第4話
本当にとても短いです。
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あの後どうやって家まで帰ったのかも覚えていない。
ルハロ殿下はどうやら子供のころから私に全く興味がなかったらしい。そのことが途轍もなく悲しい。
悲しい、寂しい、辛い、苦しい‥‥‥‥本当に??
何も感じない、何で寂しい、何で悲しい、何で辛い、何で‥‥‥‥??
私は、ワタシは何だ?
本当に自分の頭で考えていたのか?
初恋だと思っていたけど、本当は殿下のことはあまり好きではなかったのではないか?
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先刻から、「本当に私はルハロ殿下のことが好きだったのか」という問いに対する色々な思考が止めどなく溢れてくる。
そのせいでワタシは、ぐるぐると勢いよく巻かれている、大きな思考の渦に飲み込まれかけている。
ずっと考えていると、やがて心地よくも気持ち悪いぬるま湯のような温度で、その思考が徐々に私の心と頭を溶かしていく。何も考えたくない。でも考えてしまう。
あんなにルハロ殿下のことを愛していたのに、今は何も思わない自分が途轍もなく気持ち悪いと、どうしても思ってしまう。
でも同時に心のどこかで、大きすぎる何かから解放されるような、そんな感覚をはっきりと感じ取ったことに対して何故か喜んでいる自分がいるのも分かっている。
そんなことばかりずっと考えている。無駄だとわかっていても。
疲れているのかな、もう眠ろう。
寝たら普段通りになれていることを祈って、眠りの海に身を投げ出していった。
読了ありがとうございました。今回はすぐに更新する予定です。
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