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光と影が交わる一点  作者: 柳瀬 鯨
王の歩み
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第六一話 囁き

凍りついた森。


白銀の大地。


砕け散った影の残骸。


その中心で。


ユウが、笑った。


パキ……ッ


氷の下。


黒が、蠢く。


レオンの瞳がわずかに細まる。


砕けたはずの影兵。


粉雪となったミレイア。


凍りついた黒炎。


それらが、溶けるのではない。


“繋がる”。


黒い糸が空間を走る。


砕片が、吸い寄せられる。


影は、死なない。


「凍らせるだけじゃ、足りない」


ユウが言う。


影兵が、立ち上がる。


だが先ほどとは違う。


氷を内包している。


白と黒が混じる異形。


レオンは理解する。


凍結は通じる。


だが、破壊が足りない。


「再生か」


静かな声。


ユウが踏み込む。


消える。


背後。


影炎を纏った大鎌。


レオンは振り返らない。


手を横に払う。


空間が凍る。


ユウの軌道が白く可視化される。


ガキィィィン!!


氷剣と大鎌が激突。


衝撃波で氷原が砕ける。


ユウの影炎が爆ぜる。


氷を侵食。


溶かす。


レオンが踏み込む。


無拍。


だが今は違う。


凍結ではない。


“停止”。


ユウの右腕の動きが鈍る。


一瞬。


その隙。


レオンの斬撃。


ユウの肩が裂ける。


血が飛ぶ。


黒い。


だが。


傷口から影が溢れる。


再生。


「いいな……!」


ユウが笑う。


影炎が全身を包む。


膨張。


空が暗くなる。


氷が軋む。


支配が、押し返される。


「本気だ」


アレンが呟く。


ユウが大鎌を振り上げる。


影が空へ。


巨大な黒い月が形成される。


「堕ちろ」


黒月が、落ちる。


レオンが両手を広げる。


世界が白くなる。


氷嵐、極限。


空気中の水分が一瞬で結晶化。


巨大な氷柱が空へ伸びる。


黒月と氷柱が激突。


轟音。


森が消し飛ぶ。


地面が陥没。


蒸気と影が渦巻く。


その中。


二つの影が高速で交錯する。


斬撃。


受け。


蹴り。


氷と影炎が爆ぜる。


ユウの大鎌がレオンの腹を裂く。


レオンの氷刃がユウの脇腹を貫く。


凍る。


再生。


凍る。


再生。


均衡。


だが。


レオンの額から血が流れる。


支配は、負担が大きい。


世界そのものを制御している。


ユウが気づく。


「代償、重いだろ」


レオンは答えない。


踏み込む。


両者、同時。


ユウの影が巨大化。


背後に無数の腕。


レオンの背後に氷冠が広がる。


無数の氷剣が展開。


「終わらせる」


同時に。


影の奔流。


氷の嵐。


衝突。


空間が割れる。


音が消える。


光が消える。


数秒。


爆発。


森が、消える。


巨大なクレーター。


中心。


二人が立っている。


ユウの再生が、遅い。


レオンの呼吸が、荒い。


互いに満身創痍。


ユウが笑う。


「最高だ」


レオンが剣を構える。


「まだ終わっていない」


影が再び蠢く。


氷がさらに深く沈む。

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