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光と影が交わる一点  作者: 柳瀬 鯨
贖罪
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第七五話 演習

王都郊外。


崩れた闘技場跡。


観客席は半壊。


中央だけが、奇跡的に残っている。


レオンは腕を組み、静かに立つ。


隣にリアナ。


少し離れてルカ。


中央。


向かい合う二人。


ユウ。


アレン。


「今日は殺すなよ?」


アレンが笑う。


「お前がな」


ユウが低く返す。


ルカが小声でリアナに。


「なんでこんな軽い感じなんですか……?」


リアナが微笑む。


「信頼です」


レオンが一言。


「確認だ」


空気が変わる。


開始の合図はない。


アレンが消える。


爆ぜる音。


地面が割れる。


ユウの影が瞬時に広がる。


斜め後方。


衝撃。


アレンの蹴り。


影が受け止め、逸らす。


「反応速ぇな!」


ユウは無言。


距離を詰める。


拳。


アレンが魔力を爆発的に纏う。


衝突。


空気が弾ける。


観客席の瓦礫が吹き飛ぶ。


ルカが思わず叫ぶ。


「うわっ……!」


レオンが氷壁を展開。


破片を止める。


「集中して見ろ」


中央。


二人は笑っている。


「教団どう思う?」


アレンが打ち合いながら言う。


「厄介だ」


ユウの拳がアレンの頬をかすめる。


「壊す?」


「まだ」


アレンの肘がユウの腹に入る。


ユウ、踏みとどまる。


「お前、迷ってるな」


「迷ってない」


影が一瞬、揺れる。


レオンが目を細める。


アレンが距離を取る。


魔力が膨張。


地面が沈む。


「本気、三割」


「十分だ」


爆発的な加速。


ユウの背後に出現。


衝撃波。


だが。


影が地面に沈む。


ユウが消える。


上空。


影を足場に。


落下拳。


轟音。


地面に巨大な亀裂。


ルカが震える。


「これが……」


リアナが静かに言う。


「二人は、止め合えるんです」


煙の中。


アレンが笑う。


口元に血。


「やっぱ最高だな」


ユウも、わずかに笑う。


「神とかどうでもよくなる」


再衝突。


今度は純粋な殴り合い。


魔法は最小限。


技術と反応。


読み合い。


レオンが呟く。


「均衡している」


ルカが食い入るように見る。


アレンが低く言う。


「もしお前が神になりかけたら」


「俺が止める」


ユウが返す。


「なりかけたらな」


拳が同時に入る。


両者、吹き飛ぶ。


土煙。


沈黙。


数秒後。


「引き分けだな」


アレンが寝転がる。


「そうだな」


ユウも仰向け。


空は青い。


ルカが駆け寄る。


「すげぇ……」


レオンが近づく。


「判断は?」


ユウは起き上がる。


「まだ、壊さない」


アレンが笑う。


「監視続行か」


「暴走したら潰す」


リアナが安堵の息をつく。


風が吹く。


ルカの弱風。


まだ弱い。


だが、まっすぐ。


遠く。


地下でカイが目を開ける。


「強い光」


ボスが静かに呟く。


「影は、まだ人だ」

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