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第八一話 未来
王都屋敷、夜。
暖炉の火がゆらめき、庭には月明かりが差す。
リアナが静かにアレンの前に座る。
顔は少し赤いが、微笑みを浮かべている。
「ねえ……アレン」
「ん?」
アレンは書類を片手にくつろぐ。
リアナは息を整える。
そして、少し照れくさそうに告げる。
「私……子供を授かりました」
アレンは一瞬、手が止まる。
目が大きく見開かれ、口が開く。
「え……マジで……?」
リアナは頷き、手を彼の手に重ねる。
「はい……私たちの子よ」
アレンは一瞬黙る。
そして、力強く抱きしめる。
「……やった!やっと俺の王妃に……いや、俺たちに赤ちゃんが!」
リアナは微笑み、少し恥ずかしそうに顔を背ける。
「落ち着きなさい、アレン」
だがアレンは笑いが止まらない。
「いや、止まるわけねぇだろ!未来だぞ!この俺たちの未来が増えるんだ!」
火の揺れる光に、二人の影が重なる。
遠く、窓の外。ユウは影を揺らしながら、二人を見つめる。
むぅ、と照れた顔。
「……なんで、俺じゃなくて……」
影の闇の奥で、ほんの少しの嫉妬と、少しの祝福が混ざる。
メルも屋敷の隅から見て、にっこり微笑む。
「王様も父親になるんだ……すごい」
夜は静かに深まる。
王都に新たな光が差し込む。
光の王と女王、そして未来の命。
影の王も、影の中で――その光景を静かに見守る。




