2000字(7日間)1日目
香月よう子様追悼企画に間に合わなかった(アイディアまでは用意したが形にならなかった)作品を7日間かけて書いてみようと思います。
企画には間に合わなかったのでタグ付けはしていません。
この恋を必ず手に入れる。
◇
卯月、私は決意した。
バレンタインデーがある如月まであと7ヶ月。相手は7っつ上の専門学生。
◇
ずっと好きだった。8歳の頃から好きだった。初恋だった。私は引っ越したその日に恋に落ちた。
「平尾珊瑚です」名前を名乗ってタオルを差し出した。引越しの挨拶。フワフワの上等なタオル。
そのとき彼は14。起きたばかりの顔で玄関に立っていた。モシャモシャの髪に毛玉だらけのスエット。目尻には目やにが付いていた。
「今日は親が出かけてて。すんません」
彼は私の向こうの両親にペコッとお辞儀した。
「なんかぁ。わからないことあったら聞いてください。スーパーの場所とか」
ひょろっとでかい。妙に人をリラックスさせるところがあった。
「おとーさんとおかーさんはで忙しいでしよ。さんごちゃん、うち来る?」
これが全ての始まりだった。
初日357字です。
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