「ゆ、ユウ殿! 前線への同行部隊、出発準備が整いました!」

「わかった。すぐに行くよ」

 ユウは影の道を踏み出し、一歩進む。

 背後から、無数の影兵が黙って続く。

 影の大鎌が光を吸い込みながら、戦場の方向へ揺れた。

――この日、隣国の前線では“黒い死神が現れた”という噂が流れ始める。

ユウの初陣が、いよいよ始まる。


次回は、ユウが活躍しますよ。

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