第八五話 影の周りには
午後の王都カフェテラス。
暖かい日差しがテーブルに差し込み、花壇の花が風に揺れる。
アレンとリアナ、ユウとメル――二組の王と王妃(未来含む)が並んで座る。
「いやあ、こういう時間もいいね」
アレンが笑う。
リアナは紅茶をすする。
「そうね。戦いばかりじゃ、疲れが取れないもの」
ユウは影を少し収め、落ち着いて座る。
黒髪は肩にかかり、長いまつげが月光のように影を作る。
メルは少し緊張しつつも、ユウの隣で微笑む。
「……ユウさん、お茶をどうぞ」
ユウは小さく頷き、差し出されたカップを受け取る。
「……ありがとう」
その一言だけで、メルの頬は赤くなる。
アレンはそれを見て、にやりと笑う。
「ほら、ユウも顔を赤らめるじゃないか」
リアナが小さく顎を上げる。
「アレン、からかうのはやめなさい!」
ユウはむぅ、と唇を尖らせる。
影を軽く揺らし、視線で圧をかけるが、表情は照れ混じり。
メルは息を詰め、目をそらす。
だが、心の中は温かさでいっぱい。
アレンは話題を変える。
「じゃあ、ユウ。最近の影の軍団の動きはどうだ?」
ユウは短く答える。
「順調だ。盗賊や疫病対策も問題なし」
メルが手を重ねて囁く。
「……すごい……」
ユウは影を少し収め、柔らかい視線。
リアナも微笑む。
「二人の息もぴったりね」
アレンが肩をすくめる。
「俺たちには負けないぞ、ユウ」
ユウはむぅ、と唇を尖らせる。
影の奥で、わずかに笑み。
カフェのテラスには、光と影の静かな時間。
戦いの日々の喧騒を忘れ、ただ笑い、紅茶を飲む。
メルは照れ、ユウはむぅとしつつも心は穏やか。
アレンとリアナは夫婦として楽しみ、二組の絆は深まる。




