3話 神への進化とは
神への進化か。
でもなあ、神かあ。
もしも神へ進化するってなったらな、色々と面倒くさそう。
でも、これはさすがに他人事じゃないし、どうしよう。
いや、絶望の卵を孵化しないと無理っぽいし大丈夫でしょ。
ヨシ!それじゃあ探索するぞ!
宝石とかないかな。
《スキルレベルアップ。暗視LV5からLV6へ。》
暗視が最高レベルいったら、どんな感じになるんだろ。
暗視って使える場面多いよな。
特に洞窟とか、こんなスキルあったら余裕そう。
あー、でもマップほしいな。
脳内にマップ作れないかな。
てか、俺の目標ってなんだろ。
うーん、特にないな。
まあ、今は外へ出ることでいいや。
すぐに出れると思うけど。
ここら辺は何もないな、足音がめっちゃ響く。
こんな響く所は初めてきたな。
洞窟にも色んな感じの……あっ。
えっ?なんか落ちてるんだが。
さっき転んで……え?
あれ、これ非常にまずくないか?このまま死ぬ可能性があるよな?
落下死するくね。
てか、いつまで落ちてるの?長くね?
下を見たら底が見えない……。
うあああああああ!!!!
《スキルレベルアップ。混乱耐性LV4からLV5へ。》
《スキルレベルアップ。混乱耐性LV5からLV6へ。》
《スキルレベルアップ。混乱耐性LV6からLV7へ。》
もうダメだ、俺はここで死ぬんだ。
ん、ん?あれ?生きてる?絶対300メートルくらいあったのに?
いや、もう死んでるのかもしれないな。
ズズッ
ぬめった音が響く。
ん?なんの音……………なんかすっごくでかいタコさんが、目の前にいるんだけど。
えっ?タコ?でかすぎじゃね?クラーケンだろこいつ。
あなたは私のママですか?
そんなわけないよな、だって俺人間の形してるもん。
ダメだ、混乱してて、よく分からない。
もう訳が分からない。
シュッ
あれー?なんか掴もうとしてない?
ご飯じゃないですよー、あっ、ちょっと。
なんで俺タコに掴まれてるんだろ。
どこかに連れていこうとしてるのか。
ボクハアナタノコドモジャナイデスヨ。
混乱耐性ってさ、意味ないと思うのだが。
だってこんな混乱してて、耐性効いてないことある?
いつまで掴まれてるんだろう、なんかよく分からない液体で身体中ヌルヌルだし、変な匂いするし、最悪。
ベイビーたちのところに連れて行って、食わせる気か?
それは嫌なんだが、もしもベイビーたちのところに連れて行ってるなら、俺がベイビー育てるから食べないでくれ。
あと、クラーケンのベイビーとか気になる。
巣に着いたっぽいな。
「ふん?」
おお!可愛い!!
クラーケンのベイビーちゃん!!
てか、タコってふんふん言うの?いや、ここは異世界だ、前の世界とは違う。
「ふん??」
「しゅんしゅん!!」
お母さんはしゅんしゅん言うのね。
「ふん!!」
大丈夫だよな、俺食われないよな?
「ふんふん!!」
ベイビーちゃんが触手を伸ばしてきた。
なんだ食うのか?
ベイビーちゃんの触手は俺を覆った。
「ふん!」
……!!暖かい、いいなこれ、ちょうどいい温度だ。
ずっとここに居たい……これ俺のこと食べようとしてないか?
いや、そんなことしないよね?
「ふ、ふーん」
眠そうだな……掴んだまま寝るとかしないよな?
寝やがった、え、どうしよう。
タコの吸盤ってすごいね、動き取れないわ。
まあ、別に俺はご飯食べなくても生きれるけど、どうしよこれ。
「しゅん、しゅんしゅん」
あ、帰ってきた。
おかえりー!
ご飯にする?お風呂にする?それとも……。
ってなんか、魔物持ってきた。
なんで目の前に持ってくるの?
