第七八話 女子トーク
王都の屋敷、昼下がり。
日差しが差し込む書斎。
リアナが柔らかく座り、紅茶を手にしている。
「ねえ、ユウのこと、聞かせて?」
メルは少し戸惑う。
「え、あ、はい……」
リアナはにっこり笑う。
「私ね、昔から知ってるから。あんたのこと、気になるんでしょ?」
メルの顔が赤くなる。
「そ、そんな……!」
リアナは腕を組む。
「女子トークよ、安心して」
深呼吸して、メルは語り始める。
「ユウさん……すごく……闇があるんですけど、でも……まつげが長くて……目が、黒い宝石みたいで……」
リアナがうなずく。
「それで?」
メルは顔を真っ赤にして、目をそらす。
「それで……なんか、守りたくなるんです……」
リアナは微笑む。
「分かるわ。私も昔からそう思ってた」
メルは驚く。
「え、ええっ!?」
リアナは小声で、くすぐるように続ける。
「ユウってね、見た目は闇の王そのものだけど、ほんとは繊細で、人に触れられると怒るくらい敏感なの」
メルは両手で口を押さえる。
「……かわいい、ってことですか……?」
リアナは笑いをこらえる。
「うん。可愛いと危険が混ざったイケメンね」
メルの顔がさらに赤くなる。
「……や、やっぱり……私だけじゃない……?」
リアナはウィンク。
「私も昔から知ってるからね、あんたが照れるのも当然よ」
メルは小さく、でもはっきりと頷く。
「……そうですか……」
書斎の窓の外、影がゆらめく。
ユウの姿。
黒髪に影をまとい、長いまつげが日の光にわずかに光る。
その瞳には、深い闇がある。
メルは思わず小声。
「……かっこいい……」
リアナは笑う。
「分かってるじゃない」
メルは頬を押さえ、そっと背を向ける。
「……でも、近づきすぎたら、怒られますよね……」




