表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光と影が交わる一点  作者: 柳瀬 鯨
第一章 王の誕生
16/43

第十六話 不測の事態

 謁見の間。

 国王は、重たく深いため息と共に、二人を迎えた。

「来たか……座れ」

 王は直球で告げた。

「今朝より――教会本部が正式に声明を出した」

 ユウが顔を上げる。

「僕の……影魔法に関する声明ですか?」

「そうだ。影を操る魔法は古来より魔族の血の証であり、人が扱うべきではない

 王国軍に魔族の力を持ち込む者を放置するのは、神への冒涜である」

 ユウは息を吐き、額を押さえた。

「……魔族の記述なんて、古文書にすらほとんど残ってないのに」

「教義は理屈ではない。恐怖と信仰で動くものだ。

教会ほどの勢力となれば我の権限ではどうしようもないぞ」

 王は別の文書を開き、アレンに声を向けた。

「そしてアレン。お前にも“敵”が現れた」

「エルフですか?」

 アレンは即答した。

「……察していたか」

「光魔法が出せる人間は歴史上いない。

 エルフ族にしか許されぬ力だと彼らは考えている。

 僕の存在そのものが、彼らの誇りを傷つける」

 王は頷いた。

「エルフ代表団から正式な抗議書が届いた。

 光魔法の源は森の祝福であり、人間の手にあるべきではないとな」

 ユウは呆れたように眉を上げた。

「じゃ、僕は魔族認定。アランは神秘の独占を侵す者?」

「そういうことになる」

 王は苦々しく笑う。

【教会(神殿)、聖騎士、そして信徒層】

・影魔法=魔族の業

・魔族は神代からの“敵”とされる

・ゆえにユウを放置することは“信仰の敗北”と捉えられる

「ユウ、教会はお前を魔族の片鱗として断罪したい。

 信者の中には既に暴徒化しかけている者もいる」

「……僕、魔族どころか普通の人間なんだけどなぁ」

「理屈が通じぬのが、宗教戦争の厄介なところだ」

【エルフ族(長老院)、森の守護者派】

・光魔法=エルフの神聖権威

・人間が扱う=血統を汚されたという感覚

・一部は「アレンを連行すべき」と主張

「アレン。エルフたちはお前を力の盗賊とまで言っているらしい」

「僕の魔法は盗んだものじゃない。

 生まれたときから使えたし、修行して、練習して作り上げた力だ」

 アレンの声は静かだが、言葉は鋭い。

「血統に囚われる者ほど、個の努力を理解しない。それが一番たちが悪い」

 ユウは横目で彼を見て、思わず笑う。

「アレン、お前……なんか凄くカッコいいよな」

 国王は二人を真っ直ぐ見据えた。

「このままでは、お前たちは政治の場で殺される。」

俺たちは恐怖した。子供二人に国が動くというのだ。

 それも悪い方向へ。幸い国王は見方だ。

 一方その頃、王宮の別室では。

 教会側とエルフ使節団が密談していた。

「影を使う男を、神の前で晒し者にする絶好の機会だ」

「光を穢した人間を、世界の前で辱めよう」

「失敗させ、暴走させ、国王の信頼を失わせる」

「この国は、力の出所を間違えたのだ――」

 静かに、だが確実に――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