まさか、食えとか言わないよな?魔物とか食べたことないんだけど。
てか、強そうな魔物だな。
俺が奇襲しても返り討ちされそう。
タコって結構ベイビーちゃん産むと思ってたけど、この世界のタコはそこまで産まないんだね。
まあ、でかいせいなんだと思うけど。
「しゅんしゅん?」
心配そうに俺をみるな。
さすがに、魔物を食べるのはちょっとね。
いや、俺のために狩ってくれたんだ、いただこう。
それではいただきます!!
バクっ!
ん!!美味しい!!魔物のくせに美味しいなんて……。
俺もこんなやつ倒せるようになったら、こんな美味い飯食べれるのかな。
いつまで、ここにいないとダメなんだろう。
鑑定でもしてみるか?
《鑑定。種族:クラーケン・ミニア。名前なし LV1。クラーケンの幼体です。
あなたを母親と認知されています。》
お前無駄な説明好きだよな。
母親か……俺ママになっちゃった。
産んだ覚えないけど。
そしてやっぱりクラーケンか。
前の世界では、伝説扱いだったけど、こっちの世界じゃただの生物っぽいな。
でもクラーケンの幼体ってことは、あの目の前にいるクラーケンなみにでかくなるってことだよな?
まあクラーケンだし、そのくらいでかくなるのは当然か。
てか、水がなくても生きられるんだな。
この世界、なんでもありだな。
あのしゅんしゅん言ってるクラーケンがお母さんじゃないのか?
いや、自然界で母親が2匹いることはおかしくないのか。
いや、それは人間でもあるな。
このクラーケン達と行動すれば、わんちゃん外へ出れるかもしれない。
これはこれでありなんじゃないか?
「ふ、ふんふん!!」
あっ起きた。
ああ、母性がくすぐる。
可愛いな。
やっと離してくれた。
ずっと同じ体制だから、キツかった。
で、これからどうしようか。
うわっ!急にどうした?びっくりした。
急に押し倒すなんて……そんな子に育てた覚えはないわ!
育ててないけど。
1回お母さん?も鑑定してみるか。
《鑑定。種族:グレート・クラーケン。名前なし LV15。知性は他の種族よりも高い。》
俺よりレベル高っ。
あんな強そうな魔物倒してるしな、高くて当然か。
《スキルレベルアップ。鑑定LV3からLV4へ。》
壁でも鑑定してみるか?
《鑑定。洞窟の壁。》
まだ壁は詳しく鑑定は出来ないのか。
「ふんふん!!」
話しかけてきても、通じないんだわ。
どうしよこれ。
ん?なんかベイビーちゃん光ってるんだけど。
おや?ベイビーのようすが・・・!って感じか?
いや、それどっかのモンスターゲームじゃねえか。
「ふん?」
なんか見た目変わったか?
レベル1で進化するのか?
《鑑定。クラーケン・ノーブル。名前なし LV2。2時間母親といることで進化できる。》
産みの親ではないけどな。
たった数時間しかいなかったのに母親扱いされるとは……自然って大変なんだね。
俺も進化とかできるんかな?
いや、なんか神への進化とか言ってたし、俺自体の進化はなさそう。
神への進化って本当になんだよ。
《絶望の卵の様子が……?》
え?まてまてまて!!!
なんで、なんで???!!
《!!!!!!!!!!!!》
《称号獲得。絶望の主。》
これ他の鑑定スキル持ってる人が俺のステータス見られたら、まずいよな。
鑑定さん、鑑定無効とかできませんか??
《進化条件。称号:絶望の主 『呪われた者』。
スキル:??? 暗黒転生。
条件完了。これより、神への進化を開始します。》
こっちの拒否権はないんですか?
《最終確認。神への進化を開始しますか?
YES NO》
NO!NO!NO!!
《NO。神への進化を中断します。》
よかった、危うく神になるとこだった。
《モルク・ドラーケへの進化が可能です。》
なにそれ、なんの種族それ?
じゃあ、進化する?
強くなるなら進化しようかな。
《最終確認。モルク・ドラーケへの進化を開始しますか?
YES NO》
YES。
《それでは進化を開始します。》
そういえば、なんで絶望の卵孵化したんだ……あれ、なんか眠気が……。
「ふん?ふんふん!!」
なんで進化したんだろう。